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Stackato を使ってプライベート環境に構築した Cloud Foundry 環境に、App Store というアプリケーション一覧からアプリケーションをデプロイしてみます。Stackato 環境構築の手順はこちらを参照してください:
Stackato を導入してプライベートな Cloud Foundry 環境を(KVM に)構築する
 ↑これの続きです


Stackato 管理コンソールにログインして、最初のページを下にスクロールすると "Deploy from the App Store" と書かれたリンクがあります。ここをクリックします:
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"App Store" という、Stackato 対応アプリケーション(正確にはサーバー&アプリケーション)の一覧が表示されます。CMS の Joomla やアプリケーション開発フレームワークの cakePHP など、メジャーどころが結構対応しています。これらは全て以下に紹介する簡単な手順で Stackato にデプロイできるようになっています:
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試しに、ブログや CMS では定番の1つになっている WordPress をデプロイしてみます。一覧の最後の方までスクロールして、"WordPress" を見つけたら、"Deploy App" ボタンをクリックします:
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WordPress アプリケーションサーバーのデプロイ情報を入力します。といってもここで気をつけるべきは一番上の "App Name" 欄だけです。デフォルトで設定されている名称をそのまま使ってもいいし、変更してもいいのですが、これがアプリケーションサーバー名の一部(****.stackato-mm7d.local の **** 部)になります。とりあえずこの例では "wordpress-y7unx" という名称にしています。最後に "Deploy Application" ボタンをクリックすると Stackato 環境にデプロイが開始されます:
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デプロイ中の画面はこんな感じでログが表示されます。しばらく待ちます・・・:
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ログに "Created app 'wordpress-y7unx(App Nameの値)'" と表示されて、ログの動きが止まったらデプロイが完了しています:
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この状況で画面左の "Instance" をクリックすると、Stackato 環境内で動いているサーバーインスタンスの一覧が表示されます。先程作成した WordPress サーバーがちゃんと Stackato 内で動いていることが確認できます。またこの画面から再起動などの管理オペレーションが可能になっています:
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 ↑仮想環境の KVM の中で動いている Stackato の中で動いている WordPress サーバー、です


では実際のアプリケーションにアクセスしてみます。

・・・が、その前に、このアプリケーションは Stackato 内で動いていて、IP アドレス自体は Stackato と同じものです。(恐らく VirtualHost 設定などで)アクセスサーバー名で切り替えられるようなので、この WordPress にアクセスするには改めて /etc/hosts を編集するなどして、サーバー名(wordpress-y7unx.stackato-mm7d.local)でアクセスできるようにしておく必要があります。

前回も紹介したように、ブラウザを利用するマシンの hosts ファイルを更に変更して、サーバー名と IP アドレスの対応を追加しておきます:
192.168.0.101 stackato-mm7d.local api.stackato-mm7d.local wordpress-y7unx.stackato-mm7d.local
(↑内容は各自の環境に合わせるようにして赤字部分を追加します


そしてブラウザで http://wordpress-y7unx.stackato-mm7d.local/ を開くと、、、WordPress の初期設定画面が表示されています。あっけなく動いてますね:
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初期設定を済ませれば、そのまま WordPress を使いはじめることができます:
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この WordPress の例に限らず、Stackato の App Store には初めから使えるアプリケーションが数多く用意されているので、これらを使ってアプリケーションをすぐに構築したり、ミドルウェア環境を手早く用意する、といったことができそうです。この WordPress アプリケーションの場合は 128MB メモリ環境で動作するようなので、これ1つ作った時点であればまだまだ余裕があるので他のアプリケーションを同時に作って動かす、ということもできると思っています(他のリソースはともかくメモリ的には)。

今回使った Stackato の mini Cloud Foundry 環境の場合はメモリ上限が 4GB と比較的小規模運用が前提になっていますが、この範囲で収まる使い方であれば、社内やチーム内利用には充分すぎる環境だと思います。仮に収まりきらなくなった場合でも、(有料の)上位エディションに移行したり、各社から提供されている Cloud Foundry ベースの環境に移行ことで運用先に困ることはないと思っています。 

こういう移行選択肢がある、ということがオープン環境の素晴らしいところです。


Cloud Foundry をベースとした PaaS 環境は色々な会社から提供されていますが、その商用プライベート版の1つに Stackato (スタッカート)があります。

Stackato は(PaaS なので当たり前といえば当たり前ですが)ホスティングされた環境を利用することもできますし、Amazon EC2 や HP Cloud Services 上にデプロイして利用するためのパッケージも用意されています。また小規模向け限定だと思われますが、仮想環境用のイメージファイルをダウンロードすることで、自社のオンプレミスなどの全くのプライベートな環境内に構築して利用することも可能です。

この最後のケースですが、イメージファイルは VirtualBox / VMWare / vSphere / KVM 環境それぞれ用意されているので、これらのいずれかの環境があれば試してみることができます。

というわけで、自分の KVM 環境を使って Stackato を導入してみた時の様子を、最初のセットアップまで紹介します。仮想環境を今から用意するのであれば PC に VirtualBox をダウンロードしてインストールするのが手軽かな、と思っていますが、もし KVM 環境を整えるのであればこちらを参照ください:
CentOS に KVM 環境を構築する

