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マルチスレッド&マルチコア&オンメモリで超ハイパフォーマンス NoSQL 型データベース、と言われている Aerospike をインストールしてみました:
2016081000


Aerospike は Docker や Vagrant のイメージが配布されていたり、AWS や GCE の仮想イメージが配布されていたりするので、これらを使うと「インストール」という作業を行わなくてもそのまま使えちゃいます(現にそのイメージを使う解説サイトも目立ちます)。が、今回はオンプレミスや普通の(?)仮想マシンでも使えるように、サーバーソフトの導入手順を紹介します。例によって CentOS 6.x が対象です。

まず Aerospike の動作には Python (2.6+)、Python ライブラリ、そして gcc が必要になります。これらの前提ライブラリをまとめてインストールしておきます:
# yum install gcc python python-devel

改めて、ここから Aerospike の環境を揃えていきます。今回は無料版であるコミュニティエディションのサーバーノード1つと、AMC(Aerospike Management Console 管理コンソール)1つを1台のマシンに導入する手順を紹介します。

まずサーバーノードを導入します。以下のサイトから対象の環境(今回は CentOS 6 なので、互換性のある RedHat 6)を選んで最新版をダウンロードします:
http://www.aerospike.com/download/server/

2016081003


2016/Aug/10 時点では最新バージョンは 3.9.0.3 でした。ダウンロードできるのは tgz ファイルなので、このアーカイブを展開し、インストーラー(asinstall)を実行してインストールします:
# cd /tmp
# tar xzvf ~/aerospike-server-community-3.9.0.3-el6.tgz
# cd aerospike-server-community-3.9.0.3-el6
# ./asinstall

インストールが成功したら以下のコマンドでサーバーとして起動し、またシステム再起動時に自動起動するよう設定しておきます:
# /etc/init.d/aerospike start
# chkconfig aerospike on

これでサーバーノードがこの環境にインストールできました。次にこのサーバーノードを管理するコンソール機能を導入します。

同様にして、以下のサイトから対象の環境を選んで AMC の最新版をダウンロードします。ちなみに AMC は RedHat 6(CentOS 6) 用のものしか用意されておらず、7.x のものは配布されていませんでした:

http://www.aerospike.com/download/amc/

2016081001


こちらの場合は rpm パッケージファイルがダウンロードできるので、RPM コマンドでそのまま導入します:
# rpm -ivh aerospike-amc-community-3.6.10.1-el6.x86_64.rpm

やはり同様に AMC を起動して、次回再起動時に自動起動するよう設定しておきます:
# /etc/init.d/amc start
# chkconfig amc on

これで導入作業は完了です。試しに一度管理コンソールを見てみましょう。ウェブブラウザを起動して、
 http://(導入先のマシン名):8081/
にアクセスしてみましょう:

2016081002


すると最初の1回は上記のような画面になり、AMC で管理するサーバーノードを指定するよう指示されます。今回は AMC と同じマシンにサーバーノードを導入しているので、同じアドレスか localhost を指定します。ポート番号は特に変更していない限り 3000 のままで大丈夫です:

成功すると AMC の管理画面が現れます:
2016081004


とりあえず1ノード環境ですがこれで動いちゃいました。Aerospike はノードを追加すればリニアにスケールするよう設計されているので、足りなくなったらサーバーノードを追加準備して、この AMC に追加すれば使えちゃいます。データの増減が大きいシステムに非常に向いていると言えます。




このエントリの続きです:
レッドハットの開発者向けサブスクリプション(無料)を使ってみた


上記エントリで、レッドハット社が開発者向けに無料で提供を開始した RHEL 7.2 の導入方法を紹介しました。普通に導入して使うまでであれば、この方法で問題なくできるはずです。

が、この状態から新しいツールを yum でインストールしようとして躓きました。ライセンスを購入して利用しているわけではないので、標準のレポジトリを使うことができず、結局 yum の利用ができないのです:
2016042701


というわけで、インストール時に使ったメディア DVD(iso)を使って yum のリポジトリを作り、そこから yum でツールを導入できるようにしてみます。


まずはインストールメディアを RHEL システム内にマウントします。DVD で所有している場合はトレイに入れるだけで自動的にマウントしてくれるはずです。iso ファイルで所有している場合は、以下のコマンドを使ってマウントします(この例では /root/rhel-server-7.2-x86_64-dvd.iso ファイルを /mnt/iso にマウントします):
# mount -t iso9660 -o loop /root/rhel-server-7.2-x86_64-dvd.iso /mnt/iso

