先日紹介したこの記事の続き、というか、本命版です:
ラズベリーパイと鳩サブレ缶で docker swarm クラスタを構築する
豊島屋の鳩サブレ缶がちょうどラズベリーパイ(以下「ラズパイ」)を4つ格納できるような仕切りになっていることに気付いて、この鳩サブレ缶とラズパイでクラスタ環境を作れないか、と思い立ったことがきっかけでした。先日は docker swarm のクラスタを構築しましたが、今回は kubernetes のクラスタを構築します:

なお、構築手順の途中までは先日と全く同じです。具体的にはこのページでも紹介している3台のラズパイそれぞれに docker を導入する所までは同じ手続きを行います。なお、ここまでの作業が完了している前提で以下を紹介します。
【スワップメモリの無効化】
ここからが Kubernetes 環境のための手順となります。まず Kubernetes 1.8 以降ではスワップメモリが有効な環境下では kubelet が起動しないため、3台のラズパイそれぞれでスワップメモリを無効にします:
【kubeadm, kubectl, kubelet のインストール】
いよいよ Kubernetes をインストールします。具体的には kubeadm, kubectl, kubelet を導入するのですが、まずはリポジトリを登録&更新します:
そして kubeadm, kubectl, kubelet をインストールします。ただこちらで検証した限りでは kubernetes のバージョン 1.8 以下しか動作しませんでした。というわけでバージョン 1.8 を指定して kubernetes コマンド群をインストールします:
これでラズパイノードに Kubernetes のコマンドが導入できました。ここまでの作業は3台それぞれで実施する必要があります。
【マスターノードの準備】
Kubernetes のマスターノードを作成します。今回は3台のラズパイの中の raspi001 をマスターノードとするので、以下のコマンドを raspi001 でのみ実施します。またその結果、この前に導入した docker のバージョンとの不整合が起きてしまうので、インストールコマンド時に「バージョンチェックをしない」ための --skip-preflight-checks オプションを指定します:
成功したら、成功時の画面に表示される以下のコマンドを順次実行して pod network をデプロイします:
後は flannnel をデプロイします:
これでマスターノードの準備は完了です。
【ワーカーノードの準備】
2台のワーカーノードをマスターノードに接続します。マスターノードの sudo kubeadm init コマンドを実行して成功した時に表示される kubeadm join コマンドを各ワーカーノードで実行します:
【接続状態を確認】
マスターノードで "kubectl version" コマンドを実行してサーバーとクライアントのバージョンを、"kubectl get nodes" コマンドを実行して各ノードの状態が表示されることを確認します:

なんとかラズパイで kubernetes クラスタ環境が作れました。
(参考)
https://qiita.com/hatotaka/items/48a88ecb190e1f5e03c3
https://qiita.com/MahoTakara/items/2b39e06f077927bafa2c
ラズベリーパイと鳩サブレ缶で docker swarm クラスタを構築する
豊島屋の鳩サブレ缶がちょうどラズベリーパイ(以下「ラズパイ」)を4つ格納できるような仕切りになっていることに気付いて、この鳩サブレ缶とラズパイでクラスタ環境を作れないか、と思い立ったことがきっかけでした。先日は docker swarm のクラスタを構築しましたが、今回は kubernetes のクラスタを構築します:

なお、構築手順の途中までは先日と全く同じです。具体的にはこのページでも紹介している3台のラズパイそれぞれに docker を導入する所までは同じ手続きを行います。なお、ここまでの作業が完了している前提で以下を紹介します。
【スワップメモリの無効化】
ここからが Kubernetes 環境のための手順となります。まず Kubernetes 1.8 以降ではスワップメモリが有効な環境下では kubelet が起動しないため、3台のラズパイそれぞれでスワップメモリを無効にします:
$ sudo dphys-swapfile swapoff $ sudo dphys-swapfile uninstall $ sudo update-rc.d dphys-swapfile remove
【kubeadm, kubectl, kubelet のインストール】
いよいよ Kubernetes をインストールします。具体的には kubeadm, kubectl, kubelet を導入するのですが、まずはリポジトリを登録&更新します:
$ curl -fsSL https://packages.cloud.google.com/apt/doc/apt-key.gpg|sudo apt-key add - $ echo "deb http://apt.kubernetes.io/ kubernetes-xenial main" | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/kube.list $ sudo apt-get update
そして kubeadm, kubectl, kubelet をインストールします。ただこちらで検証した限りでは kubernetes のバージョン 1.8 以下しか動作しませんでした。というわけでバージョン 1.8 を指定して kubernetes コマンド群をインストールします:
$ sudo apt-get install kubelet=1.8.14-00 kubeadm=1.8.14-00 kubectl=1.8.14-00 kubernetes-cni=0.5.1-00
これでラズパイノードに Kubernetes のコマンドが導入できました。ここまでの作業は3台それぞれで実施する必要があります。
【マスターノードの準備】
Kubernetes のマスターノードを作成します。今回は3台のラズパイの中の raspi001 をマスターノードとするので、以下のコマンドを raspi001 でのみ実施します。またその結果、この前に導入した docker のバージョンとの不整合が起きてしまうので、インストールコマンド時に「バージョンチェックをしない」ための --skip-preflight-checks オプションを指定します:
$ sudo kubeadm init --pod-network-cidr=10.244.0.0/16 --skip-preflight-checks
成功したら、成功時の画面に表示される以下のコマンドを順次実行して pod network をデプロイします:
$ mkdir -p $HOME/.kube $ sudo cp -i /etc/kubernetes/admin.conf $HOME/.kube/config $ sudo chown $(id -u):$(id -g) $HOME/.kube/config
後は flannnel をデプロイします:
$ kubectl apply -f https://raw.githubusercontent.com/coreos/flannel/bc79dd1505b0c8681ece4de4c0d86c5cd2643275/Documentation/kube-flannel.yml
これでマスターノードの準備は完了です。
【ワーカーノードの準備】
2台のワーカーノードをマスターノードに接続します。マスターノードの sudo kubeadm init コマンドを実行して成功した時に表示される kubeadm join コマンドを各ワーカーノードで実行します:
$ kubeadm join --token XXXXXX....XXXXXX 192.168.10.101:6443 --discovery-token-ca-cert-hash sha256:ZZZZZZZZZZZZ....ZZZZZZZZZZZZZZZ
【接続状態を確認】
マスターノードで "kubectl version" コマンドを実行してサーバーとクライアントのバージョンを、"kubectl get nodes" コマンドを実行して各ノードの状態が表示されることを確認します:

なんとかラズパイで kubernetes クラスタ環境が作れました。
(参考)
https://qiita.com/hatotaka/items/48a88ecb190e1f5e03c3
https://qiita.com/MahoTakara/items/2b39e06f077927bafa2c