まずは Stackato のイメージをダウンロードします。 ダウンロードサイトから目的の仮想環境にあったものを選んで "Direct" と書かれた箇所をクリックするとダウンロードが始まります(1ファイルが2GB近くあります):
2014051400


ダウンロードしたファイルを展開すると、選択した仮想環境用のマシンイメージファイルが現れます。Stackato V3.2.1 の KVM 用イメージであれば stackato-img-kvm-v3.2.1.img というファイル名でした(展開後のサイズは10GB近く)。


これを KVM 内で稼働させます。VirtualBox や VMWare など、他の環境を使う方はその環境なりの方法でイメージファイルを仮想マシンとして起動させてください。以下しばらくは KVM で仮想マシンマネージャーを使って起動させる場合の説明になります。

まずは KVM のホストマシン上で「仮想マシンマネージャー」を起動します:
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仮想マシンマネージャーが起動したら "localhost" と書かれた箇所を右クリックし、「新規」を選択します:
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作成する仮想マシンの名前を適当に(図では "stackato")入力します。また先程展開したイメージファイルから作成するので「既存のディスクイメージをインポート」を選択して「進む」をクリックします:
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「既存のストレージパス」には「参照」ボタンをクリックして、先程展開した Stackato のディスクイメージファイルを選択します。また「OS の種類」には "Linux" を、「バージョン」はこのイメージの元になっている "Ubuntu 10.04" を選択します:
2014051404


「メモリー」欄には Stackato に割り当てるメモリサイズを指定します。推奨値は 2GB 以上となっているので 2048(MB) と入力します。メモリに余裕がある環境であればもっと大きな数値でも構いません(但し、このダウンロードイメージを使う場合の上限は4GBらしいです)。なお1GB(1024) を指定した場合でも起動はしましたが、起動時に警告メッセージが表示されました。CPU は Stackato 環境に割り当てる仮想CPU数を指定してください:
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最後に内容を確認して「完了」をクリックします:
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Stackato 仮想マシンが起動している様子です:
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仮想イメージの起動が完了するとこんな感じの画面になります(IP Address はDHCPで割り振られた、この Stackato マシンのIPアドレスです)。また画面内に "https://stackato-mm7d.local" と書かれたURL(赤字部分は環境によって変わります)は管理コンソールへアクセスするための URL ですが、後で使うのでメモしておきます。
ここからは KVM に依存しない内容に戻ります:
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まずはこの Stackato 環境にログインしてみます。"l"(エル)キーを押して、ログイン画面に移ります。デフォルト状態ではユーザー名/パスワードともに "stackato" が設定されているので、この内容を入力してログインします:
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ログインできました。CPU やメモリの状態、内部アドレスなどが表示されてプロンプトになります。なお stackato ユーザーが sudo 権限を持っているので、sudo を使うことでシャットダウンやリブートを含めた管理者権限でのコマンド実行を行うことも可能です:
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管理コンソールへアクセスするには、自分の PC や仮想ホストマシンから先程のログイン画面に表示されていた URL にブラウザでアクセスします。が、このホスト名は Stackato が自動的に割り振ったものであって、当然ですがそのままでは(名前解決ができないため)アクセスできません。 これを解決するために DNS を設定してもいいのですが、手っ取り早い方法としてはブラウザを使うマシンの hosts ファイル(Unix/Linux 系であれば /etc/hosts、Windows 系であれば C:\Windows\System32\drivers\etc\hosts)を編集して以下の1行を追加します:
192.168.0.101 stackato-mm7d.local api.stackato-mm7d.local

この最初のアドレス部分は作成した Stackato 仮想マシンの IP アドレス(画面に表示されているもの)で、その右にホスト名、更にスペースを空けて api. を頭に付けたホスト名を記述します。

これでブラウザからホスト名指定でアクセスできるようになりました。改めてブラウザのアドレス欄に https://api.ホスト名/ (上記の一番右に追加した api. 付きの名前)と入力してアクセスします。すると以下の様な管理画面(の初期設定画面)が表示されます:
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それぞれ以下の内容を入力し、"Yes, I agree to the Stackato Terms of Services" にチェックを入れて、最後に右下の "Setup First Admin User" ボタンをクリックします:
- Username: 管理ユーザー名
- Email Address: メールアドレス
- User Password: 管理ユーザーのパスワード
- Confirm Password: (確認用)同じパスワード
- Organization Name: 組織名/社名
- Space Name: デプロイ空間名称(適当に "dev" とか)


するとログイン画面が表示されます。ここに先程入力した管理ユーザー名とパスワードを指定してログインします:
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正しくログインが完了するとこのような画面が表示され、各種管理機能にアクセスすることが可能になります:
2014051413


とりあえず導入から起動、そして一通りのセットアップをした上で、管理コンソールにアクセスするまでを紹介しました。

実際のアプリケーションのデプロイなどはもう少し調べた上で別途紹介したいと思っています。

(2014/May/17 追記)
続きはこちらです。


 

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