次に /etc/yum.repos.d/localdvd.repo ファイルを以下の内容で新規に作成します。マウントした iso(または DVD)をリポジトリとするための記述になってます:
[localdvd]
name=RHEL 7.2 x86_64 DVD
baseurl=file:///mnt/iso/
enabled=1
gpgcheck=0
gpgkey=file:///mnt/iso/RPM-GPG-KEY-redhat-release

そしてリポジトリリストを更新します:
# yum repolist all

これで DVD(iso) の中にあるパッケージファイルが yum で導入できるようになりました。普通に yum install コマンドなどが使えるようになっている、はず:
# yum install screen


CentOS にデフォルトで導入される PHP は 5.3 系です:
# php -v
PHP 5.3.3 (cli) (built: Oct 30 2014 20:12:53)
Copyright (c) 1997-2010 The PHP Group
Zend Engine v2.3.0, Copyright (c) 1998-2010 Zend Technologies

場合によってはこのバージョンでは不都合が生じ、もっと新しい 5.4 や 5.5 が必要になることがあります。その場合の導入方法を紹介します。

まずは必要な yum レポジトリを追加します(CentOS6 64bit の例)。これによって標準状態では探せなかった PHP5.4 や PHP5.5 を探すことができるようになります:
# rpm -Uvh http://dl.fedoraproject.org/pub/epel/6/x86_64/epel-release-6-8.noarch.rpm
# rpm -Uvh http://dl.iuscommunity.org/pub/ius/stable/Redhat/6/x86_64/ius-release-1.0-11.ius.el6.noarch.rpm
# rpm -Uvh http://rpms.famillecollet.com/enterprise/remi-release-6.rpm
次にインストール済みの PHP 5.3 パッケージを削除します:
# yum erase php*

そして新しい PHP のモジュールをインストールします。PHP 5.4 であればこんな感じ(この例では PHP 本体に加えて、他バイト言語用拡張と MySQL 用拡張を追加しています。必要なものを適宜同様に加えてください):
# yum install php54 php54-mbstring php54-mysql

PHP 5.5 ではこのようになります:
# yum install php55 php55-mbstring php55-mysql

最初にリポジトリを追加してしまえば簡単ですね。

 

git の submodule コマンドは、バージョンが 1.7.10 以前のものだと http ではリクエストができない、という問題があるようです:
HTTPS cloning erros

一方、現在の CentOS 6 で普通に(デフォルトで) git を導入すると、そのバージョンは 1.7.1 でした。つまり CentOS 6 で普通に git をインストールすると、上記の問題に該当するバージョンが導入される、ということになります:
# git --version
git version 1.7.1

これが問題になるケースもあると思われます。というわけで、git のバージョンを手動で上げる手順を紹介します。以下の例は CentOS 6(64bit) 向けのバージョン 1.7.11.3 を導入する場合ですが、こんな感じ:
# curl -LO http://pkgs.repoforge.org/git/git-1.7.11.3-1.el6.rfx.x86_64.rpm
# curl -LO http://pkgs.repoforge.org/git/perl-Git-1.7.11.3-1.el6.rfx.x86_64.rpm
# yum erase perl-Git
# yum localinstall git-1.7.11.3-1.el6.rfx.x86_64.rpm perl-Git-1.7.11.3-1.el6.rfx.x86_64.rpm

該当の2モジュールを curl コマンドで取得し、現在のものを消してから、yum localinstall で取得したモジュールを使ってインストールしています。

最後に git のバージョンを確認します:
# git --version
git version 1.7.11.3

成功!
 

CentOS のローカル環境内に yum のリポジトリを作成する手順を紹介します。


RHEL(RedHat Enterprise Linux) や CentOS を使っている人には「何を今さら」な情報だと思いますが、アプリケーションやモジュールのインストールには rpm や yum を利用することが多いと思います。

特に yum を利用することで、目的のモジュールを導入するために必要となる前提ライブラリが既にインストールされているかどうかをチェックし、更にその前提ライブラリの前提となるライブラリのインストール状況も調べて・・・で、現在の環境に足りないライブラリやモジュールを順次インストールした上で最終的には目的のモジュールまでインストールしてくれます。非常に便利なツールです。

