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これらのブログ記事の続きです:
連鶴・連環鶴に関する考察(1)
連鶴・連環鶴に関する考察(2)
連鶴・連環鶴に関する考察(3)

過去3回に渡って私の趣味である折鶴について紹介しました。特に連鶴/連環鶴/連捻環鶴と呼ばれる(私が勝手に名付けているだけですが・・)特殊な立体折り紙について、その概念や折り方、完成形について、折り進めていく際の注意点や用語なども交えて紹介してきました。特に言葉の定義については1回目のブログエントリ2回目のブログエントリの中で定義しており、今回もここで定義した連鶴、連環鶴・・といった用語を使うので、まだ見ていない人は併せて参照しておいてください。

実はこの3回でシリーズは完了する予定だったのですが、この3回目を公開した後に思いのほか研究内容や作品制作に進展があったのでその報告も兼ねた内容で今回シリーズ4回目のブログエントリを作りました。


【連捻環鶴の捩れ問題】
3回目のブログエントリの中で連捻環鶴の捩れ問題について「未解決問題」として紹介していました。折り紙の表面(色のついた面)と裏面(色の付いていない(=白の)面)とを交互に使って折鶴を羽根部分でつなぎながらリング状に折っていく連捻環鶴は、途中で捩じれが生じるパターンと生じないパターンがある、と紹介したもので、第3回目を公開した時点では捩れが生じるか生じないかを折り進める前に知ることができない、という内容でした(その後、少し進展があったので追記しています)。

この部分については 2026 年 7 月の現在では解決していると思っています。詳しい説明は3回目のエントリ内に追記しているのですが、要点部分を以下にまとめます:

【連環鶴の場合】
・鶴の数が4の倍数であれば、捩じれのない連環鶴を作ることができる
・元の正方形折り紙の内側部分を切り落とすか切り落とさないかに関係なく連環鶴は作れる

【連捻環鶴の場合】
鶴の数が4の倍数であり、かつ8の倍数でなければ、捩じれのない連捻環鶴を作ることができる※
・元の正方形折り紙の内側部分を切り落とさずに作る場合も、の条件さえ満たせていれば作れる
・詳しい説明は3回目のエントリ内に追記しているが、ひねりを数値化した結果がゼロになる、つまり横方向への移動回数と縦方向の移動回数が一致している場合は捩じれのない連捻環鶴を作れる


内側部分を切り落とさない連捻環鶴に限定すると、一辺が「2の倍数であり、4の倍数でない数(2、6、10、・・・)」の数に等分すると、自然との条件を満たすことになるので、その場合は連捻環鶴を作ることができる、ということになります。


【36連捻環鶴&100連捻環鶴に挑戦!】
実は元の正方形の内側部分を切り落として連捻環鶴を作ることはずっと以前から実現できていたのですが、切り落とす場合は鶴の数を増やそうとすると切り落とす部分の面積も大きくなってしまうので、完成時の1羽の折鶴の大きさがかなり小さくなってしまう、という問題がありました。例えば36連捻環鶴を作る際に内側を切り落として作ること自体は簡単です。具体的には元の正方形を 10x10 に分けて、その内側の 8x8 部分を切り抜き、その結果残る 10x10 - 8x8 = 100 - 64 = 36 羽の鶴をリング状に折ることになります。つまりこの場合、1羽あたりだと元の正方形の1辺の長さが 1/10 になった正方形で折ることになります。仮に1辺の長さが 30cm の折り紙だと、3cm 四方の折り紙で折鶴を折る(これを36個折ってリング状に繋げる)ことになります。これはかなり大変だし、またリングの大きさと比べて折鶴1つ1つがかなり小さくなってしまうという見た目の問題もあります。

一方、内側を切り落とさずに作れるのであれば36連捻環鶴は 6x6=36 羽の鶴をリング状に折るだけなので、1辺の長さが 30cm の折り紙だと、5cm 四方の折り紙で折鶴を折ることになります。紙の大きさが全然違うので、折り易さも全然違います。完成後のリングの大きさと比べても折鶴の大きさが確保されるため、見た目にもこちら(内側部分を切り落とさずに作るほう)が理想的ではあります。 一方で現実には内側を切り落とさずに作る連捻環鶴(=2、6、10などの「4の倍数ではない偶数の平方数」の連捻環鶴)は最初の切り目の入れ方が非常に複雑でややこしい、という問題もあります。

