これらのブログ記事の続きです:
連鶴・連環鶴に関する考察(1)
連鶴・連環鶴に関する考察(2)
連鶴・連環鶴に関する考察(3)
過去3回に渡って私の趣味である折鶴について紹介しました。特に連鶴/連環鶴/連捻環鶴と呼ばれる(私が勝手に名付けているだけですが・・)特殊な立体折り紙について、その概念や折り方、完成形について、折り進めていく際の注意点や用語なども交えて紹介してきました。特に言葉の定義については1回目のブログエントリや2回目のブログエントリの中で定義しており、今回もここで定義した連鶴、連環鶴・・といった用語を使うので、まだ見ていない人は併せて参照しておいてください。
実はこの3回でシリーズは完了する予定だったのですが、この3回目を公開した後に思いのほか研究内容や作品制作に進展があったのでその報告も兼ねた内容で今回シリーズ4回目のブログエントリを作りました。
【連捻環鶴の捩れ問題】
3回目のブログエントリの中で連捻環鶴の捩れ問題について「未解決問題」として紹介していました。折り紙の表面(色のついた面)と裏面(色の付いていない(=白の)面)とを交互に使って折鶴を羽根部分でつなぎながらリング状に折っていく連捻環鶴は、途中で捩じれが生じるパターンと生じないパターンがある、と紹介したもので、第3回目を公開した時点では捩れが生じるか生じないかを折り進める前に知ることができない、という内容でした(その後、少し進展があったので追記しています)。
この部分については 2026 年 7 月の現在では解決していると思っています。詳しい説明は3回目のエントリ内に追記しているのですが、要点部分を以下にまとめます:
【連環鶴の場合】
・鶴の数が4の倍数であれば、捩じれのない連環鶴を作ることができる
・元の正方形折り紙の内側部分を切り落とすか切り落とさないかに関係なく連環鶴は作れる
【連捻環鶴の場合】
・鶴の数が4の倍数であり、かつ8の倍数でなければ、捩じれのない連捻環鶴を作ることができる※
・元の正方形折り紙の内側部分を切り落とさずに作る場合も、※の条件さえ満たせていれば作れる
・詳しい説明は3回目のエントリ内に追記しているが、ひねりを数値化した結果がゼロになる、つまり横方向への移動回数と縦方向の移動回数が一致している場合は捩じれのない連捻環鶴を作れる
内側部分を切り落とさない連捻環鶴に限定すると、一辺が「2の倍数であり、4の倍数でない数(2、6、10、・・・)」の数に等分すると、自然と※の条件を満たすことになるので、その場合は連捻環鶴を作ることができる、ということになります。
【36連捻環鶴&100連捻環鶴に挑戦!】
実は元の正方形の内側部分を切り落として連捻環鶴を作ることはずっと以前から実現できていたのですが、切り落とす場合は鶴の数を増やそうとすると切り落とす部分の面積も大きくなってしまうので、完成時の1羽の折鶴の大きさがかなり小さくなってしまう、という問題がありました。例えば36連捻環鶴を作る際に内側を切り落として作ること自体は簡単です。具体的には元の正方形を 10x10 に分けて、その内側の 8x8 部分を切り抜き、その結果残る 10x10 - 8x8 = 100 - 64 = 36 羽の鶴をリング状に折ることになります。つまりこの場合、1羽あたりだと元の正方形の1辺の長さが 1/10 になった正方形で折ることになります。仮に1辺の長さが 30cm の折り紙だと、3cm 四方の折り紙で折鶴を折る(これを36個折ってリング状に繋げる)ことになります。これはかなり大変だし、またリングの大きさと比べて折鶴1つ1つがかなり小さくなってしまうという見た目の問題もあります。
一方、内側を切り落とさずに作れるのであれば36連捻環鶴は 6x6=36 羽の鶴をリング状に折るだけなので、1辺の長さが 30cm の折り紙だと、5cm 四方の折り紙で折鶴を折ることになります。紙の大きさが全然違うので、折り易さも全然違います。完成後のリングの大きさと比べても折鶴の大きさが確保されるため、見た目にもこちら(内側部分を切り落とさずに作るほう)が理想的ではあります。 一方で現実には内側を切り落とさずに作る連捻環鶴(=2、6、10などの「4の倍数ではない偶数の平方数」の連捻環鶴)は最初の切り目の入れ方が非常に複雑でややこしい、という問題もあります。
というわけで、本ブログでは前回記載した仮説を使って、内側を切り落とさない前提での36連捻環鶴、そして100連捻環鶴を折ることに挑戦し、その作り方を紹介しようと思いました。
【36連捻環鶴の場合】
36連捻環鶴は元の正方形を 6x6 = 36 個に分割して、リング状に繋がるよう切れ目を入れます。この時に縦方向への移動回数と横方向への移動回数が一致するように切り込みを入れることができれば、その状態からスタートして連捻環鶴を作ることができる、というのが私の仮説でした。
ではそのような条件を満たすように切り込みを入れるには具体的にはどのようにすればよいのでしょう? その答がこれです(太線部分が切れ込み、点線部は切らない):

