IBM Cloud から提供されている 30 日間無料 Kubernetes サービス(IBM Kubernetes Service 、以下 "IKS")環境を使って利用することのできるコンテナイメージを1日に1個ずつ 30 日間連続で紹介していきます。
環境のセットアップや制約事項については Day0 のこちらの記事を参照してください。
Day 6 からはデータベース系コンテナとその GUI ツールを中心に紹介してます。Day 18 はこのデータベース系イメージとしては最終回ですが、軽量ブロックチェーン実装である HATOYA イメージをデプロイする例を紹介します。
【イメージの概要】
厳密には「データベース」ではないのですが、「データを貯めるもの」という意味合いでこのカテゴリーに含めて紹介します。
HATOYA は2つの側面を持ったミドルウェアです:
(1)RESTful な JSON ドキュメントデータベース
(2)ブロックチェーン
開発者視点でみた HATOYA は(1)の JSON データのデータベースです。データベースの CRUD や、データベース内の(JSON)ドキュメントの CRUD といった操作がすべて REST API で提供されています。ここだけ見ると MongoDB や CouchDB に近い側面を持っています。
一方、運用者視点でみた HATOYA には(2)のブロックチェーン機能が内蔵されています。(1)で紹介した REST API の CRUD 操作の中で、R 以外の CUD が実行されると、その内容はすべてブロックチェーンの台帳に記録されます。つまりデータベースへの変更記録はすべてブロックチェーン台帳に自動的に記録されます。ブロックチェーン記録時にはカスタマイズ可能なマイニングルールが適用されるので、用途に応じてデータ改ざんの難易度とパフォーマンスのバランスをとることができます。HATOYA サーバーは1台でも運用可能ですが、サーバーを複数起動して(ブロックチェーンの)同期をとることも可能です。
HATOYA は軽量でいながらマイニングやハッシュポインタ、リオルグといったブロックチェーンの機能を実装し「一度格納したら管理者でも改竄不可」を実現しています。またデータ操作や複数サーバーの紐付け管理などに REST API が用意されていて、環境構築段階からエンジニアフレンドリーな操作性が提供されている、そんなブロックチェーン対応データベースです。
ちなみに Day 1 で紹介した hostname イメージ同様に、私が開発して公開しているコンテナイメージです。σ(^o^; イメージ自体の挙動として、デフォルトでは 4126 番ポートで REST API リクエストを待受けるよう作っていますが、この意味が分かる人は立派なオッサンだと思ってます。
【イメージのデプロイ】
まずはこちらのファイルを自分の PC にダウンロードしてください:
https://raw.githubusercontent.com/dotnsf/yamls_for_iks/main/hatoya.yaml
今回の HATOYA もシングルノード環境で利用する場合は特にパラメータ指定不要で、そのままデプロイすることができます。以下のコマンドを実行する前に Day 0 の内容を参照して ibmcloud CLI ツールで IBM Cloud にログインし、クラスタに接続するまでを済ませておいてください。
そして以下のコマンドを実行します:
以下のコマンドで HATOYA 関連の Deployment, Service, Pod, Replicaset が1つずつ生成されたことと、サービスが 30126 番ポートで公開されていることを確認します:
この後に実際にサービスを利用するため、以下のコマンドでワーカーノードのパブリック IP アドレスを確認します(以下の例であれば 161.51.204.190):
つまりこの時点で(上述の結果であれば)アプリケーションは http://169.51.204.190:30126/ で稼働している、ということになります。HATOYA はこの URL が管理ダッシュボードの URL になっているので早速実行してみます。ウェブブラウザを使って、アプリケーションの URL(上述の方法で確認した URL)にアクセスしてみます:
管理用ダッシュボードが表示され、この画面からデータベースを作成したり、そのデータベース内へのドキュメント追加・更新・削除といったオペレーションが可能です。変更系のオペレーションはすべて台帳にハッシュポインタチェーンで繋がれた形で記録され、データの改竄ができない形で記録されていることがわかります:
【YAML ファイルの解説】
YAML ファイルはこちらを使っています:
