以前のブログエントリでオープンソース MQTT 環境である Mosquitto の導入方法を紹介しました。このブログエントリではラズベリーパイ用と CentOS 用の紹介をしていますが、Mosquitto 自体には Windows などのバイナリも用意されていて、多くの環境で使えます:
ラズベリーパイにオープンソース MQTT の Mosquitto をインストールする
この Mosquitto を使って、IBM IoTF(IoT Foundations) 環境に用意されている QuickStart と呼ばれる MQTT ブローカーに任意のメッセージデータを送る方法を紹介します。センサーシミュレータなどを使って QuickStart に送られたデータを集めて取り出して加工して・・・という作業は Node-RED 環境があれば簡単ですが、その前段になるデバイスから QuickStart にデータを送るにはどうするか?という手段の紹介です。今回は MQTT クライアント(パブリッシャー)を使った例を紹介します。
準備として、まずは上記のリンク先の情報から、Mosquitto のパブリッシャー(mosquitto_pub)をインストールする所までは済ませておいてください。今回は mosquitto_pub を使って IoTF QuickStart にデータを送信します。
次に、IoTF QuickStart に送られてきたメッセージデータを確認するための環境を整えておく必要があります。IBM Bluemix の IoT Foundations Starter ボイラープレートや Node-RED Starter ボイラープレートを使って、Node-RED 環境を用意してください。この辺りの詳しい手順がよく分からない場合はこちらを参照してください:
Node-RED 環境ができたら、次のような IBM IoT ノードと Debug ノードをつなげただけの、シンプルなフローを作成してください:
IBM IoT ノードをダブルクリックし、このような属性値に設定します。Authentication を "QuickStart" に、Input Type を "Device Event" に、そして Device Id には任意のユニークな文字列(下の例では "91a19d112233" にしていますが、同じものを使わないでください。実際にはネットに接続された機器の MAC アドレスを想定しています)を入力します。最後に Name に適当な名前を入力して OK をクリックします:
Debug ノードの属性は以下のようにします。Output はデフォルトの payload のままでも実用的にはいいのですが、今回は送られてくるメッセージ全体を確認したいので "complete msg object" に変更して OK をクリックします。最後に "Deploy" をクリックして、デプロイまで済ませておきます:
これで Device Id が(今回の例であれば) "91a19d112233" に設定されたデバイスから QuickStart に送られてくるデータを取得してデバッグタブに表示する、というアプリが動いている状態になりました。
では Mosquitto を使って、そのようなデータを QuickStart にパブリッシュしてみます。Mosquitto を導入した環境にログインし、ターミナルのプロンプトから以下のようなコマンドを実行します:
このコマンドは、
(1) quickstart.messaging.internetofthings.ibmcloud.com という MQTT ブローカーに対して、
(2) "iot-2/evt/myeventtype/fmt/json" というトピックを指定し、
(3) '{ "d": { "name1":"stringValue", "name2": 10 } }' という JSON 形式のメッセージを、
(4) d:quickstart:MyDevice:91a19d112233 というクライアント ID で
パブリッシュする、という処理内容のコマンドです。
※ちなみに IoTF では送信メッセージは '{ "d": { (ここが実際の送信内容) } }' という JSON 形式で送付することを推奨しています。
このコマンドを実行した直後、Node-RED アプリのデバッグタブにメッセージが表示されるはずです! 実行したパブリッシュコマンドのメッセージが届いた証拠です:
ここで届いたメッセージはこのような内容になっているはずです:
(3) で指定したメッセージは、"payload" の中身として届けられています。また (2) で指定したトピックは "topic" と、"eventType" の値として表示されています。また (4) で指定したクライアント ID は "deviceId" と "deviceType" として届いていることもわかります。"deviceType" と "eventType" はパブリッシュする側で任意に設定できる、デバイスとイベントの分類用文字列です。
ということは、上記の mosquitto_pub コマンドで実行した MQTT パブリッシュ処理に相当するコマンドを quickstart.messaging.internetofthings.ibmcloud.com に対して実行することで QuickStart にメッセージを送ることができる、ということが分かりました。QuickStart にメッセージを送ることができれば、後は Node-RED を使って便利に処理できます。
このコマンドをプログラミング言語から実行するにはどのようにすればよいのか、それは別途紹介させていただくつもりです。
ラズベリーパイにオープンソース MQTT の Mosquitto をインストールする