というわけで、本ブログでは前回記載した仮説を使って、内側を切り落とさない前提での36連捻環鶴、そして100連捻環鶴を折ることに挑戦し、その作り方を紹介しようと思いました。


【36連捻環鶴の場合】
36連捻環鶴は元の正方形を 6x6 = 36 個に分割して、リング状に繋がるよう切れ目を入れます。この時に縦方向への移動回数と横方向への移動回数が一致するように切り込みを入れることができれば、その状態からスタートして連捻環鶴を作ることができる、というのが私の仮説でした。

ではそのような条件を満たすように切り込みを入れるには具体的にはどのようにすればよいのでしょう? その答がこれです(太線部分が切れ込み、点線部は切らない):
2026070302


この上図のような切れ込みを入れると、36枚の正方形がリング状に繋がり、かつ1周する間に縦方向と横方向への移動回数は同じ(=どちらも18回)になります。

実際にこの状態を最初に作ってから折り始めました:
20260611_163105283


この初期状態から一枚ずつ、表と裏を交互に使いながら、かつそれぞれの折鶴が折鶴の基本形1になった時に外側の正方形で繋がっている状態(詳しくは第1回目のブログエントリ参照)になるよう折り進めていくと・・・

完成形はこのような36連捻環鶴になります:
20260614_171509893


【100連捻環鶴の場合】
100連捻環鶴についても同様です。ちなみに以下で紹介する例を作った時にはトーヨーの 75cm 折り紙を使いました(正直、これを使わないと100連環鶴や100連捻環鶴の制作は無理だと思います)。

元の正方形を 10x10 = 100 個に分割して、リング状に繋がるよう切れ目を入れます。この時に縦方向への移動回数と横方向への移動回数が一致するように切り込みを入れるのですが、具体的にはこのようにします(太線部分に切り込みを入れ、点線部は切りません):
2026070303


実際に切り込みを入れた様子はこちら:
20260621_142320955


そして、この初期状態から地味に折り進めていくこと約3週間。完成品がこちらです!私の仮説の正当性を証明するような、捩れの無い綺麗なリング形状で仕上がりました:
20260703_152718112
↑他にこんなの作ってる人ほとんどいないはずなので世界記録なんじゃないかと思ってます


完成品の大きさのイメージが湧きにくいと思ったので、iPhone SE を真ん中に置いてみました。私の頭をギリギリ通る大きさで、ネックレス状態にすることもギリ可能な大きさでした:
20260703_144412282


一部を拡大するとこんな感じ。75cm 四方の正方形を 10x10=100 等分しているので、制作時の1枚の正方形は 7.5cm 四方です。私が過去に作ってきた連捻環鶴と比べて1枚あたりの面積は比較的大きいので、折りづらさはさほど感じませんでした。ただ同じものを 100 個作るので、ひたすらに時間がかかります。実は上の切り込みを入れた写真の状態(折り始める前の状態)を作るまでにも3日ほどかかっています:
20260703_152748612


【100連捻環鶴を作り終えて】
これを本当に作れたことで、今は魂が抜けたような状態になっています(笑)。本当は次は 16x16=256 連環鶴(256 連捻環鶴は8の倍数なので私の仮説では不可能です)を作ろうと思ってましたが、100 連捻環鶴を作るのに必要な集中力がハンパなかったので、今はしばらく何も作りたくないw あと 75cm ÷ 16 ≒ 5 cm となるため、1枚の鶴を折る難易度も少し上がるので、政策の計画を立てにくい・・・

この 100 連捻環鶴が完成できた大きな要因の1つが 75cm 四方の折り紙を市販してくれているトーヨー様のおかげもあると思っています。特大折り紙である一方、そこまで紙の厚みがなく、非常に折り易かったです。本当に助かりました。改めて素敵な材料を市販提供いただき感謝します。正直、この紙なら通常色よりも比較的厚い金や銀の折り紙でも作れそうな気はしました・・・

でも作る前に想定できなかった困難もありました。紙全体が重いため、折っている途中で「重力で千切れやすい」という恐ろしさがありました。加えて、自分の仮説に基づく設計で「最終的には捩じれが生じないリングになる」という自信はあったのですが、折っている途中の段階ではとにかく捩じれに捩じれて、その捩じれを戻そうとするたびに千切れないように細心の注意を払う必要がありました。


でも実際100連捻環鶴がねじれのない綺麗なリング状に折れたし、その経緯で新しい仮説も作れたし、本当は前回の3話で終わるはずだったシリーズブログも今回の4話目を実際の作品を紹介する形で発表することができたし、人生でも指折りに満足感の高い挑戦でした。