この上図のような切れ込みを入れると、36枚の正方形がリング状に繋がり、かつ1周する間に縦方向と横方向への移動回数は同じ(=どちらも18回)になります。
実際にこの状態を最初に作ってから折り始めました:

この初期状態から一枚ずつ、表と裏を交互に使いながら、かつそれぞれの折鶴が折鶴の基本形1になった時に外側の正方形で繋がっている状態(詳しくは第1回目のブログエントリ参照)になるよう折り進めていくと・・・
完成形はこのような36連捻環鶴になります:

【100連捻環鶴の場合】
100連捻環鶴についても同様です。ちなみに以下で紹介する例を作った時にはトーヨーの 75cm 折り紙を使いました(正直、これを使わないと100連環鶴や100連捻環鶴の制作は無理だと思います)。
元の正方形を 10x10 = 100 個に分割して、リング状に繋がるよう切れ目を入れます。この時に縦方向への移動回数と横方向への移動回数が一致するように切り込みを入れるのですが、具体的にはこのようにします(太線部分に切り込みを入れ、点線部は切りません):

実際に切り込みを入れた様子はこちら:

そして、この初期状態から地味に折り進めていくこと約3週間。完成品がこちらです!私の仮説の正当性を証明するような、捩れの無い綺麗なリング形状で仕上がりました:

↑他にこんなの作ってる人ほとんどいないはずなので世界記録なんじゃないかと思ってます
完成品の大きさのイメージが湧きにくいと思ったので、iPhone SE を真ん中に置いてみました。私の頭をギリギリ通る大きさで、ネックレス状態にすることもギリ可能な大きさでした:

一部を拡大するとこんな感じ。75cm 四方の正方形を 10x10=100 等分しているので、制作時の1枚の正方形は 7.5cm 四方です。私が過去に作ってきた連捻環鶴と比べて1枚あたりの面積は比較的大きいので、折りづらさはさほど感じませんでした。ただ同じものを 100 個作るので、ひたすらに時間がかかります。実は上の切り込みを入れた写真の状態(折り始める前の状態)を作るまでにも3日ほどかかっています:

【100連捻環鶴を作り終えて】
これを本当に作れたことで、今は魂が抜けたような状態になっています(笑)。本当は次は 16x16=256 連環鶴(256 連捻環鶴は8の倍数なので私の仮説では不可能です)を作ろうと思ってましたが、100 連捻環鶴を作るのに必要な集中力がハンパなかったので、今はしばらく何も作りたくないw あと 75cm ÷ 16 ≒ 5 cm となるため、1枚の鶴を折る難易度も少し上がるので、政策の計画を立てにくい・・・
この 100 連捻環鶴が完成できた大きな要因の1つが 75cm 四方の折り紙を市販してくれているトーヨー様のおかげもあると思っています。特大折り紙である一方、そこまで紙の厚みがなく、非常に折り易かったです。本当に助かりました。改めて素敵な材料を市販提供いただき感謝します。正直、この紙なら通常色よりも比較的厚い金や銀の折り紙でも作れそうな気はしました・・・
でも作る前に想定できなかった困難もありました。紙全体が重いため、折っている途中で「重力で千切れやすい」という恐ろしさがありました。加えて、自分の仮説に基づく設計で「最終的には捩じれが生じないリングになる」という自信はあったのですが、折っている途中の段階ではとにかく捩じれに捩じれて、その捩じれを戻そうとするたびに千切れないように細心の注意を払う必要がありました。
でも実際100連捻環鶴がねじれのない綺麗なリング状に折れたし、その経緯で新しい仮説も作れたし、本当は前回の3話で終わるはずだったシリーズブログも今回の4話目を実際の作品を紹介する形で発表することができたし、人生でも指折りに満足感の高い挑戦でした。
連鶴・連環鶴に関する考察(1)
連鶴・連環鶴に関する考察(2)
連鶴・連環鶴に関する考察(3)
過去3回に渡って私の趣味である折鶴について紹介しました。特に連鶴/連環鶴/連捻環鶴と呼ばれる(私が勝手に名付けているだけですが・・)特殊な立体折り紙について、その概念や折り方、完成形について、折り進めていく際の注意点や用語なども交えて紹介してきました。特に言葉の定義については1回目のブログエントリや2回目のブログエントリの中で定義しており、今回もここで定義した連鶴、連環鶴・・といった用語を使うので、まだ見ていない人は併せて参照しておいてください。
実はこの3回でシリーズは完了する予定だったのですが、この3回目を公開した後に思いのほか研究内容や作品制作に進展があったのでその報告も兼ねた内容で今回シリーズ4回目のブログエントリを作りました。
【連捻環鶴の捩れ問題】
3回目のブログエントリの中で連捻環鶴の捩れ問題について「未解決問題」として紹介していました。折り紙の表面(色のついた面)と裏面(色の付いていない(=白の)面)とを交互に使って折鶴を羽根部分でつなぎながらリング状に折っていく連捻環鶴は、途中で捩じれが生じるパターンと生じないパターンがある、と紹介したもので、第3回目を公開した時点では捩れが生じるか生じないかを折り進める前に知ることができない、という内容でした(その後、少し進展があったので追記しています)。
この部分については 2026 年 7 月の現在では解決していると思っています。詳しい説明は3回目のエントリ内に追記しているのですが、要点部分を以下にまとめます:
【連環鶴の場合】
・鶴の数が4の倍数であれば、捩じれのない連環鶴を作ることができる
・元の正方形折り紙の内側部分を切り落とすか切り落とさないかに関係なく連環鶴は作れる
【連捻環鶴の場合】
・鶴の数が4の倍数であり、かつ8の倍数でなければ、捩じれのない連捻環鶴を作ることができる※
・元の正方形折り紙の内側部分を切り落とさずに作る場合も、※の条件さえ満たせていれば作れる
・詳しい説明は3回目のエントリ内に追記しているが、ひねりを数値化した結果がゼロになる、つまり横方向への移動回数と縦方向の移動回数が一致している場合は捩じれのない連捻環鶴を作れる
内側部分を切り落とさない連捻環鶴に限定すると、一辺が「2の倍数であり、4の倍数でない数(2、6、10、・・・)」の数に等分すると、自然と※の条件を満たすことになるので、その場合は連捻環鶴を作ることができる、ということになります。
【36連捻環鶴&100連捻環鶴に挑戦!】
実は元の正方形の内側部分を切り落として連捻環鶴を作ることはずっと以前から実現できていたのですが、切り落とす場合は鶴の数を増やそうとすると切り落とす部分の面積も大きくなってしまうので、完成時の1羽の折鶴の大きさがかなり小さくなってしまう、という問題がありました。例えば36連捻環鶴を作る際に内側を切り落として作ること自体は簡単です。具体的には元の正方形を 10x10 に分けて、その内側の 8x8 部分を切り抜き、その結果残る 10x10 - 8x8 = 100 - 64 = 36 羽の鶴をリング状に折ることになります。つまりこの場合、1羽あたりだと元の正方形の1辺の長さが 1/10 になった正方形で折ることになります。仮に1辺の長さが 30cm の折り紙だと、3cm 四方の折り紙で折鶴を折る(これを36個折ってリング状に繋げる)ことになります。これはかなり大変だし、またリングの大きさと比べて折鶴1つ1つがかなり小さくなってしまうという見た目の問題もあります。
一方、内側を切り落とさずに作れるのであれば36連捻環鶴は 6x6=36 羽の鶴をリング状に折るだけなので、1辺の長さが 30cm の折り紙だと、5cm 四方の折り紙で折鶴を折ることになります。紙の大きさが全然違うので、折り易さも全然違います。完成後のリングの大きさと比べても折鶴の大きさが確保されるため、見た目にもこちら(内側部分を切り落とさずに作るほう)が理想的ではあります。 一方で現実には内側を切り落とさずに作る連捻環鶴(=2、6、10などの「4の倍数ではない偶数の平方数」の連捻環鶴)は最初の切り目の入れ方が非常に複雑でややこしい、という問題もあります。
というわけで、本ブログでは前回記載した仮説を使って、内側を切り落とさない前提での36連捻環鶴、そして100連捻環鶴を折ることに挑戦し、その作り方を紹介しようと思いました。
【36連捻環鶴の場合】
36連捻環鶴は元の正方形を 6x6 = 36 個に分割して、リング状に繋がるよう切れ目を入れます。この時に縦方向への移動回数と横方向への移動回数が一致するように切り込みを入れることができれば、その状態からスタートして連捻環鶴を作ることができる、というのが私の仮説でした。
ではそのような条件を満たすように切り込みを入れるには具体的にはどのようにすればよいのでしょう? その答がこれです(太線部分が切れ込み、点線部は切らない):

