まだプログラマーですが何か?

プログラマーネタ中心。たまに作成したウェブサービス関連の話も https://twitter.com/dotnsf

タグ:thinkpad

ずっと長い間、「ノート PC といえば ThinkPad」派でした。最初は Dynabook(というか Libretto)にハマり、次に トラックボール付き Let's note しか愛せなくなり、そしてトラックポイント付きの ThinkPad に出会ってからは ThinkPad 依存な体になりました。 改めてこうやって並べてみると、基本ノートPCではマウスを使わずにポインタを自在に操ることを求めているのかもしれません。

で、今は ThinkPad 派です。トラックポイントに加えて、あの打ちやすい剛健キーボード! 会社の方針だか何だか知りませんが ○acBook とか使いにくくて仕方ありません。だいたいあの会社はオープンテクノロジーの真逆にあるんじゃないかってほど閉鎖的でしかも・・・ まあこのくらいにしておきます(苦笑)。 要は ThinkPad Love なのです。

が、そんな自分でも心配になるようなニュースが今年の冬と秋にありました:
Lenovo、今度はThinkPadにユーザーデータ収集ソフトを潜ませていた

簡単に言うと「Lenovo が自社 PC 内に不正ソフトを潜ませていてユーザーのデータを集めてフィードバックする仕組みを組み込んでいた」というものです。冬の時点では「ThinkPad は関係ない」という内容でしたが、秋のニュースでは ThinkPad を含む全製品が対象、というものでした。

正直な所、このニュースの信憑性や、本当の所どうだったのかはよく分かっていません。でもその仕組があったことは事実だし、すごく残念でした。事実、このニュース以降では新たに ThinkPad を購入していませんし、正直少し抵抗を感じています。


ただ、とはいえ ThinkPad が使いやすいことは変わらないのです。自分はプログラミングコードを書く機会が多く、比較的キーボード入力の多い使い方をしていると思うのですが、そんな使い方に最適のキーボードがトラックポイント付きの ThinkPad キーボードであり、最適のマシンが ThinkPad だと今でも思っています。会社でも別会社の新しい PC を使う機会がなかったわけではないのですが、正直使ってて疲れる気がしたので変えていません。でもそういう人は少なくないんじゃないか、とも思っています。




さて、昔購入した PC は時間の流れと共に古くなって、使い勝手が悪くなります。その運命は ThinkPad であっても変わりません。そのような「事実上使えなくなった」中古 PC をどうするか、というのは多くの人が抱える問題だと思います。「メモリやディスクを増設すればまだ使える」かもしれませんが、そもそも周辺部品が今でも入手できる保証はありませんし、できるとしてもお金をかけてまで延命させたいわけじゃないことが多いです。安く買い取ってくれる(奇特な)知り合いがいればいいのですが、実際はそうもいかず、逆にお金を払ってリサイクル、ということだって珍しくないと思ってます。現実問題として快適に使えないんだから仕方ないよね、、と。

さて、ここからが本題です。 そんな中古 PC の使い道の1つとして「Linux で生まれ変わらせる」ことが可能です。Windows という比較的負荷の高いデスクトップ OS を使っているから遅く感じたり、メモリが足りなくなってイライラしたり・・・ということがあると思うのですが、そこに比較的軽量なデスクトップ環境を構築して使えば、まだそのスペックでもイケるんじゃないか!? という発想です。 しかもそのマシンが ThinkPad だったりしたら、超軽量で超使いやすいデスクトップ PC に生まれ変わるんじゃないか!? という期待があります。

しかも上述の ThinkPad の不正ソフトの話は、実は Windows 環境で使っている場合の話でした。Windows でなければ(少なくとも上記で触れられている)不正ソフトの心配をする必要もなくなります。不安だった ThinkPad が安心して使えるようにもなる、というメリットまであるのでした。

前置きが長くなりましたが、それを実際にやってみた様子を報告します。まず今回の対象となった PC は 2010 年モデルの Lenovo ThinkPad Edge 13(グロッシーレッド)。色はブラックが多い ThinkPad では珍しく天板が光沢のあるレッドで加工されています。2GB のメモリと 250 GB のハードディスク、そして元々は 64bit Windows 7 Home Edition が導入されているモデルです(Windows 8 が既にリリースされていて、でも 7 も選べる、というタイミングで購入したもの)。実際問題として、今の Windows デスクトップはメモリ 2GB だと起動の時点で大抵使いきってしまうので、起動して使えるようになるまででも結構時間がかかることが多いのではないかと思ってます:
写真 1


