このエントリの続きです:
Visual Studio Code Live Share でモブプログラミング(1)
前回 VSCode LiveShare を使うまでの準備段階とその手順を紹介しました。今回は実際に VSCode LiveShare を使ってモブプログラミングを行うまでの手順と、使っている時の様子を紹介します。
なお VSCode LiveShare を使う場合、開発画面を提供する人(ホスト、1名)と、ホストの開発画面を使って開発に参加する人(ゲスト、1名以上)それぞれで手順が異なります。以下順を追って紹介しますが、ホスト側の手順はこの色で、そしてゲスト側の手順はこの色でそれぞれ紹介していきます。
【ゲストの招待】
まずはホストとなる人からゲストとなる人へ、Live Share に参加するための URL を送信する必要があります。このホストとなる人の VSCode の環境(ファイルシステム、ファイル)を共有することになる点にご注意ください。この手順は前回紹介した準備手順が全て完了している状態から続けて以下を行います。
まず VSCode を開き共有するプロジェクトを1つ作成して開きます。ここで開いている画面を共有することになる点に注意してください。したがって関係のないプロジェクトフォルダが含まれるような画面ではなく、共有するプロジェクトフォルダだけが開いているような画面にしておくのがよろしいと思います:
なお、この例ではフォルダの中に README.md ファイル1つだけが入っている状態からスタートする例を紹介します:
プロジェクトの準備ができたら VSCode 画面左下の、ログインしている自分のアカウント名をクリックします:
メニューが表示されたら一番上の Invite Others(Copy Link) と書かれた部分をクリックします。これで招待用 URL がクリップボードにコピーされた状態になります:
そのままメールやメッセンジャーなどを使って、招待するゲストの人達全員に先程コピーした内容をペーストして共有 URL を送信します:
ホスト役の人の作業はいったんこれで完了です。次はゲスト役の人達の作業となります。
【ゲストとしてプロジェクトに参加】
ゲスト役の人達は上述の最後の手順で送信された共有 URL 付きのメッセージを受け取ったら、そのリンクをクリックします:
ゲストのログインが環境していない場合、ウェブブラウザで VSCode LiveShare を使うためのアカウントログインを行います。以下は GitHub を使って OAuth ログインする場合の画面です。必要であればアカウントにログインします:
そして OAuth を行うため、内容を確認して Authorize ボタンをクリックします:
ログインが完了すると以下のようなダイアログが表示され、Visual Studio Code が選択されていることを確認して「リンクを開く」ボタンをクリックします:
この際に Live Share プラグインがこの URI を開くことを許可するか?と聞かれたら、OK をクリックして許可してください:
またゲストが Windows を使っている場合、初回だけは Visual Studio Live Share Agent の実行をファイアウォールに許可する必要があります。以下の画面が出たら「アクセスを許可する」を選択してください:
ここまで成功すると、ゲストの VSCode でホストの VSCode プロジェクトが共有されている状態になります。ホストが共有したプロジェクトをゲストの VSCode 内でも開いていることを確認してください:
【ゲストがプロジェクトを編集】
ここから先の作業はホストでもゲストでもいいのですが、今回はゲストがプロジェクトを中心的に作っていくものとして紹介します。というわけで引き続きゲスト側の作業となります。
ゲストの VSCode 内で新規にファイルをプロジェクトに追加したり、そのファイルを編集したり保存したりすることができます。これらの変更はあくまでホストのファイルシステムに対する変更ですが、その作業はゲスト側から行うことができるようになっています:
なお、このゲストが行った変更はホスト側の VSCode でもリアルタイムに変更が反映されます:
更に同時にホストも、また他のゲストもプロジェクトの同じソースコードに対して変更を行うことが可能です。Google Drive の同時編集機能を使ったことがある人であれば、あれのソースコードプロジェクト版だと理解いただくとわかりやすいかもしれません。また他のファイルを編集することも可能ですが、共有される画面はあくまで1つ(ホストのもの)であることに注意してください。
このような共同作業を通じてプロジェクトを作っていきます。
【ターミナルの共有】