この上図のような切れ込みを入れると、36枚の正方形がリング状に繋がり、かつ1周する間に縦方向と横方向への移動回数は同じ(=どちらも18回)になります。
実際にこの状態を最初に作ってから折り始めました:

この初期状態から一枚ずつ、表と裏を交互に使いながら、かつそれぞれの折鶴が折鶴の基本形1になった時に外側の正方形で繋がっている状態(詳しくは第1回目のブログエントリ参照)になるよう折り進めていくと・・・
完成形はこのような36連捻環鶴になります:

【100連捻環鶴の場合】
100連捻環鶴についても同様です。ちなみに以下で紹介する例を作った時にはトーヨーの 75cm 折り紙を使いました(正直、これを使わないと100連環鶴や100連捻環鶴の制作は無理だと思います)。
元の正方形を 10x10 = 100 個に分割して、リング状に繋がるよう切れ目を入れます。この時に縦方向への移動回数と横方向への移動回数が一致するように切り込みを入れるのですが、具体的にはこのようにします(太線部分に切り込みを入れ、点線部は切りません):

実際に切り込みを入れた様子はこちら:

そして、この初期状態から地味に折り進めていくこと約3週間。完成品がこちらです!私の仮説の正当性を証明するような、捩れの無い綺麗なリング形状で仕上がりました:

↑他にこんなの作ってる人ほとんどいないはずなので世界記録なんじゃないかと思ってます
完成品の大きさのイメージが湧きにくいと思ったので、iPhone SE を真ん中に置いてみました。私の頭をギリギリ通る大きさで、ネックレス状態にすることもギリ可能な大きさでした:

一部を拡大するとこんな感じ。75cm 四方の正方形を 10x10=100 等分しているので、制作時の1枚の正方形は 7.5cm 四方です。私が過去に作ってきた連捻環鶴と比べて1枚あたりの面積は比較的大きいので、折りづらさはさほど感じませんでした。ただ同じものを 100 個作るので、ひたすらに時間がかかります。実は上の切り込みを入れた写真の状態(折り始める前の状態)を作るまでにも3日ほどかかっています:

【100連捻環鶴を作り終えて】
これを本当に作れたことで、今は魂が抜けたような状態になっています(笑)。本当は次は 16x16=256 連環鶴(256 連捻環鶴は8の倍数なので私の仮説では不可能です)を作ろうと思ってましたが、100 連捻環鶴を作るのに必要な集中力がハンパなかったので、今はしばらく何も作りたくないw あと 75cm ÷ 16 ≒ 5 cm となるため、1枚の鶴を折る難易度も少し上がるので、政策の計画を立てにくい・・・
この 100 連捻環鶴が完成できた大きな要因の1つが 75cm 四方の折り紙を市販してくれているトーヨー様のおかげもあると思っています。特大折り紙である一方、そこまで紙の厚みがなく、非常に折り易かったです。本当に助かりました。改めて素敵な材料を市販提供いただき感謝します。正直、この紙なら通常色よりも比較的厚い金や銀の折り紙でも作れそうな気はしました・・・
でも作る前に想定できなかった困難もありました。紙全体が重いため、折っている途中で「重力で千切れやすい」という恐ろしさがありました。加えて、自分の仮説に基づく設計で「最終的には捩じれが生じないリングになる」という自信はあったのですが、折っている途中の段階ではとにかく捩じれに捩じれて、その捩じれを戻そうとするたびに千切れないように細心の注意を払う必要がありました。
でも実際100連捻環鶴がねじれのない綺麗なリング状に折れたし、その経緯で新しい仮説も作れたし、本当は前回の3話で終わるはずだったシリーズブログも今回の4話目を実際の作品を紹介する形で発表することができたし、人生でも指折りに満足感の高い挑戦でした。






























