Deployment 1つと、Service 1つ、環境変数の指定も不要で本シリーズで紹介する 30 個の中でも指折りにシンプルな YAML ファイルです。一応解説を加えておきます。アプリケーションそのものは 4126 番ポートで動作するように作られているため、NodePort 30126 番を指定して、外部からは 30126 番ポートでアクセスできるようにしています(NodePort として指定可能な番号の範囲は 30000 ~ 32767 です、指定しない場合は空いている番号がランダムに割り振られます)。また ReplicaSet は1つだけで作りました(データベースなので、別途クラスタ構成の準備をしない限りはこの数値だけを増やしてもあまり意味ないと思います)。
デプロイしたコンテナイメージを削除する場合はデプロイ時に使った YAML ファイルを再度使って、以下のコマンドを実行します。不要であれば削除しておきましょう:
【紹介したイメージ】
https://hub.docker.com/r/dotnsf/hatoya
【紹介記録】
環境のセットアップや制約事項については Day0 のこちらの記事を参照してください。
Day 6 からはデータベース系コンテナとその GUI ツールを中心に紹介してます。Day 18 はこのデータベース系イメージとしては最終回ですが、軽量ブロックチェーン実装である HATOYA イメージをデプロイする例を紹介します。
【イメージの概要】
厳密には「データベース」ではないのですが、「データを貯めるもの」という意味合いでこのカテゴリーに含めて紹介します。
HATOYA は2つの側面を持ったミドルウェアです:
(1)RESTful な JSON ドキュメントデータベース
(2)ブロックチェーン
開発者視点でみた HATOYA は(1)の JSON データのデータベースです。データベースの CRUD や、データベース内の(JSON)ドキュメントの CRUD といった操作がすべて REST API で提供されています。ここだけ見ると MongoDB や CouchDB に近い側面を持っています。
一方、運用者視点でみた HATOYA には(2)のブロックチェーン機能が内蔵されています。(1)で紹介した REST API の CRUD 操作の中で、R 以外の CUD が実行されると、その内容はすべてブロックチェーンの台帳に記録されます。つまりデータベースへの変更記録はすべてブロックチェーン台帳に自動的に記録されます。ブロックチェーン記録時にはカスタマイズ可能なマイニングルールが適用されるので、用途に応じてデータ改ざんの難易度とパフォーマンスのバランスをとることができます。HATOYA サーバーは1台でも運用可能ですが、サーバーを複数起動して(ブロックチェーンの)同期をとることも可能です。
HATOYA は軽量でいながらマイニングやハッシュポインタ、リオルグといったブロックチェーンの機能を実装し「一度格納したら管理者でも改竄不可」を実現しています。またデータ操作や複数サーバーの紐付け管理などに REST API が用意されていて、環境構築段階からエンジニアフレンドリーな操作性が提供されている、そんなブロックチェーン対応データベースです。
ちなみに Day 1 で紹介した hostname イメージ同様に、私が開発して公開しているコンテナイメージです。σ(^o^; イメージ自体の挙動として、デフォルトでは 4126 番ポートで REST API リクエストを待受けるよう作っていますが、この意味が分かる人は立派なオッサンだと思ってます。
【イメージのデプロイ】
まずはこちらのファイルを自分の PC にダウンロードしてください:
https://raw.githubusercontent.com/dotnsf/yamls_for_iks/main/hatoya.yaml
今回の HATOYA もシングルノード環境で利用する場合は特にパラメータ指定不要で、そのままデプロイすることができます。以下のコマンドを実行する前に Day 0 の内容を参照して ibmcloud CLI ツールで IBM Cloud にログインし、クラスタに接続するまでを済ませておいてください。
そして以下のコマンドを実行します:
$ kubectl apply -f hatoya.yaml
以下のコマンドで HATOYA 関連の Deployment, Service, Pod, Replicaset が1つずつ生成されたことと、サービスが 30126 番ポートで公開されていることを確認します:
$ kubectl get all NAME READY STATUS RESTARTS AGE pod/hatoya-7886987799-6hkpc 1/1 Running 0 21s NAME TYPE CLUSTER-IP EXTERNAL-IP PORT(S) AGE service/hatoya NodePort 172.21.53.119 <none> 4126:30126/TCP 21s service/kubernetes ClusterIP 172.21.0.1 <none> 443/TCP 27d NAME READY UP-TO-DATE AVAILABLE AGE deployment.apps/hatoya 1/1 1 1 22s NAME DESIRED CURRENT READY AGE replicaset.apps/hatoya-7886987799 1 1 1 22s