ある程度プロジェクトができあがると動作確認をしたくなります。VSCode LiveShare ではホストのターミナル(Shell や PowerShell)を共有してコマンドを実行することで動作確認作業を共有することが可能となっています。
実際にターミナルを共有するにはホスト側で再度画面左下の自分の名前をクリックし、表示されるメニューから Share Terminal を選択します:
ターミナルに対するゲストの権限を指定します。"Read-only" はターミナル自体はホストだけが作業をして、ゲストはターミナルの様子を見ることができる、というモードです。一方 "Read/write" はゲストもターミナルに対してコマンドを実行することができるモードです。ターミナルはかなり強い権限で実行され、想定外のコマンドを指定されてもそのままホストのPC上で実行してしまうので、よほど信頼できる相手と共有している場合のみ後者を選ぶべきだと思います:
ターミナルを共有すると、ホストの PC が Windows であれば PowerShell、それ以外であれば Shell 画面が VSCode 画面内に表示されます(ターミナルアプリを WSL などにを変更することも可能です 参照):
同時にゲストの VSCode 画面内にも同じターミナルが表示されます。モードによってはゲストからこのターミナルにコマンドを指定して実行することも可能です:
このターミナルから Node.js などのコマンドを実行するなどしてテストや動作確認を行い、その結果を全員が共有することが可能です。
と、このような形で VSCode LiveShare を使うことができます。実際にはこの機能とウェブ会議システムを併用して、ホスト役の人が行う内容をプレゼンテーションと音声で共有しつつ、実際のプログラミング時には VSCode LiveShare の画面を共有する形でモブプログラミングを進める、といったことができそうです。
この方法であれば、従来の画面共有だけを使ったモブプログラミングと比較して、エラーが発生した時の内容を共有しやすいという大きなメリットが挙げられます。ホスト役でない人の PC で発生したエラーの内容をホストやサポート役の人が把握するのが難しいのですが、VSCode LiveShare を使っていると、エラーの様子も共有されることになり、その内容からどこをどう直せばよいか、というアドバイスもしやすくなると考えられます。
Visual Studio Code Live Share でモブプログラミング(1)
前回 VSCode LiveShare を使うまでの準備段階とその手順を紹介しました。今回は実際に VSCode LiveShare を使ってモブプログラミングを行うまでの手順と、使っている時の様子を紹介します。
なお VSCode LiveShare を使う場合、開発画面を提供する人(ホスト、1名)と、ホストの開発画面を使って開発に参加する人(ゲスト、1名以上)それぞれで手順が異なります。以下順を追って紹介しますが、ホスト側の手順はこの色で、そしてゲスト側の手順はこの色でそれぞれ紹介していきます。
【ゲストの招待】
まずはホストとなる人からゲストとなる人へ、Live Share に参加するための URL を送信する必要があります。このホストとなる人の VSCode の環境(ファイルシステム、ファイル)を共有することになる点にご注意ください。この手順は前回紹介した準備手順が全て完了している状態から続けて以下を行います。
まず VSCode を開き共有するプロジェクトを1つ作成して開きます。ここで開いている画面を共有することになる点に注意してください。したがって関係のないプロジェクトフォルダが含まれるような画面ではなく、共有するプロジェクトフォルダだけが開いているような画面にしておくのがよろしいと思います:
なお、この例ではフォルダの中に README.md ファイル1つだけが入っている状態からスタートする例を紹介します:
プロジェクトの準備ができたら VSCode 画面左下の、ログインしている自分のアカウント名をクリックします:
メニューが表示されたら一番上の Invite Others(Copy Link) と書かれた部分をクリックします。これで招待用 URL がクリップボードにコピーされた状態になります:
そのままメールやメッセンジャーなどを使って、招待するゲストの人達全員に先程コピーした内容をペーストして共有 URL を送信します:
ホスト役の人の作業はいったんこれで完了です。次はゲスト役の人達の作業となります。
【ゲストとしてプロジェクトに参加】
ゲスト役の人達は上述の最後の手順で送信された共有 URL 付きのメッセージを受け取ったら、そのリンクをクリックします:
ゲストのログインが環境していない場合、ウェブブラウザで VSCode LiveShare を使うためのアカウントログインを行います。以下は GitHub を使って OAuth ログインする場合の画面です。必要であればアカウントにログインします:
そして OAuth を行うため、内容を確認して Authorize ボタンをクリックします:
ログインが完了すると以下のようなダイアログが表示され、Visual Studio Code が選択されていることを確認して「リンクを開く」ボタンをクリックします:
この際に Live Share プラグインがこの URI を開くことを許可するか?と聞かれたら、OK をクリックして許可してください:
またゲストが Windows を使っている場合、初回だけは Visual Studio Live Share Agent の実行をファイアウォールに許可する必要があります。以下の画面が出たら「アクセスを許可する」を選択してください:
ここまで成功すると、ゲストの VSCode でホストの VSCode プロジェクトが共有されている状態になります。ホストが共有したプロジェクトをゲストの VSCode 内でも開いていることを確認してください:
【ゲストがプロジェクトを編集】
ここから先の作業はホストでもゲストでもいいのですが、今回はゲストがプロジェクトを中心的に作っていくものとして紹介します。というわけで引き続きゲスト側の作業となります。
ゲストの VSCode 内で新規にファイルをプロジェクトに追加したり、そのファイルを編集したり保存したりすることができます。これらの変更はあくまでホストのファイルシステムに対する変更ですが、その作業はゲスト側から行うことができるようになっています:
なお、このゲストが行った変更はホスト側の VSCode でもリアルタイムに変更が反映されます:
更に同時にホストも、また他のゲストもプロジェクトの同じソースコードに対して変更を行うことが可能です。Google Drive の同時編集機能を使ったことがある人であれば、あれのソースコードプロジェクト版だと理解いただくとわかりやすいかもしれません。また他のファイルを編集することも可能ですが、共有される画面はあくまで1つ(ホストのもの)であることに注意してください。
このような共同作業を通じてプロジェクトを作っていきます。
【ターミナルの共有】
ある程度プロジェクトができあがると動作確認をしたくなります。VSCode LiveShare ではホストのターミナル(Shell や PowerShell)を共有してコマンドを実行することで動作確認作業を共有することが可能となっています。
実際にターミナルを共有するにはホスト側で再度画面左下の自分の名前をクリックし、表示されるメニューから Share Terminal を選択します:
ターミナルに対するゲストの権限を指定します。"Read-only" はターミナル自体はホストだけが作業をして、ゲストはターミナルの様子を見ることができる、というモードです。一方 "Read/write" はゲストもターミナルに対してコマンドを実行することができるモードです。ターミナルはかなり強い権限で実行され、想定外のコマンドを指定されてもそのままホストのPC上で実行してしまうので、よほど信頼できる相手と共有している場合のみ後者を選ぶべきだと思います:
ターミナルを共有すると、ホストの PC が Windows であれば PowerShell、それ以外であれば Shell 画面が VSCode 画面内に表示されます(ターミナルアプリを WSL などにを変更することも可能です 参照):
同時にゲストの VSCode 画面内にも同じターミナルが表示されます。モードによってはゲストからこのターミナルにコマンドを指定して実行することも可能です:
このターミナルから Node.js などのコマンドを実行するなどしてテストや動作確認を行い、その結果を全員が共有することが可能です。
と、このような形で VSCode LiveShare を使うことができます。実際にはこの機能とウェブ会議システムを併用して、ホスト役の人が行う内容をプレゼンテーションと音声で共有しつつ、実際のプログラミング時には VSCode LiveShare の画面を共有する形でモブプログラミングを進める、といったことができそうです。
この方法であれば、従来の画面共有だけを使ったモブプログラミングと比較して、エラーが発生した時の内容を共有しやすいという大きなメリットが挙げられます。ホスト役でない人の PC で発生したエラーの内容をホストやサポート役の人が把握するのが難しいのですが、VSCode LiveShare を使っていると、エラーの様子も共有されることになり、その内容からどこをどう直せばよいか、というアドバイスもしやすくなると考えられます。