既に Lenovo のサイトからは見つけることができなくなっているモデルだったため、同じ製品を紹介している外部サイトを参照してください:
http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1002/23/news025.html

こいつにハードウェア的な増設は一切行わずに、OS だけ入れ替えて生まれ変わらせよう、という考えです。入れ替える OS は Linux です。デスクトップ用途では Ubuntu が多数派かもしれませんが、自分の好きな CentOS にしてみました。

念のため、以下で紹介している導入作業を実際に行うと、現在使っているデータは全て消えてしまいます。バックアップを取るなどして、もうこの PC の中にあるデータが使えなくなってもよい状態にしてから実施してください。

手順はおおまかにはこちらで紹介していることをやっているだけです。要は CentOS (6) の 64bit ISO イメージをダウンロードして、DVD に焼いて、PC にその DVD をセットして起動して OS をインストールする、というものです:
CentOS の導入

写真 3


上記リンク先に書かれている手順を実行して CentOS を導入し、X Window System とデスクトップ環境をオプションで導入することで比較的 Windows に近いグラフィック環境で利用できるようになります。なおトラックポイントと有線 LAN は何もしなくても自動認識してくれました。日本語および入力IME、LibreOffice(オフィス製品)、FireFox ブラウザあたりを入れておけばとりあえずはネットブラウザとオフィスの使える、デスクトップ PC っぽい環境になりました:
写真 4


しかも超軽いです。GNOME のウィンドウ環境まで立ち上がった状態でもまだ 512MB 程度しかメモリを使っていないので余裕です。CentOS のデスクトップ環境構築についてはこちらでも紹介したことがあるので参考にしてください:



今回のブログエントリは ThinkPad ユーザー向けです。


lenovo の ThinkPad のほとんどの機種には APS(Active Protection System) と呼ばれている、ハードディスク保護システムが用意されています(画面はコントロールパネル):
2015071801


世の中にはありがたい人がいてくれて、この APS 機能を SDLAccel というライブラリにして、色々なアプリケーションに応用できるようにしてくれた方がいました。このリンク先のダウンロードボタンをクリックして、SDLAccel.zip をダウンロードしてください:
https://docs.google.com/open?id=0B3tL0c24sdXwSnpLSHpwYUxHZ0k

2015071802


この zip ファイルを展開し、SDL.dll だけを取り出しておきます:
2015071803


これが(一般的に多く使われている)SDL ライブラリの APS 対応版です。これがどういう意味かは後で紹介しますが、普通の SDL.dll と置き換えて使うことができるものです。

では実際に置き換えて使ってみるための、SDL を使ったアプリケーションをダウンロードしてみましょう。例えばこの Tux Racer というゲームは SDL 対応ゲームなので、これで試してみます:



Tux Racer を SourceForge からダウンロードして、展開します:
http://sourceforge.net/projects/tuxracer/


展開後の tuxracer.exe をダブルクリックすると、普通にゲームを始めることができますが、今回はその前に一手間かけてみます。
2015071804


この Tux Racer のフォルダにある SDL.dll を SDL.dll_org にリネームし、先程ダウンロードした SDLAccel.zip から取り出した SDL.dll を同フォルダにコピーします。つまり、SDL.dll を SDLAccel.zip のものに置き換えます:
2015071805


これで準備完了です。改めて tuxracer.exe をダブルクリックしてゲームを起動してみます。

このゲームは主人公の Tux(ペンギン)を方向キーで左右に動かしてアイテムを取りつつ、上下キーでスピードを調整しながらゴールを目指す、というアクションゲームです:
2015071806


ただ SDL.dll を更新後は方向キーが使えなくなっています。代わりに APS を使ったコントロールが有効になっていて、ThinkPad 自体を前後左右に傾けることで Tux をコントロールできるようになっているはずです:
2015071807


ThinkPad 本体を落とさないように、気をつけて遊んでください。

このページのトップヘ