WordPress.com でも使われていて、Apache HTTPD, IIS に次ぐシェアを持つ HTTPD サーバー、それが Nginx(「エンジンエックス」)です。リバースプロキシとしての機能も併せ持ち、並行処理性能と省メモリ性能を重視して開発が続けられているオープンソースサーバーです。

この Nginx を CentOS にインストールする手順を紹介します。

インストール方法はソースからビルドする方法もありますが、簡単なのは yum リポジトリを作ってダウンロード&インストールが楽だと思います。

というわけで、まずは yum リポジトリを作成します:
# rpm -ivh http://nginx.org/packages/centos/6/noarch/RPMS/nginx-release-centos-6-0.el6.ngx.noarch.rpm

これで /etc/yum.repos.d/nginx.repo が作成されて準備完了。あとは yum でインストールです:
# yum install nginx

インストール自体はこれだけです(ちなみにデフォルト状態でのドキュメントルートは /usr/share/nginx/html/ です)。 この段階で一度動作確認してみます。まずはサーバーを起動:
# /etc/init.d/nginx start

そしてウェブブラウザでサーバーにアクセスします。"Welcome to nginx" と表示されれば Nginx のインストールは成功しています:
2014021301


Nginx のインストールはこれだけでもできていますが、実際には PHP などと合わせたアプリケーションサーバーとして使いたいですよね。そのための追加設定も紹介しておきます。

Nginx で PHP を使うためのインターフェースにはいくつか選択肢がありますが、今回は PHP-FPM を使う方法を紹介します。まずは yum で php-fpm をインストールします:
# yum install php-fpm

PHP-FPM はデフォルトでは Apache HTTPD 用の設定になっています。これを nginx ユーザー/ nginx グループで動作するように設定ファイルを変更します:
# vi /etc/php-fpm.d/www.conf

  :
user = nginx   # user = apache から変更
  :
group = nginx   # group = apache から変更
  :

最後に nginx の設定を変更して、ドキュメントルート上で PHP(-FPM) が動作するようにします。記述箇所はファイルの下の方にはじめから記載されているのでコメントアウトしてドキュメントルートディレクトリを指定するのが簡単だと思います:
# vi /etc/nginx/conf.d/default.conf

  :
location ~ \.php$ {
#    root           html;
    fastcgi_pass   127.0.0.1:9000;
    fastcgi_index  index.php;
    fastcgi_param  SCRIPT_FILENAME  /usr/share/nginx/html$fastcgi_script_name;
    include        fastcgi_params;
}
  :

この後に php-fpm を起動してから、nginx を再起動します:
# /etc/init.d/php-fpm start
# /etc/init.d/nginx restart

動作確認用に、ドキュメントルートに PHP 情報を出力するスクリプトファイル(phpinfo.php)を用意します:
# echo '<?php phpinfo(); ?>' > /usr/share/nginx/html/phpinfo.php

この状態でこのファイルにウェブブラウザからアクセスして、以下の様な PHP 情報が出力されれば成功です:
2014021302


これで Nginx を導入し、PHP 連携までが可能になりました!