IBM Cloud から提供されている 30 日間無料 Kubernetes サービスIBM Kubernetes Service 、以下 "IKS")環境を使って利用することのできるコンテナイメージを1日に1個ずつ 30 日間連続で紹介していきます。

環境のセットアップや制約事項については Day0 のこちらの記事を参照してください。

Day 6 からはデータベース系コンテナとその GUI ツールを中心に紹介してます。Day 12 ではメモリキャッシュとしても利用されている Redis イメージをデプロイする例を紹介します。
redis



【イメージの概要】
キー・バリュー型のメモリデータベースです。I/O にディスクアクセスを伴わないため、高速なトランザクション処理が可能です。また最近のコンテナ化の中でこの高速性を共有セッションの管理などの用途に使われることも多くなっています。



【イメージのデプロイ】
まずはこちらのファイルを自分の PC にダウンロードしてください:
https://raw.githubusercontent.com/dotnsf/yamls_for_iks/main/redis.yaml


今回の Redis は特にパラメータ指定不要で、そのままデプロイすることができます。以下のコマンドを実行する前に Day 0 の内容を参照して ibmcloud CLI ツールで IBM Cloud にログインし、クラスタに接続するまでを済ませておいてください。

そして以下のコマンドを実行します:
$ kubectl apply -f redis.yaml

以下のコマンドで Redis 関連の Deployment, Service, Pod, Replicaset が1つずつ生成されたことと、サービスが 30379 番ポートで公開されていることを確認します:
$ kubectl get all

NAME                        READY   STATUS    RESTARTS   AGE
pod/redis-fd794cd65-8phh2   1/1     Running   0          58s

NAME                  TYPE        CLUSTER-IP      EXTERNAL-IP   PORT(S)          AGE
service/kubernetes    ClusterIP   172.21.0.1      <none>        443/TCP          27d
service/redisserver   NodePort    172.21.187.90   <none>        6379:30379/TCP   60s

NAME                    READY   UP-TO-DATE   AVAILABLE   AGE
deployment.apps/redis   1/1     1            1           59s

NAME                              DESIRED   CURRENT   READY   AGE
replicaset.apps/redis-fd794cd65   1         1         1       59s

この後に実際にサービスを利用するため、以下のコマンドでワーカーノードのパブリック IP アドレスを確認します(以下の例であれば 161.51.204.190):
$ ibmcloud ks worker ls --cluster=mycluster-free
OK
ID                                                       パブリック IP    プライベート IP   フレーバー   状態     状況    ゾーン   バージョン
kube-c3biujbf074rs3rl76t0-myclusterfr-default-000000df   169.51.204.190   10.144.185.144    free         normal   Ready   mil01    1.20.7_1543*

つまりこの時点で(上述の結果であれば)アプリケーションは 169.51.204.190:30379 で稼働している、ということになります。これまでの例と同様、動作確認は次回の GUI ツールのインストール後に行うことにするので、今回はこのデプロイ作業までとします。



【YAML ファイルの解説】
YAML ファイルはこちらを使っています(編集する前の状態です):
apiVersion: v1
kind: Service
metadata:
  name: redisserver
spec:
  selector:
    app: redis
  ports:
  - port: 6379
    protocol: TCP
    targetPort: 6379
    nodePort: 30379
  type: NodePort
---
apiVersion: apps/v1
kind: Deployment
metadata:
  name: redis
spec:
  replicas: 1
  selector:
    matchLabels:
      app: redis
  template:
    metadata:
      labels:
        app: redis
    spec:
      containers:
      - name: redis
        image: redis
        ports:
        - containerPort: 6379

Deployment 1つと、Service 1つのごくごくシンプルな YAML ファイルですが、一応解説を加えておきます。アプリケーションそのものは 6379 番ポートで動作するように作られているため、NodePort 30080 番を指定して、外部からは 30080 番ポートでアクセスできるようにしています(NodePort として指定可能な番号の範囲は 30000 ~ 32767 です、指定しない場合は空いている番号がランダムに割り振られます)。また ReplicaSet は1つだけで作りました(データベースなので、別途クラスタ構成の準備をしない限りはこの数値だけを増やしてもあまり意味ないと思います)。


デプロイしたコンテナイメージを削除する場合はデプロイ時に使った YAML ファイルを再度使って、以下のコマンドを実行します。不要であれば削除しておきましょう(ちなみにこの Redis コンテナは明日の Day 13 でも使う予定なので、削除するのはそのあとの方がいいかもしれません):
$ kubectl delete -f redis.yaml


【紹介したイメージ】
https://hub.docker.com/_/redis


【紹介記録】
Dayカテゴリーデプロイ内容
0準備準備作業
1ウェブサーバーhostname
2Apache HTTP
3Nginx
4Tomcat
5Websphere Liberty
6データベースMySQL
7phpMyAdmin
8PostgreSQL
9pgAdmin4
10MongoDB
11Mongo-Express
12Redis
13RedisCommander
14ElasticSearch
15Kibana
16CouchDB
17CouchBase
18HATOYA
19プログラミングNode-RED
20Scratch
21Eclipse Orion
22Swagger Editor
23R Studio
24Jenkins
25アプリケーションFX
262048
27DOS Box
28VNC Server(Lubuntu)
29Drupal
30WordPress