最近、従来種ではなかったはずの猛毒アリである「火蟻（ヒアリ）」が日本で見つかった、というニュースを耳にします：
ヒアリ、東京で発見　ついに関東上陸　大井埠頭のコンテナから


外来種かつ毒虫という特徴から、素手で捕まえたり、触ったりするのが非常に危険なアリです。とはいえ、この季節は普通のアリを見かけることも多いので、ヒアリかどうかを判断するのが難しい問題もあります。

さて、最近話題の画像認識を使って蟻の画像を識別させて、「それがヒアリかどうか？」を判断することはできるでしょうか？　IBM Watson の Visual Recognition API を使って試してみました。

当初は「まずはヒアリを学習させて・・・」と思っていたのですが、調べてみたら IBM Watson の Visual Recognition V3 では標準機能でヒアリを識別する機能を持っているようでした（これに気付いた時はちと驚きました）。というわけで普通に公開されているデモ用ページを使い、カスタマイズなしの標準機能だけで試してみました。
Visual Recognition Demo




標準機能で画像認識を試す場合は、ブラウザで上記ページにアクセスして、赤枠部分をクリックし識別させたい画像を PC 内から指定するだけです。非常に簡単です。


今回、まずはこのヒアリの画像を指定してみました：



しばらく考えて・・・



はい、結果がでました！"pharaoh ant"（ファラオ蟻、何それ？）とかに混じって "fire ant"（ヒアリ）という識別結果が表示されています！検索スコアも 0.80 と中々高い結果になっています（赤枠部分参照）：



では次はこの「黒蟻」の画像を指定してみます：




結果はこうでした。"carpenter ant" は日本では「黒蟻」と呼ばれているものです（ちなみに "sanguinary ant" は「銀蟻」です）。そして "fire ant" とは識別されませんでした。これも正解です：



いくつかの画像で試してみたので、その結果を表にしておきます：

画像	正解	識別結果	スコア	成否
	ヒアリ	ファラオ蟻 ヒアリ 銀蟻	0.81 0.80 0.60	○
	ヒアリ	ヒアリ	0.60	○
	ヒアリ	ヒアリ 軍隊アリ	0.83 0.50	○
	黒蟻	黒蟻 銀蟻	0.81 0.50	○
	黒蟻	黒蟻	0.93	○
	銀蟻	銀蟻	0.51	○
	銀蟻	銀蟻 黒蟻	0.64 0.60	○

おおーっ！　適当に集めた画像で試してみただけですが、それなりの精度で検索できているように思えます。　カスタマイズなしの標準機能だけでもいい感じでした。ぶっちゃけ想定以上です（笑）。


皆さんもアリ画像を使って上記サイトで色々試してみてください。なかなかの精度で調べてくれそうですよ。

＃最初は学習させるつもりで蟻の画像を大量に集めて見ていたので、気持ち悪くなってきた・・・