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IBM Bluemix には「サービス」と呼ばれる数多くの API 群が利用可能なものとして登録されています:
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これらのサービスは大きく3種類に分けることができます:
(A) IBM サービス
IBM のソフトウェア製品やソフトウェアサービスが SaaS / DBaaS として提供されているもの。
ベータ版も含まれる(ベータ版は原則的には無料)。
Bluemix のサービス一覧内では青い枠で囲まれている。

(B) ビジネスパートナーサービス
IBM のビジネスパートナー様が提供する SaaS / DBaaS が、Bluemix からも使えるようになっているもの。
課金体系や提供形態(無料枠の有無など)も含めてビジネスパートナー様が決める。
パスポートアドバンテージ契約時の割引対象外。
Bluemix のサービス一覧内では緑の枠で囲まれている。

(C) 試験提供サービス
(もともとの Cloud Foundry が提供している)オープンソース製品の SaaS / DBaaS や、
IBM サービスのベータ版になる前の段階で試験的に公開しているサービス。
サービスに関しては原則的には無料(試験提供のランタイムは他ランタイム同様の課金体系)。
Bluemix のサービス一覧内では白い枠で囲まれている。


これらの中の (B) ビジネスパートナーサービスは、例としては Twilio サービスであったり、SendGrid サービスであったり、Box サービスであったり、ClearDB(MySQL の DBaaS)サービスであったり・・・といった感じで、特定の目的についてデファクトスタンダードといえるような Web API が Bluemix のサービスとして登録されています。つまり Bluemix ユーザーは、これらの業界標準 API を使ったアプリケーション開発が、Bluemix 環境の中でも可能になる、ということを意味しています:
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で、よく聞かれるのがこの質問です:
  自分(うちの会社)が作った API も Bluemix のサービスに登録できるの?

答は条件と手続きを満たすことで「ビジネスパートナーサービスとして登録できます」です。本エントリではこの流れと手続について紹介します。

サービスとして登録するまでの手続きの流れは以下のようになっています:

(1) クラウドビジネスパートナーとして登録
https://www.marketplace.ibmcloud.com/joinnow/ のフォームから会社を登録

(2) IBM クラウドマーケットプレースチームによる内容確認レビュー
登録内容が確認されて、問題がないかを判断(問題がなかった場合のみ (3) へ)

(3) Terms and Conditions に同意
https://developer.ibm.com/marketplace/docs/vendor-guide/business-partner-agreements/

(4) IBM Cloud Marketplace Business Partner 条件に同意後、90日以内にマーケットプレース API を実装
https://developer.ibm.com/marketplace/docs/vendor-guide/integrating-bluemix/

(5) Bluemix 用の追加条件に合意

(6) マーケティングキットを使ってプロモーション開始
https://developer.ibm.com/marketplace/docs/marketing-kit/



手続きの流れはこんな感じ。で、問題は「(1) はどういう条件をクリアして、どういうサービスを提供すると (2) がクリアできるのか」ということです。

その答は技術的・サービス内容的に決まっています。まず技術要件がこちら:
- マーケットプレース API を使って支払い機能とプロビジョニング機能をサポートすること
- Bluemix 内のアプリで有用に使えること
- サービスはクラウドで提供されていること
- コンポーザブル(組み合わせ可能)であること
- バックエンドは負荷の変更に耐えられるようスケールすること
- 英語版ウェブサイトが提供されていること
- 無料トライアルが提供されていること


そしてサービス要件がこちらです:
- Description にサービスの価値が記述されていること/Bluemix を組み合わせた価値が分かるようにすること
- Bluemix でそのサービスを使う場合のドキュメントへのリンクが提供されていること
- 簡単に開始できるスターターアプリや、スクラッチで開発する場合のサンプルなどが提供されていること
- サービスのダッシュボードが Bluemix から簡単に使えること(例えばリンク URL だけで使える、など)
- プロビジョニングやバインドの処理が3分以内に完了すること
- サポート情報が記載されていること
- メンテナンス時のダウンタイムをゼロにすること
- Terms of Usage へのリンクが提供されていること
- Bluemix や他のサービスとのシングルサインオンが提供されていること、など


