IBM Cloud から提供されている 30 日間無料 Kubernetes サービスIBM Kubernetes Service 、以下 "IKS")環境を使って利用することのできるコンテナイメージを1日に1個ずつ 30 日間連続で紹介していきます。

環境のセットアップや制約事項については Day0 のこちらの記事を参照してください。

Day 6 からはデータベース系コンテナとその GUI ツールを中心に紹介してます。Day 17 では Day 16 に紹介した CouchDB の弟的な製品でもある CouchBase イメージをデプロイする例を紹介します。
couchbase



【イメージの概要】
CouchDB を作った Damien Katz さんが、CouchDB を新たに再設計して開発した NoSQL 型データベースです。非常に高速に動作するというだけでなく、低遅延かつ高持続スループットを実現しています。



【イメージのデプロイ】
まずはこちらのファイルを自分の PC にダウンロードしてください:
https://raw.githubusercontent.com/dotnsf/yamls_for_iks/main/couchbase.yaml

今回の CouchBase もシングルノード環境で利用する場合は特にパラメータ指定不要で、そのままデプロイすることができます。以下のコマンドを実行する前に Day 0 の内容を参照して ibmcloud CLI ツールで IBM Cloud にログインし、クラスタに接続するまでを済ませておいてください。


そして以下のコマンドを実行します:
$ kubectl apply -f couchbase.yaml

以下のコマンドで CouchBase 関連の Deployment, Service, Pod, Replicaset が1つずつ生成されたことと、サービスが 31210, 30091, 30092, 30093, 30094 番の各ポートで公開されていることを確認します:
$ kubectl get all

NAME                            READY   STATUS    RESTARTS   AGE
pod/couchbase-58b4b8c99-m8tmt   1/1     Running   0          105s

NAME                      TYPE        CLUSTER-IP      EXTERNAL-IP   PORT(S)                                                                       AGE
service/couchbaseserver   NodePort    172.21.76.112   <none>        11210:31210/TCP,8091:30091/TCP,8092:30092/TCP,8093:30093/TCP,8094:30094/TCP   105s
service/kubernetes        ClusterIP   172.21.0.1      <none>        443/TCP                                                                       27d

NAME                        READY   UP-TO-DATE   AVAILABLE   AGE
deployment.apps/couchbase   1/1     1            1           106s

NAME                                  DESIRED   CURRENT   READY   AGE
replicaset.apps/couchbase-58b4b8c99   1         1         1       106s

この後に実際にサービスを利用するため、以下のコマンドでワーカーノードのパブリック IP アドレスを確認します(以下の例であれば 161.51.204.190):
$ ibmcloud ks worker ls --cluster=mycluster-free
OK
ID                                                       パブリック IP    プライベート IP   フレーバー   状態     状況    ゾーン   バージョン
kube-c3biujbf074rs3rl76t0-myclusterfr-default-000000df   169.51.204.190   10.144.185.144    free         normal   Ready   mil01    1.20.7_1543*

つまりこの時点で(上述の結果であれば)アプリケーションの UI は http://169.51.204.190:30091/ で稼働している、ということになります。CouchDB はこの URL が管理ダッシュボードの URL になっているので早速実行してみます。ウェブブラウザを使って、アプリケーションの URL(上述の方法で確認した URL)にアクセスしてみます:
couchbase1


初回はサーバーセットアップ画面になるので、管理者ユーザーの作成や接続先サーバーの情報を入力していきます:

couchbase2


最終的にデータまでが入力されると、この UI を使って内容や統計情報を確認することができるようになります:
couchbase3



【YAML ファイルの解説】
YAML ファイルはこちらを使っています:
apiVersion: v1
kind: Service
metadata:
  name: couchbaseserver
spec:
  selector:
    app: couchbase
  ports:
  - port: 11210
    name: port0
    protocol: TCP
    targetPort: 11210
    nodePort: 31210
  - port: 8091
    name: port1
    protocol: TCP
    targetPort: 8091
    nodePort: 30091
  - port: 8092
    name: port2
    protocol: TCP
    targetPort: 8092
    nodePort: 30092
  - port: 8093
    name: port3
    protocol: TCP
    targetPort: 8093
    nodePort: 30093
  - port: 8094
    name: port4
    protocol: TCP
    targetPort: 8094
    nodePort: 30094
  type: NodePort
---
apiVersion: apps/v1
kind: Deployment
metadata:
  name: couchbase
spec:
  replicas: 1
  selector:
    matchLabels:
      app: couchbase
  template:
    metadata:
      labels:
        app: couchbase
    spec:
      containers:
      - name: couchbase
        image: couchbase
        ports:
        - containerPort: 11210
        - containerPort: 8091
        - containerPort: 8092
        - containerPort: 8093
        - containerPort: 8094

Deployment 1つと、Service 1つのごくごくシンプルな YAML ファイルですが、一応解説を加えておきます。アプリケーションそのものは 11210, 8091, 8092, 8093, 8094 番ポートで動作するように作られているため、NodePort 30080 番を指定して、外部からは 30080 番ポートでアクセスできるようにしています(NodePort として指定可能な番号の範囲は 30000 ~ 32767 です、指定しない場合は空いている番号がランダムに割り振られます)。また ReplicaSet は1つだけで作りました(データベースなので、別途クラスタ構成の準備をしない限りはこの数値だけを増やしてもあまり意味ないと思います)。


デプロイしたコンテナイメージを削除する場合はデプロイ時に使った YAML ファイルを再度使って、以下のコマンドを実行します。不要であれば削除しておきましょう:
$ kubectl delete -f couchbase.yaml


【紹介したイメージ】
https://hub.docker.com/_/couchbase


【紹介記録】
Dayカテゴリーデプロイ内容
0準備準備作業
1ウェブサーバーhostname
2Apache HTTP
3Nginx
4Tomcat
5Websphere Liberty
6データベースMySQL
7phpMyAdmin
8PostgreSQL
9pgAdmin4
10MongoDB
11Mongo-Express
12Redis
13RedisCommander
14ElasticSearch
15Kibana
16CouchDB
17CouchBase
18HATOYA
19プログラミングNode-RED
20Scratch
21Eclipse Orion
22Swagger Editor
23R Studio
24Jenkins
25アプリケーションFX
262048
27DOS Box
28VNC Server(Lubuntu)
29Drupal
30WordPress