この後に実際にサービスを利用するため、以下のコマンドでワーカーノードのパブリック IP アドレスを確認します(以下の例であれば 161.51.204.190):
$ ibmcloud ks worker ls --cluster=mycluster-free
OK
ID パブリック IP プライベート IP フレーバー 状態 状況 ゾーン バージョン
kube-c3biujbf074rs3rl76t0-myclusterfr-default-000000df 169.51.204.190 10.144.185.144 free normal Ready mil01 1.20.7_1543*
つまりこの時点で(上述の結果であれば)アプリケーションは http://169.51.204.190:30126/ で稼働している、ということになります。HATOYA はこの URL が管理ダッシュボードの URL になっているので早速実行してみます。ウェブブラウザを使って、アプリケーションの URL(上述の方法で確認した URL)にアクセスしてみます:
管理用ダッシュボードが表示され、この画面からデータベースを作成したり、そのデータベース内へのドキュメント追加・更新・削除といったオペレーションが可能です。変更系のオペレーションはすべて台帳にハッシュポインタチェーンで繋がれた形で記録され、データの改竄ができない形で記録されていることがわかります:
【YAML ファイルの解説】
YAML ファイルはこちらを使っています:
apiVersion: v1 kind: Service metadata: name: hatoya spec: selector: app: hatoya ports: - port: 4126 protocol: TCP targetPort: 4126 nodePort: 30126 type: NodePort --- apiVersion: apps/v1 kind: Deployment metadata: name: hatoya spec: replicas: 1 selector: matchLabels: app: hatoya template: metadata: labels: app: hatoya spec: containers: - name: hatoya image: dotnsf/hatoya ports: - containerPort: 4126
Deployment 1つと、Service 1つ、環境変数の指定も不要で本シリーズで紹介する 30 個の中でも指折りにシンプルな YAML ファイルです。一応解説を加えておきます。アプリケーションそのものは 4126 番ポートで動作するように作られているため、NodePort 30126 番を指定して、外部からは 30126 番ポートでアクセスできるようにしています(NodePort として指定可能な番号の範囲は 30000 ~ 32767 です、指定しない場合は空いている番号がランダムに割り振られます)。また ReplicaSet は1つだけで作りました(データベースなので、別途クラスタ構成の準備をしない限りはこの数値だけを増やしてもあまり意味ないと思います)。
デプロイしたコンテナイメージを削除する場合はデプロイ時に使った YAML ファイルを再度使って、以下のコマンドを実行します。不要であれば削除しておきましょう:
$ kubectl delete -f hatoya.yaml
【紹介したイメージ】
https://hub.docker.com/r/dotnsf/hatoya
【紹介記録】
Day | カテゴリー | デプロイ内容 |
---|---|---|
0 | 準備 | 準備作業 |
1 | ウェブサーバー | hostname |
2 | Apache HTTP | |
3 | Nginx | |
4 | Tomcat | |
5 | Websphere Liberty | |
6 | データベース | MySQL |
7 | phpMyAdmin | |
8 | PostgreSQL | |
9 | pgAdmin4 | |
10 | MongoDB | |
11 | Mongo-Express | |
12 | Redis | |
13 | RedisCommander | |
14 | ElasticSearch | |
15 | Kibana | |
16 | CouchDB | |
17 | CouchBase | |
18 | HATOYA | |
19 | プログラミング | Node-RED |
20 | Scratch | |
21 | Eclipse Orion | |
22 | Swagger Editor | |
23 | R Studio | |
24 | Jenkins | |
25 | アプリケーション | FX |
26 | 2048 | |
27 | DOS Box | |
28 | VNC Server(Lubuntu) | |
29 | Drupal | |
30 | WordPress |