Google が提供する機械学習ライブラリ TensorFlow公式にはラズベリーパイ用のモジュールは用意されていませんが、ラズベリーパイ向けのパッケージを作って公開されているものを見つけました:
https://github.com/samjabrahams/tensorflow-on-raspberry-pi


実際に導入してみた手順を紹介します。なお以下の情報は 2017/Jul/19 時点のものであり、実際に試した時の環境は以下のとおりです:
ハードウェア: Raspberry Pi 3 Type B
OS: Raspbian GNU/Linux 8.0(Jessie)
Linux カーネル: 4.9.28
TensorFlow: 1.1.0


【Pythonのインストール】
Python 2.7 または 3.3 以上が必要です。自分の環境では標準で 2.7 がインストールされていたので、これをそのまま使うことにしました。というわけで、以下の手順は Python 2.7 用のものです。


【pip 他のインストール】
TensorFlow 本体のインストール時に必要な pip や開発用依存モジュールをまとめてインストールします:
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install python-pip python-dev

【TensorFlow のインストール】
ラズパイ用の TensorFlow 1.1.0 をダウンロードし、pip でインストールします:
$ wget https://github.com/samjabrahams/tensorflow-on-raspberry-pi/releases/download/v1.1.0/tensorflow-1.1.0-cp27-none-linux_armv7l.whl
$ sudo pip install tensorflow-1.1.0-cp27-none-linux_armv7l.whl

wheel パッケージが展開され、各種ライブラリ含めたビルドが行われます。実際には結構な時間がかかる作業です。


【mock ライブラリの再インストール】
最後に mock ライブラリの再インストール(一度削除して、もう一度インストール)が必要とのことで、その作業を行っておきます:
$ sudo pip uninstall mock
$ sudo pip install mock

【動作確認】
クラスメソッド様のサイトに「TensorFlow 版ハローワールド」的なサンプルプログラムがあったので、これをそのまま動かしてみます:
TensorFlowで Hello Worldを動かしてみた&その解説

テキストエディタで以下の内容を編集し、hello-tf.py という名前で保存します:
# hello-tf.py
import tensorflow as tf
import multiprocessing as mp
 
core_num = mp.cpu_count()
config = tf.ConfigProto(
    inter_op_parallelism_threads=core_num,
    intra_op_parallelism_threads=core_num )
sess = tf.Session(config=config)
 
hello = tf.constant('hello, tensorflow!')
print sess.run(hello)
 
a = tf.constant(10)
b = tf.constant(32)
print sess.run(a+b)

これを Python で実行します:
$ python hello-tf.py
hello, tensorflow!
42

青字のような結果が出力されれば、とりあえず動作していることが確認できました。