これらのブログ記事の続きです:
連鶴・連環鶴に関する考察(1)
連鶴・連環鶴に関する考察(2)


過去2回に渡って私の趣味である折鶴について紹介しました。特に連鶴/連環鶴/連捻環鶴と呼ばれる(私が勝手に名付けているだけですが・・)特殊な立体折り紙について、その概念や折り方、完成形について、折り進めていく際の注意点や用語なども交えて紹介してきました。

最終回の予定でもある第3回目は2回目の記事内でも「現在も取り組んでいる未解決問題」として紹介した、連環捻鶴の捩れ(ねじれ)問題について、今の時点で分かっていることを書き記しておこうと思います。なお、以下の文章内でも「連鶴」、「連環鶴」、「連捻環鶴」、「折鶴の基本形1」、「折鶴の基本形2」といった用語が出てきます。これらの用語定義については上述の考察(1)および(2)を参照してください。


【連捻環鶴の捩れ問題】
以下は考察(2)でも紹介した内容のおさらいです。

連環鶴を折る場合は、連環鶴として成立するような折り紙の初期状態を切り込み含めて準備することができれば(捩れなどを意識することなく)折ることができるが、連捻環鶴の場合は同じ初期状態から折り進めても途中でリングに捩れによる歪みが生じてしまうことがあり、そうなると最後まで折ることができなくなってしまうことがある、というものでした。ただ、この捩れによる歪みは生じるパターンと生じないパターンがあり、歪みが生じないパターンであれば連捻環鶴として完成させることができるが、歪みが生じてしまうと(歪みを正そうと紙が引っ張り合って千切れやすくなってしまって)連捻環鶴として完成させるのが非常に困難になってしまいます。 この「捩れによる歪みが生じるパターンなのか、生じないパターンなのか」を実際に折り進めることなく、折り紙を折り進める前の初期状態(切り込みまでを入れた状態)に判断するのが困難というのが連捻環鶴の捩れ問題でした。2026-05 月末の時点でも明確な判断方法がなかったため、「とりあえず折り始めて、途中で折れなくなったら諦める」しかできないという厄介な問題です。

本テーマのブログ3回目である今回は、この未解決問題について説明します。過去2回とは異なり、数学的というか、位相幾何学的というか、、、少し毛色の異なる内容です。


【突然のひらめき】
この未解決問題、暇さえあればずーーーーっと考えていたのですが、2026年6月のある日、急に「もしかして・・・」と閃きました! まだ数学的な証明ができるわけではなく仮説の段階ではあるのですが、これまで自分が経験してきたパターンでの結果とは一致していて、「もしかするとこの方法で折り始める前に連捻環鶴が折れるか折れないかを判断することができるかもしれない」という有力な仮説の1つと考えています。

その紹介の前に、この仮説を思いついた時にどんなことを考えていたのか、という紹介をします。結果的にはこういう方向性の内容を考えていたので、この仮説にたどり着いたのだと思っています。

改めて「2連鶴」が完成した時の状態を見てください。この2連鶴の両方の「頭」の部分は、折り始める前の長方形の折り紙の状態ではどこにあったのかを考えてみます:
2026060702


答は下図の位置(空色の〇部分)です。これはなんとなく直感的に理解できる位置関係だと思っています:
2026060703


2連鶴は左右で対象に折るだけなので、間に鏡を挟んでいるかのような位置関係になっています:
2026060701


では「2連捻鶴」で同じ質問を考えてみます:
2026060700


この2つの折り鶴の左側の鶴の「頭」の部分は、「2連鶴」の時と同じでこの位置なのですが、対応する右側の鶴の「頭」の部分は、もとの長方形ではどこになるかわかりますか?:
2026060704


「2連鶴と同じじゃないの?」と思うかもしれませんが2連捻鶴では違います。答はなんとこの位置が右側の鶴の頭部分になるのでした:
2026060705


ちょうどこの部分を軸に「(表と裏を入れ替えるために)半分捻って」作るので、ここが頭の位置に来るわけです。一見すると不思議ですが、連捻鶴ではこの辺りが「捻り(ひねり)」を加えて作られているわけですね:
2026060702


