【シリーズリンク】
PayPay 、便利ですよね。具体的な数字根拠があるわけではないのですが、数ある QR コード決済システムの中でも頭一つ抜き出て利用されている印象を持っています。
自分は個人でウェブサービスを開発したり、その中のいくつかはクラウドなどを使って公開していたりするものもあります。そんな自分が長い間悩んでいたものの1つが「有償化」というものです。作ったサービスは基本的には無料で使ってもらうことを想定しているのですが、一部の特定機能については有償化できることならしたい、というものもあります(商用利用とか)。ただその上で大きな壁となるのが「どうやって料金を支払ってもらうか」でした。クレジットカード決済するような機能を個人で作れるわけではなく、PayPal のような仕組みもありましたが日本ではあまり広まっていなかったし、かといって銀行振込は手間がかかりすぎてせっかく興味を持ってくれた人の興味を失ってしまう要因にもなると思っていました。
そんな中、この PayPay は API(SDK) が提供されていて、自作ウェブアプリケーションに組み込むことができます。例えば自作アプリケーションの中で EC 機能を実装してその決済を PayPay で行うことができるようになったり、自作ウェブサービスの有料機能の支払いを PayPay で行わせることもできるようになります。日本国内での利用者も多く、この PayPay API を使うことで技術的にも比較的低い敷居でサービスの有償化を実現できるのではないかと考えています。
実は数年前に同じような内容を自分のブログ内で紹介する機会がありました。当時よりも API そのものが進化していたりすることもあるのですが、当時紹介した内容は「単なるウェブ決済」の話になってしまっていて、(例えば返金対応のことが考えられていなかったりして)非実践的な内容でした。 そんな反省も踏まえ、改めて 2025 年6月時点の情報として Node.js のサンプルも含めた PayPay API 対応ウェブアプリの実装方法を紹介したいと思います。
内容は数回に分けて紹介する予定です。初回である今回は PayPay API を使う上で必要な PayPay for Developers へのアカウント登録方法を紹介します。
【PayPay for Developers へアカウント登録する】
PayPay API を使うにはまず PayPay for Developers にアカウントを登録して、API キーなどの利用情報を取得する必要があります。そのアカウント登録手順を紹介します。 なおアカウントの作成自体は無料ですが、有効なメールアドレスが必要です。加えてテストモードでの動作確認を行うために自分が普段 PayPay アプリを使っているスマホとは異なる、別のスマホが1台あると(面倒なアカウントの切り替えが不要なので)便利です。
では PayPay for Developers( https://developer.paypay.ne.jp/account/signup ) にウェブブラウザでアクセスして、アカウントの ID となるメールアドレスと、アカウント利用時のパスワードを入力して「アカウントを作成する」ボタンをクリックします:

すると以下のような画面に切り替わります。この時点で入力したメールアドレスに PayPay からワンタイムパスワードが記載されたメールが送信されています(この画面に戻ってくるので、この画面は消さずに以下の作業を実施してください):

送信された対象のメールを探して、その本文内に記載されているワンタイムパスワードを確認します:

元の画面に戻り、ワンタイムパスワードを入力して「確認する」ボタンをクリックします:

実はアカウントの登録自体はこれだけです。そのまま次に決済時のサービス(利用者の PayPay 支払い時に表示される内容)のサービス名とサービスロゴを登録します。試験的に使うだけなら(どうせ使うのは自分だけなので)適当な名前とロゴ画像でいいと思います。実際に公開してお客様の決済に使う場合はちゃんとした(笑)名前とロゴを指定してください:

次は決済方法の指定です。ここで紹介するのは「ウェブペイメント」だけなのですが、後で色んな機能を使いたくなる可能性もあるので、一応全部チェックして、最後に「登録する」ボタンをクリック:

このような画面になってアカウントとショップの登録は完了です。「開始する」ボタンをクリックして PayPay for Developers にログインします:

