IBM Cloud から提供されている 30 日間無料 Kubernetes サービスIBM Kubernetes Service 、以下 "IKS")環境を使って利用することのできるコンテナイメージを1日に1個ずつ 30 日間連続で紹介していきます。

環境のセットアップや制約事項については Day0 のこちらの記事を参照してください。

Day 9 は Day 8 で紹介した PostgreSQL 環境を GUI で使うためのウェブツールから pgAdmin4 イメージをデプロイする例を紹介します。
pgadmin41



【イメージの概要】
pgAdmin4 は postgreSQL を CLI ではなく、GUI から利用するためのツール(ウェブ用クライアント)です。なお本日紹介するコンテナイメージはいわゆる Docker オフィシャルイメージではなく、個人で公開されているものが本環境では使いやすかったため、これを紹介させていただきます。


【イメージのデプロイ】
まずはこちらのファイルを自分の PC にダウンロードしてください:
https://raw.githubusercontent.com/dotnsf/yamls_for_iks/main/pgadmin4.yaml


次にこのファイルをテキストエディタで開いてパラメータを編集します。具体的には以下2箇所の value 値を変更してください。それぞれの具体的な意味は以下の通りです:
・PGADMIN_DEFAULT_EMAIL : 管理者IDメールアドレス、実在の必要はない(初期値 admin@testtest.com)
・PGADMIN_DEFAULT_PASSWORD : 管理者IDパスワード(初期値 P@ssw0rd)


ではこのダウンロード&編集した pgadmin4.yaml ファイルを指定してデプロイします。以下のコマンドを実行する前に Day 0 の内容を参照して ibmcloud CLI ツールで IBM Cloud にログインし、クラスタに接続するまでを済ませておいてください。

そして以下のコマンドを実行します:
$ kubectl apply -f pgadmin4.yaml

以下のコマンドで PostgreSQL および pgAdmin4 関連の Deployment, Service, Pod, Replicaset がそれぞれ1つずつ生成されたことと、サービスが 30432 番ポート(PostgreSQL)と 30080 番ポート(pgAdmin4)で公開されていることを確認します:
$ kubectl get all

NAME                            READY   STATUS    RESTARTS   AGE
pod/pgadmin4-54495cb996-2cc85   1/1     Running   0          20s
pod/postgres-558dc49c46-wkdlp   1/1     Running   0          6m53s

NAME                     TYPE        CLUSTER-IP       EXTERNAL-IP   PORT(S)          AGE
service/kubernetes       ClusterIP   172.21.0.1       <none>        443/TCP          26d
service/pgadmin4         NodePort    172.21.255.145   <none>        80:30080/TCP     22s
service/postgresserver   NodePort    172.21.82.102    <none>        5432:30432/TCP   6m55s

NAME                       READY   UP-TO-DATE   AVAILABLE   AGE
deployment.apps/pgadmin4   1/1     1            1           22s
deployment.apps/postgres   1/1     1            1           6m55s

NAME                                  DESIRED   CURRENT   READY   AGE
replicaset.apps/pgadmin4-54495cb996   1         1         1       22s
replicaset.apps/postgres-558dc49c46   1         1         1       6m55s

この後に実際にサービスを利用するため、以下のコマンドでワーカーノードのパブリック IP アドレスを確認します(以下の例であれば 161.51.204.190):
$ ibmcloud ks worker ls --cluster=mycluster-free
OK
ID                                                       パブリック IP    プライベート IP   フレーバー   状態     状況    ゾーン   バージョン
kube-c3biujbf074rs3rl76t0-myclusterfr-default-000000df   169.51.204.190   10.144.185.144    free         normal   Ready   mil01    1.20.7_1543*

つまりこの時点で(上述の結果であれば)アプリケーションは http://169.51.204.190:30080/ で稼働している、ということになります。早速実行してみます。ウェブブラウザか curl コマンドを使って、アプリケーションの URL(上述の方法で確認した URL)にアクセスしてみます:
pgadmin41


上述の yaml ファイル内で指定したメールアドレスとパスワードを入力するとデータベースの接続画面に遷移し、ここからデータベースのスキーマや実データを参照・変更できるようになります:
pgadmin42



【YAML ファイルの解説】
YAML ファイルはこちらを使っています:
apiVersion: v1
kind: Service
metadata:
  name: pgadmin4
spec:
  selector:
    app: pgadmin4
  ports:
  - port: 80
    protocol: TCP
    targetPort: 80
    nodePort: 30080
  type: NodePort
---
apiVersion: apps/v1
kind: Deployment
metadata:
  name: pgadmin4
spec:
  replicas: 1
  selector:
    matchLabels:
      app: pgadmin4
  template:
    metadata:
      labels:
        app: pgadmin4
    spec:
      containers:
      - name: pgadmin4
        image: dpage/pgadmin4
        env:
        - name: PGADMIN_DEFAULT_EMAIL
          value: "admin@testtest.com"
        - name: PGADMIN_DEFAULT_PASSWORD
          value: "P@ssw0rd"
        ports:
        - containerPort: 80

Deployment 1つと、Service 1つのごくごくシンプルな YAML ファイルですが、一応解説を加えておきます。アプリケーションそのものは 80 番ポートで動作するように作られているため、NodePort 30080 番を指定して、外部からは 30080 番ポートでアクセスできるようにしています(NodePort として指定可能な番号の範囲は 30000 ~ 32767 です、指定しない場合は空いている番号がランダムに割り振られます)。また ReplicaSet は1つだけで作りました。


デプロイしたコンテナイメージを削除する場合はデプロイ時に使った YAML ファイルを再度使って、以下のコマンドを実行します。不要であれば削除しておきましょう(Day 8 の PostgreSQL も一緒に作成しておきましょう):
$ kubectl delete -f pgadmin4.yaml


【紹介したイメージ】
https://hub.docker.com/r/dpage/pgadmin4


【紹介記録】
Dayカテゴリーデプロイ内容
0準備準備作業
1ウェブサーバーhostname
2Apache HTTP
3Nginx
4Tomcat
5Websphere Liberty
6データベースMySQL
7phpMyAdmin
8PostgreSQL
9pgAdmin4
10MongoDB
11Mongo-Express
12Redis
13RedisCommander
14ElasticSearch
15Kibana
16CouchDB
17CouchBase
18HATOYA
19プログラミングNode-RED
20Scratch
21Eclipse Orion
22Swagger Editor
23R Studio
24Jenkins
25アプリケーションFX
262048
27DOS Box
28VNC Server(Lubuntu)
29Drupal
30WordPress