ただ RHEL にせよ CentOS にせよ、その利用の条件として「yum リポジトリ」と呼ばれる一連のファイル環境を用意する必要があります。DVD などからの新規導入時にはその DVD メディアの中に yum リポジトリが含まれていてそのリポジトリを使ってインストールが行われたり、インターネットアクセス環境が整っている場合はインターネット上の yum リポジトリを参照することでインストールを行うことができます。なので、通常はリポジトリの存在をいちいち意識することなく yum を利用することが大半だと思います。

ところが、インターネット接続のない特殊な環境下の場合、最初の導入時こそ DVD 内のメディアリポジトリを利用して指定したアプリケーションやモジュールを導入することになるので何も変わりませんが、その DVD を取り出して再起動した後からは yum リポジトリにアクセスできなくなってしまうため、後から足りないモジュールを追加インストールする際に苦労します。もちろんそこで改めて DVD メディアをマウントすればそのメディアリポジトリを使うことはできますが、わざわざ DVD メディアを再度用意する必要があります。またその場合でもインストールできるのは DVD 内に含まれている(最新版とは限らない)モジュールだけであって、最新モジュールを yum でインストールするには最新モジュールの含まれたリポジトリの DVD メディアを用意する必要があります。要は色々面倒なわけです。

そこでインターネット接続がない場合でも、メディアを意識せずに yum を使えるようにするためにローカル環境のディスクシステム内に yum リポジトリを作る方法を紹介します。この環境を作っておけばとりあえずそのリポジトリに含まれているモジュールについては yum で(依存関係ごと)導入できるようになるし、モジュールのバージョンアップをしたい場合は必要なモジュールをローカルファイルシステム上にコピーした上で再度リポジトリを作成し直せばいい、ということになります。バージョン管理の面倒さこそありますが、ディスク上にリポジトリを作っておくことで DVD メディアやネット経由のリポジトリよりは高速なアクセスが期待できる、というメリットもあります。


では以下にその手順を紹介します:

まずはリポジトリの元になる DVD のインストールメディア(RedHat や CentOS など)を用意します。このメディアが /mnt にマウントされていて、アクセスできる状態(/mnt/Packages/ というフォルダが存在している状態)になっているものと仮定します。

次にリポジトリを作成するディレクトリを用意します。ここでは /usr/tmp/repo/ というフォルダ以下にローカルリポジトリを作成することにします。

というわけで、まずは /usr/tmp/repo を作成しておきます:
# mkdir /usr/tmp/repo/


このディレクトリ内に centos/ サブディレクトリを作ります(これがリポジトリの名称になります):
# mkdir /usr/tmp/repo/centos


更にこのディレクトリ内を DVD と同じ状態にするべく、Packages/ サブディレクトリを作ります:
# mkdir /usr/tmp/repo/centos/Packages


DVD 内のリポジトリに含まれる一連の rpm ファイルを全て用意したディレクトリ以下へコピーします:
# cp /mnt/Packages/*.rpm /usr/tmp/repo/centos/Packages


ここから /usr/tmp/repo をローカルリポジトリにするための設定を行います。まずは rpm を使ってローカルリポジトリ作成に必要なツールだけを単独で3つ導入します:
# cd /usr/tmp/repo/centos/Packages
# rpm -ivh deltarpm-3.5-0.5.2009093git.el6.x86_64.rpm
# rpm -ivh python-deltarpm-3.5-0.5.20090913git.el6.x86_64.rpm
# rpm -ivh createrepo-0.9.8-4.el6.noarch.rpm
(バージョンの数値は用意したメディアによって異なっている可能性があります。適宜読み変えてください)


導入した createrepo を使って、/usr/tmp/repo 以下にローカルレポジトリを作成します:
# cd /usr/tmp/repo
# createrepo .


yum がこのローカルレポジトリを利用できるよう、以下のファイルを新規に作成・編集します:
# vi /etc/yum.repos.d/centos.repo

(以下、/etc/yum.repos.d/centos.repo の内容)
[centos]
gpgcheck=0
name=My Repo
baseurl=file:///usr/tmp/repo


yum リポジトリを更新します:
# yum clean all
# yum list


これでローカルファイルシステム内に centos という名称の yum リポジトリが作成できました。インターネットに繋がっていなくても、インストール DVD メディアがなくても yum を使ったモジュールのインストールが可能になります。


なお、モジュールを新しいものに更新したい場合や、このローカルリポジトリに別の .rpm ファイルを含めたい場合はそれらを /usr/tmp/centos/Packages/ 以下にコピーして、再度 yum リポジトリを更新(上述)すれば新しい内容の yum リポジトリになります。






 

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