なお次回からはこちらの URL( https://developer.paypay.ne.jp/account/signin )でログイン画面を開き、メールアドレスと登録したパスワードを入力することでログインできます:

【PayPay for Developers で API 利用情報やテストユーザーを確認する】
PayPay for Developers にログインすると以下のような画面になります。まずは左メニューでダッシュボードを開き、「API キー」タブを選択します。すると API キー、API シークレット、そして画面上部に加盟店 ID が確認できると思います。PayPay API を利用するにはこれら3つの値が必要になるので、これらの値をメモするなどして、すぐに参照できるようにしておいてください:

なお、アクセスするタイミングによってはまだこれらの情報が発行されていないか、画面に反映されていなかったりして、表示されないことがあります(下図参照)。 このような場合は一度ログアウトし、少し待ってから再ログイン後に確認してください:

また「テストユーザー」タブを開くと、動作確認用のユーザー IDとパスワード、そして各ユーザー ID にチャージされた額(仮想のお金)が表示されます。チャージ額はこの画面から追加することもできます。またパスワードはこの画面では表示されていませんが、各パスワードの右側の「目に斜め線が引かれたアイコン」をクリックすると実際のパスワード文字列を確認することができます:

このテストユーザーの ID とパスワードはサンプルアプリの動作を確認する時に(本当のお金の取引を伴うモードへ移行する前の、テスト環境での動作確認時に)使う予定です。
これで PayPay API を使う上での準備として必須だった PayPay for Developers へのアカウント登録は完了しました。一応触れておくと、この時点でできることは「PayPay API をテスト環境で使う」ことだけで、本当にお金の流れが発生するような実環境決済はできません。そのためには加盟店登録が必要になるのですが、その辺りはまた別の機会に紹介したいと考えています。
次回は今回用意した PayPay for Developers アカウントで PayPay 加盟店に登録する手順を紹介する予定です。
# | 内容 |
---|---|
1 | PayPay for Developers へサインアップ ←今回 |
2 | PayPay API について |
3 | サンプルアプリケーション |
4 | 加盟店登録 |
PayPay 、便利ですよね。具体的な数字根拠があるわけではないのですが、数ある QR コード決済システムの中でも頭一つ抜き出て利用されている印象を持っています。
自分は個人でウェブサービスを開発したり、その中のいくつかはクラウドなどを使って公開していたりするものもあります。そんな自分が長い間悩んでいたものの1つが「有償化」というものです。作ったサービスは基本的には無料で使ってもらうことを想定しているのですが、一部の特定機能については有償化できることならしたい、というものもあります(商用利用とか)。ただその上で大きな壁となるのが「どうやって料金を支払ってもらうか」でした。クレジットカード決済するような機能を個人で作れるわけではなく、PayPal のような仕組みもありましたが日本ではあまり広まっていなかったし、かといって銀行振込は手間がかかりすぎてせっかく興味を持ってくれた人の興味を失ってしまう要因にもなると思っていました。
そんな中、この PayPay は API(SDK) が提供されていて、自作ウェブアプリケーションに組み込むことができます。例えば自作アプリケーションの中で EC 機能を実装してその決済を PayPay で行うことができるようになったり、自作ウェブサービスの有料機能の支払いを PayPay で行わせることもできるようになります。日本国内での利用者も多く、この PayPay API を使うことで技術的にも比較的低い敷居でサービスの有償化を実現できるのではないかと考えています。
実は数年前に同じような内容を自分のブログ内で紹介する機会がありました。当時よりも API そのものが進化していたりすることもあるのですが、当時紹介した内容は「単なるウェブ決済」の話になってしまっていて、(例えば返金対応のことが考えられていなかったりして)非実践的な内容でした。 そんな反省も踏まえ、改めて 2025 年6月時点の情報として Node.js のサンプルも含めた PayPay API 対応ウェブアプリの実装方法を紹介したいと思います。
内容は数回に分けて紹介する予定です。初回である今回は PayPay API を使う上で必要な PayPay for Developers へのアカウント登録方法を紹介します。
【PayPay for Developers へアカウント登録する】
PayPay API を使うにはまず PayPay for Developers にアカウントを登録して、API キーなどの利用情報を取得する必要があります。そのアカウント登録手順を紹介します。 なおアカウントの作成自体は無料ですが、有効なメールアドレスが必要です。加えてテストモードでの動作確認を行うために自分が普段 PayPay アプリを使っているスマホとは異なる、別のスマホが1台あると(面倒なアカウントの切り替えが不要なので)便利です。
では PayPay for Developers( https://developer.paypay.ne.jp/account/signup ) にウェブブラウザでアクセスして、アカウントの ID となるメールアドレスと、アカウント利用時のパスワードを入力して「アカウントを作成する」ボタンをクリックします:

すると以下のような画面に切り替わります。この時点で入力したメールアドレスに PayPay からワンタイムパスワードが記載されたメールが送信されています(この画面に戻ってくるので、この画面は消さずに以下の作業を実施してください):

送信された対象のメールを探して、その本文内に記載されているワンタイムパスワードを確認します:

元の画面に戻り、ワンタイムパスワードを入力して「確認する」ボタンをクリックします:

実はアカウントの登録自体はこれだけです。そのまま次に決済時のサービス(利用者の PayPay 支払い時に表示される内容)のサービス名とサービスロゴを登録します。試験的に使うだけなら(どうせ使うのは自分だけなので)適当な名前とロゴ画像でいいと思います。実際に公開してお客様の決済に使う場合はちゃんとした(笑)名前とロゴを指定してください:

次は決済方法の指定です。ここで紹介するのは「ウェブペイメント」だけなのですが、後で色んな機能を使いたくなる可能性もあるので、一応全部チェックして、最後に「登録する」ボタンをクリック:

このような画面になってアカウントとショップの登録は完了です。「開始する」ボタンをクリックして PayPay for Developers にログインします:

なお次回からはこちらの URL( https://developer.paypay.ne.jp/account/signin )でログイン画面を開き、メールアドレスと登録したパスワードを入力することでログインできます:

【PayPay for Developers で API 利用情報やテストユーザーを確認する】
PayPay for Developers にログインすると以下のような画面になります。まずは左メニューでダッシュボードを開き、「API キー」タブを選択します。すると API キー、API シークレット、そして画面上部に加盟店 ID が確認できると思います。PayPay API を利用するにはこれら3つの値が必要になるので、これらの値をメモするなどして、すぐに参照できるようにしておいてください:

なお、アクセスするタイミングによってはまだこれらの情報が発行されていないか、画面に反映されていなかったりして、表示されないことがあります(下図参照)。 このような場合は一度ログアウトし、少し待ってから再ログイン後に確認してください:

また「テストユーザー」タブを開くと、動作確認用のユーザー IDとパスワード、そして各ユーザー ID にチャージされた額(仮想のお金)が表示されます。チャージ額はこの画面から追加することもできます。またパスワードはこの画面では表示されていませんが、各パスワードの右側の「目に斜め線が引かれたアイコン」をクリックすると実際のパスワード文字列を確認することができます:

このテストユーザーの ID とパスワードはサンプルアプリの動作を確認する時に(本当のお金の取引を伴うモードへ移行する前の、テスト環境での動作確認時に)使う予定です。
これで PayPay API を使う上での準備として必須だった PayPay for Developers へのアカウント登録は完了しました。一応触れておくと、この時点でできることは「PayPay API をテスト環境で使う」ことだけで、本当にお金の流れが発生するような実環境決済はできません。そのためには加盟店登録が必要になるのですが、その辺りはまた別の機会に紹介したいと考えています。
次回は今回用意した PayPay for Developers アカウントで PayPay 加盟店に登録する手順を紹介する予定です。
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