【シリーズリンク】
前回の続きです。今回は加盟店登録の手順を紹介します。
以前に紹介した PayPay for Developers にアカウント登録をすることで PayPay API を使ったアプリケーション開発の準備はできていて、実際の決済ではなく仮のお金を使ったテスト環境での決済による動作確認を行うことはできるようになっています(実際にアプリケーションを公開したり運用したりはできないけど、運用する PayPay 決済対応アプリケーションを開発して、公開せずに手元で動かすまではできる、という意味です)。
ただこれだけだとあくまで「(開発したアプリで)試しに使ってみる」段階であって、アプリが完成しても実際のお金を使った本環境での決済に移行することはできません。実際のお金を使った決済ができるようにするには PayPay for Developers のアカウントを作ることに加えて PayPay に加盟店登録をする必要があります。実際の決済をするつもりがなければ本ブログエントリは無視していただいてもいいのですが、私自身が試しに手続きを行った記録を公開する目的で紹介させていただきます。
【加盟店登録の法人登録と個人事業者登録の違い】
では PayPay 加盟店登録する手順を紹介します。PayPay for Developers アカウントを取得済みであることが前提となりますので、まだ取得されていない場合は以前の内容を参照いただいて取得しておいてください。
加盟店登録をする上で最初に決めておく必要のある項目があります。それは「法人登録」にするか、「個人事業者登録」にするか、ということです。どちらか1つを選んで登録することになります。
私のように経営主体となる法人を持っておらず、あくまで個人開発者としてサービスを運用することを想定するのであれば事実上選択肢はなく、個人事業者登録一択になります。個人事業者登録のメリットはなんといっても手続きが簡素であることです。提出書類も本人確認書類程度だし、公開するアプリケーションに必要な情報(ページ)が用意されていれば審査もさほど面倒ではありません※。
※法人登録したことないので、あくまで主観です。
一方、事業法人としてのサービス運用を行う場合は法人登録する選択肢もあります。こちらは手続きは比較的面倒ではあるのですが、個人事業者登録では使うことのできない機能(例えばサブスクリプション決済機能)もフルに活用することができ、より柔軟な機能実装や運用が可能になります。
以下では個人事業者として加盟店登録する手順を紹介します。ただこの手続きを最後まで行うには該当のウェブアプリケーションが既に公開されていて、その URL やサーバー IP アドレスを入力できる状態になっている必要があります。そこまで準備ができている状態で先に進めるようになる点にご注意ください。
なお、この手続きに関する PayPay の公式ドキュメントはこちらになります:
https://integration.paypay.ne.jp/hc/ja/article_attachments/4632569873039
【PayPay に個人事業者として加盟店登録する手順】
PayPay に個人事業者として加盟店登録する手順は2段階に分かれた入力作業を終える必要があります。まず第一段階の手順を紹介します。
PayPay for Developers にログインし、ダッシュボード画面から「アカウントの作成」と書かれた部分をクリックします:

「加盟店登録をしましょう」というダイアログが表示されるので「今すぐ申し込む」をクリックします:

すると申し込みフォームが表示されます。自分でアプリを作って運用する場合は「ユーザへのサービス提供の主体となる事業者」を選択します:

すると質問項目が増えます。まずサービスの販売形態は「Web サービス/アプリ」にチェック、ご利用のサービスは「ウェブペイメント/動的ユーザースキャン/アプリコール」をチェック(サブスクである「継続課金」を使ってみたいところではありましたが・・・ 個人事業主は上のみ選択可能です)、最後に「お申込みフォームへ」をクリックします:

すると画面が「PayPay オンライン加盟店のお申込み」ページに遷移します。自分の名前と連絡先電話番号、事業形態(個人事業主)を入力して、最後に「確認する」をクリックします:

以下のような確認画面が表示されるので「申し込み開始」ボタンをクリックします。これで第一段階が完了です:

この後、以下のようなページに遷移し、本登録である第2段階のフォーム入力となります。画面上部の「残り未完了項目」(必須項目で未入力のもの)がゼロにならないと先へ進めません:

以下、要注意な部分のみ紹介します。まず個人事業主としての代表電話番号や住所の入力が必要です。ここには自分の電話番号や住所を記載します:

次に開発して公開することになるウェブサービスの内容を記載する項目があります。名称や年商(予定)を記載します:

販売形態は(ウェブサービスであれば)「web/アプリ」を選択し、サービス内容の詳細を記載・選択します。 なおこの中で「お取り扱い商品詳細」を指定するのですが、ここで指定する項目によって決済システム利用料(=PayPay 側に支払う手数料)が決まります:

またここで実際に公開するウェブサービスの URL 等の情報が必要です。この中には特定商取引法に基づく表記の URL や(個人事業主としての)コーポレートサイトの URL も必須入力項目として必要な点に注意してください:

更に決済サーバー(アプリケーションが稼働するサーバー)のグローバル IP アドレスも必要です:

実決済を伴うサービスの申請となるため、緊急連絡先の登録が必要です。PayPay 決済サービス側の障害情報などもここで登録したメールアドレスに送付されます:

規約等の内容を確認し、問題なければチェックを入れます。入力が完了したら「保存して次へ」をクリック:

次に振り込み関する情報入力ページに遷移します。最初に入金サイクルを指定します:

次に売り上げを入金してほしい金融機関を指定します:

特定の商品を扱う場合はその資格書類が必要になるので、内容について該当項目があればチェックします。入力が完了したら「保存して次へ」をクリック:

最後は本人確認書類の登録画面です。最初は入力内容の確認と、必要であれば(本人確認書類の登録前に)修正します:

本人確認書類の登録に移ります。自動車運転免許など、登録する書類を選択し、指示に従って画像ファイルをアップロードします:

必要な全ての画像ファイルをアップロードしたら「次へ」をクリックします:

最後に内容確認画面が表示されます:

内容に修正が必要なければ「内容を確認して申込む」ボタンをクリックします。これで登録作業そのものは完了です:

私の場合は入力の数時間後に電話がかかってきて、いくつかの内容について電話確認が行われました。まあ電話番号の確認も兼ねたものだと思います。電話対応の後、数日後に以下のようなメールが送られてきました:

メール本文にも書かれていたように、実際に利用開始できるようになるまでここから更に数日必要なようでしたが、手続きとしては無事に完了することができました。
【まとめ】
以上、4回に渡って PayPay API を使ったオンライン決済対応アプリケーションの作り方や、その前提となる PayPay for Developers アカウントの取得方法を紹介してきました。
アプリケーション開発に関しては、以下の点に注意する必要があると感じました:
・単に PayPay で決済するだけなら実装はシンプルでさほど難しくない
・一方で(テスト用のお金ではなく)実際のお金で決済するアプリを公開する前提で考えると、返金処理などにも対応した設計が必要になり、そのためには決済トランザクションをデータベースなどに記録して、後からどのトランザクションに対する返金なのかを照会できる仕組みも併せて必要
また今回は個人事業主アカウントしか作れなかったので、用意したサンプルもそこまで複雑な API を実装していないのですが、いずれは(現在、法人契約でないと使えない)サブスクリプション API も使えるようになったらいいなあ、、と思っています。
# | 内容 |
---|---|
1 | PayPay for Developers へサインアップ |
2 | PayPay API について |
3 | サンプルアプリケーション |
4 | 加盟店登録 ←今回 |
前回の続きです。今回は加盟店登録の手順を紹介します。
以前に紹介した PayPay for Developers にアカウント登録をすることで PayPay API を使ったアプリケーション開発の準備はできていて、実際の決済ではなく仮のお金を使ったテスト環境での決済による動作確認を行うことはできるようになっています(実際にアプリケーションを公開したり運用したりはできないけど、運用する PayPay 決済対応アプリケーションを開発して、公開せずに手元で動かすまではできる、という意味です)。
ただこれだけだとあくまで「(開発したアプリで)試しに使ってみる」段階であって、アプリが完成しても実際のお金を使った本環境での決済に移行することはできません。実際のお金を使った決済ができるようにするには PayPay for Developers のアカウントを作ることに加えて PayPay に加盟店登録をする必要があります。実際の決済をするつもりがなければ本ブログエントリは無視していただいてもいいのですが、私自身が試しに手続きを行った記録を公開する目的で紹介させていただきます。
【加盟店登録の法人登録と個人事業者登録の違い】
では PayPay 加盟店登録する手順を紹介します。PayPay for Developers アカウントを取得済みであることが前提となりますので、まだ取得されていない場合は以前の内容を参照いただいて取得しておいてください。
加盟店登録をする上で最初に決めておく必要のある項目があります。それは「法人登録」にするか、「個人事業者登録」にするか、ということです。どちらか1つを選んで登録することになります。
私のように経営主体となる法人を持っておらず、あくまで個人開発者としてサービスを運用することを想定するのであれば事実上選択肢はなく、個人事業者登録一択になります。個人事業者登録のメリットはなんといっても手続きが簡素であることです。提出書類も本人確認書類程度だし、公開するアプリケーションに必要な情報(ページ)が用意されていれば審査もさほど面倒ではありません※。
※法人登録したことないので、あくまで主観です。
一方、事業法人としてのサービス運用を行う場合は法人登録する選択肢もあります。こちらは手続きは比較的面倒ではあるのですが、個人事業者登録では使うことのできない機能(例えばサブスクリプション決済機能)もフルに活用することができ、より柔軟な機能実装や運用が可能になります。
以下では個人事業者として加盟店登録する手順を紹介します。ただこの手続きを最後まで行うには該当のウェブアプリケーションが既に公開されていて、その URL やサーバー IP アドレスを入力できる状態になっている必要があります。そこまで準備ができている状態で先に進めるようになる点にご注意ください。
なお、この手続きに関する PayPay の公式ドキュメントはこちらになります:
https://integration.paypay.ne.jp/hc/ja/article_attachments/4632569873039
【PayPay に個人事業者として加盟店登録する手順】
PayPay に個人事業者として加盟店登録する手順は2段階に分かれた入力作業を終える必要があります。まず第一段階の手順を紹介します。
PayPay for Developers にログインし、ダッシュボード画面から「アカウントの作成」と書かれた部分をクリックします:

「加盟店登録をしましょう」というダイアログが表示されるので「今すぐ申し込む」をクリックします:

すると申し込みフォームが表示されます。自分でアプリを作って運用する場合は「ユーザへのサービス提供の主体となる事業者」を選択します:

すると質問項目が増えます。まずサービスの販売形態は「Web サービス/アプリ」にチェック、ご利用のサービスは「ウェブペイメント/動的ユーザースキャン/アプリコール」をチェック(サブスクである「継続課金」を使ってみたいところではありましたが・・・ 個人事業主は上のみ選択可能です)、最後に「お申込みフォームへ」をクリックします:

すると画面が「PayPay オンライン加盟店のお申込み」ページに遷移します。自分の名前と連絡先電話番号、事業形態(個人事業主)を入力して、最後に「確認する」をクリックします:

以下のような確認画面が表示されるので「申し込み開始」ボタンをクリックします。これで第一段階が完了です:

この後、以下のようなページに遷移し、本登録である第2段階のフォーム入力となります。画面上部の「残り未完了項目」(必須項目で未入力のもの)がゼロにならないと先へ進めません:

以下、要注意な部分のみ紹介します。まず個人事業主としての代表電話番号や住所の入力が必要です。ここには自分の電話番号や住所を記載します:

次に開発して公開することになるウェブサービスの内容を記載する項目があります。名称や年商(予定)を記載します:

販売形態は(ウェブサービスであれば)「web/アプリ」を選択し、サービス内容の詳細を記載・選択します。 なおこの中で「お取り扱い商品詳細」を指定するのですが、ここで指定する項目によって決済システム利用料(=PayPay 側に支払う手数料)が決まります:

またここで実際に公開するウェブサービスの URL 等の情報が必要です。この中には特定商取引法に基づく表記の URL や(個人事業主としての)コーポレートサイトの URL も必須入力項目として必要な点に注意してください:

更に決済サーバー(アプリケーションが稼働するサーバー)のグローバル IP アドレスも必要です:

実決済を伴うサービスの申請となるため、緊急連絡先の登録が必要です。PayPay 決済サービス側の障害情報などもここで登録したメールアドレスに送付されます:

規約等の内容を確認し、問題なければチェックを入れます。入力が完了したら「保存して次へ」をクリック:

次に振り込み関する情報入力ページに遷移します。最初に入金サイクルを指定します:

次に売り上げを入金してほしい金融機関を指定します:

特定の商品を扱う場合はその資格書類が必要になるので、内容について該当項目があればチェックします。入力が完了したら「保存して次へ」をクリック:

最後は本人確認書類の登録画面です。最初は入力内容の確認と、必要であれば(本人確認書類の登録前に)修正します:

本人確認書類の登録に移ります。自動車運転免許など、登録する書類を選択し、指示に従って画像ファイルをアップロードします:

必要な全ての画像ファイルをアップロードしたら「次へ」をクリックします:

最後に内容確認画面が表示されます:

内容に修正が必要なければ「内容を確認して申込む」ボタンをクリックします。これで登録作業そのものは完了です:

私の場合は入力の数時間後に電話がかかってきて、いくつかの内容について電話確認が行われました。まあ電話番号の確認も兼ねたものだと思います。電話対応の後、数日後に以下のようなメールが送られてきました:

メール本文にも書かれていたように、実際に利用開始できるようになるまでここから更に数日必要なようでしたが、手続きとしては無事に完了することができました。
【まとめ】
以上、4回に渡って PayPay API を使ったオンライン決済対応アプリケーションの作り方や、その前提となる PayPay for Developers アカウントの取得方法を紹介してきました。
アプリケーション開発に関しては、以下の点に注意する必要があると感じました:
・単に PayPay で決済するだけなら実装はシンプルでさほど難しくない
・一方で(テスト用のお金ではなく)実際のお金で決済するアプリを公開する前提で考えると、返金処理などにも対応した設計が必要になり、そのためには決済トランザクションをデータベースなどに記録して、後からどのトランザクションに対する返金なのかを照会できる仕組みも併せて必要
また今回は個人事業主アカウントしか作れなかったので、用意したサンプルもそこまで複雑な API を実装していないのですが、いずれは(現在、法人契約でないと使えない)サブスクリプション API も使えるようになったらいいなあ、、と思っています。