曖昧なものもあれば、少しわかりにくいものもあります。いくつかの要件について補足します。まず Bluemix は全世界で提供されるサービスであり、例えば「日本のユーザーだけに使ってほしいサービス」であっても、ここに登録する以上は全世界の Bluemix ユーザーに公開されます。そのため英語版のウェブサイトは必須となります。プラスする形で日本語や他言語ウェブサイトを提供いただくことは可能です。

そしてプロビジョニングや課金は Bluemix を通して行う必要があるため、その機能を実装していただく必要があります。とはいえ、これらの実装は今すぐに対応しないといけないというものではなく、申請が完了して、合格した後の話のようです。

ここで登録するサービスは Bluemix 内の SaaS / DBaaS として利用されることになります。ということはどのような負荷のかかる処理で利用されるかを事前に想定することができません。したがってサービスそものが安定稼働しつつ、スケール対応ができている必要がある、ということのようです。

などなど、上記項目のいくつかは申請フォーム内で明確にチェックする必要のある項目として用意されていますが、個別に入力フィールドが用意されていない項目もあります。それらは Description として、明確にアピールする形で入力する必要がありそうです。


で、ここが大事な点。これらの要件の中で上記の青字で書かれている5項目は (1) の申請時点でクリアしている必要があるのです。

つまり (1) の申請の段階で、この5項目に関しては全て Yes にチェックされていないと先に進めなくなるのです。「クラウド提供」や「コンポーザブル」な点はともかくとして、「スケール対応」や「英語版ウェブ」、そして「無料トライアル枠の用意」、というのは技術的にも営業的にも判断や対応が必要になる可能性もありますよね。ただ Bluemix を利用する立場としては、そのような対応がされていれば安心して試せるし、安心して使えるとも言えます。


実は僕も自分で作った API を Bluemix のサービスに載せられないかな?と考えた時期はありました。が、スケールに対応するのは結構大変だよな・・・と感じたのも事実。 

・・・でも、よくよく考えてみると API そのものを Bluemix で作って提供してオートスケールサービスまで付けちゃえばいいのか?あれ、Bluemix 使っちゃえば技術的には意外と簡単なのかも・・・ (^^;


Bluemix を使って自社の SaaS のビジネスに新しいチャネルを・・・とお考えの皆様、ぜひ前向きに検討して、御社のサービスを Bluemix サービスに登録するチャレンジをしていただければ嬉しいです。


なお、この手続に関して詳しくは英語版資料(PDF)を参照ください:
https://developer.ibm.com/marketplace/wp-content/uploads/sites/30/2015/05/IBM-Cloud-marketplace-Business-Partner-Program-Overview-deck-as-of-5-01-15.pdf


 

先日のブログエントリで IBM Bluemix の各サービスの運用状態を確認するためのエスタドを紹介しました:
Bluemix の各サービス運用状態を調べる

が、この中に入っていないサービスがあります。その1つが IDS(IBM Devops Services) です。IDS は IBM Bluemix のユーザーであれば誰でも無料で使うことができるウェブ上のプロジェクト管理&統合開発環境です。このサービスの運用状態はエスタドには表示されないようです。

で、どうやって運用ステータスを確認するかというか、専用のサポートページが用意されていました。まずこちらは
ステータス確認サイトです:
http://status.hub.jazz.net/
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一方、こちらは今後のメンテナンススケジュールです。あ、ちょうど明日朝にメンテナンス予定あるのね、調べておいてよかった(汗):
https://developer.ibm.com/devops-services/support/#maintenance
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これらと前述のエスタドを組み合わせて使うことで IBM Bluemix の運用状況を確認できることになります。
 

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