この Mosquitto を使って、IBM IoTF(IoT Foundations) 環境に用意されている QuickStart と呼ばれる MQTT ブローカーに任意のメッセージデータを送る方法を紹介します。センサーシミュレータなどを使って QuickStart に送られたデータを集めて取り出して加工して・・・という作業は Node-RED 環境があれば簡単ですが、その前段になるデバイスから QuickStart にデータを送るにはどうするか?という手段の紹介です。今回は MQTT クライアント(パブリッシャー)を使った例を紹介します。
準備として、まずは上記のリンク先の情報から、Mosquitto のパブリッシャー(mosquitto_pub)をインストールする所までは済ませておいてください。今回は mosquitto_pub を使って IoTF QuickStart にデータを送信します。
次に、IoTF QuickStart に送られてきたメッセージデータを確認するための環境を整えておく必要があります。IBM Bluemix の IoT Foundations Starter ボイラープレートや Node-RED Starter ボイラープレートを使って、Node-RED 環境を用意してください。この辺りの詳しい手順がよく分からない場合はこちらを参照してください:
Node-RED 環境ができたら、次のような IBM IoT ノードと Debug ノードをつなげただけの、シンプルなフローを作成してください:
IBM IoT ノードをダブルクリックし、このような属性値に設定します。Authentication を "QuickStart" に、Input Type を "Device Event" に、そして Device Id には任意のユニークな文字列(下の例では "91a19d112233" にしていますが、同じものを使わないでください。実際にはネットに接続された機器の MAC アドレスを想定しています)を入力します。最後に Name に適当な名前を入力して OK をクリックします:
Debug ノードの属性は以下のようにします。Output はデフォルトの payload のままでも実用的にはいいのですが、今回は送られてくるメッセージ全体を確認したいので "complete msg object" に変更して OK をクリックします。最後に "Deploy" をクリックして、デプロイまで済ませておきます:
これで Device Id が(今回の例であれば) "91a19d112233" に設定されたデバイスから QuickStart に送られてくるデータを取得してデバッグタブに表示する、というアプリが動いている状態になりました。
では Mosquitto を使って、そのようなデータを QuickStart にパブリッシュしてみます。Mosquitto を導入した環境にログインし、ターミナルのプロンプトから以下のようなコマンドを実行します:
$ mosquitto_pub -h quickstart.messaging.internetofthings.ibmcloud.com -t "iot-2/evt/myeventtype/fmt/json" -m '{"d":{"name1":"stringValue","name2":10}}' -i d:quickstart:MyDevice:91a19d112233
このコマンドは、
(1) quickstart.messaging.internetofthings.ibmcloud.com という MQTT ブローカーに対して、
(2) "iot-2/evt/myeventtype/fmt/json" というトピックを指定し、
(3) '{ "d": { "name1":"stringValue", "name2": 10 } }' という JSON 形式のメッセージを、
(4) d:quickstart:MyDevice:91a19d112233 というクライアント ID で
パブリッシュする、という処理内容のコマンドです。
※ちなみに IoTF では送信メッセージは '{ "d": { (ここが実際の送信内容) } }' という JSON 形式で送付することを推奨しています。
このコマンドを実行した直後、Node-RED アプリのデバッグタブにメッセージが表示されるはずです! 実行したパブリッシュコマンドのメッセージが届いた証拠です:
ここで届いたメッセージはこのような内容になっているはずです:
{ "topic": "iot-2/type/MyDevice/id/91a19d112233/evt/myeventtype/fmt/json", "payload": { "d": { "name1": "stringValue", "name2": 10 } }, "deviceId": "91a19d112233", "deviceType": "MyDevice", "eventType": "myeventtype", "format": "json", "_msgid": "6e152038.91eae" }
(3) で指定したメッセージは、"payload" の中身として届けられています。また (2) で指定したトピックは "topic" と、"eventType" の値として表示されています。また (4) で指定したクライアント ID は "deviceId" と "deviceType" として届いていることもわかります。"deviceType" と "eventType" はパブリッシュする側で任意に設定できる、デバイスとイベントの分類用文字列です。
ということは、上記の mosquitto_pub コマンドで実行した MQTT パブリッシュ処理に相当するコマンドを quickstart.messaging.internetofthings.ibmcloud.com に対して実行することで QuickStart にメッセージを送ることができる、ということが分かりました。QuickStart にメッセージを送ることができれば、後は Node-RED を使って便利に処理できます。
このコマンドをプログラミング言語から実行するにはどのようにすればよいのか、それは別途紹介させていただくつもりです。