同様にして「4連鶴」の、各4羽の頭の位置は下図のようになりますが、
2026060704


「4連捻鶴」の各4羽の頭の位置はこのようになります:
2026060705


同じことを「連環鶴」と「連捻環鶴」でも調べてみます。まず「4連環鶴」の場合、仮に1羽の頭がこの位置にあったとすると、他の3羽の頭の位置はどこになるかというと・・・:
2026060706


その答はこちら。まあなんとなく直感的に分かる結果ですよね:
2026060707


では「4連捻環鶴」ではどうでしょう?1羽の頭がこの位置にあったとすると、他の3羽の頭の位置はわかりますか?:
2026060706


答はこちらです。2連捻鶴や4連捻鶴の時をヒントにすることでなんとなくわかりますかね:
2026060708


同様に「12連環鶴」と「12連捻環鶴」の場合を比べてみます。「12連環鶴」の各12羽の鶴の頭の位置はこちらで、
2026060709


「12連捻環鶴」の12羽の鶴の頭の位置はこちらです:
2026060710


ここまでの結果を総合すると、なんとなくわかってきたことがあります:
・「連環鶴」はそもそも「ひねり」の要素がなく、「捩れて折れなくなる」ということはない(常に完成形まで折り進めることができる)
・「連捻鶴」、「連捻環鶴」はある1羽の鶴と、その隣の鶴との間では「半分ひねりが加えられて」折られる、つまり・・
「連捻環鶴」の場合、最初の鶴からスタートして隣の鶴に移るたびに「半分ひねり」が加えられ続ける
ただしひねりの方向(右回転なのか、左回転なのか)はケースバイケース
・そして最後の鶴(=最初の鶴)に戻ってきた時に「半分ひねり」のプラスマイナスがゼロになっていれば捩れのない綺麗なリング状で完成する。プラスマイナスゼロでない場合はリングに捩れが生じる(折れなくなる)

(以下、上の青字部分の仮説を※という記号で参照します)


例えば8連捻環鶴の場合は8回、12連捻環鶴の場合は12回「半分ひねり」が加えられる形になるのですが、8連捻環鶴の場合はその8回のひねりが最終的にプラスマイナスゼロにならないため捩れが生じてしまうため最後まで折ることができなくなってしまう。一方、12連捻環鶴の場合は12回のひねりが加わった結果、ひねりは最終的にプラスマイナスゼロになるためリング状に完成できる   ・・・という違いなのではないか、と気が付きました。

この方法で考えると、1羽折る度に加わるひねりの方向が右回転なのか左回転なのかを見極める方法が分かれば、最終的にプラマイゼロになる(=連捻環鶴になる)か、ならない(=連捻環鶴にならない)かも実際に折らずに調べることができるのではないか? という問題に収束します。


【もしかして・・・ の仮説】
仮に上述の仮説※が正しい場合、連捻環鶴は複数回の捻りを加え続けた結果、最終的に右回転のひねりと左回転のひねりの回数が一致してプラスマイナスゼロになったことで成立していることになります。つまり少なくともどこかで1回はひねりの方向が右回転から左回転に、左回転から右回転に変わっていることになります。このひねりの方向はどのような条件で変わるのでしょうか? これが分かればこれから折り始めようとしている連捻環鶴が再度まできれいなリング状で折れるのか、或いは途中で捩れが生じて折れなくなってしまうのかがわかることになります。

これを1羽ずつ折り進めながらひねりの回数がどう変化するかを調べ続けた結果、、、
2026060714



1つのある仮説に辿り着くことができました(数学的に証明できたわけではないので、「仮説」と記載しています)。未証明ではありますが、過去に私が作った/捩れて作れなかった連捻環鶴のパターンとは一致しています。

以下、12連捻環鶴の場合で説明します。折り始める前はこのような切り込みの入った正方形12個ぶんの折り紙を用意しています:
2026060715


この時12個の正方形折り紙をよく見ると、両隣の正方形との2か所の連結部分の位置関係が線対称になっている正方形と、点対称になっている正方形の2種類があります:
2026060716


12連捻環鶴の場合、連結部分の位置関係が線対称になっている正方形が4個点対称になっている正方形が8個あります:
2026060717


これらの正方形と、連捻環鶴のひねりの方向については以下のような関係がある、というのが私の仮説です:
・連結部分の位置関係が線対称になっている正方形ではひねりの方向が変化する
・連結部分の位置関係が点対称になっている正方形ではひねりの方向は変化しない



もう少し具体的に説明します。上の仮説の条件が正しいと仮定して、折り進める前のもとの状態の左上の正方形から時計回りにひねりの回数をカウントしてみます:
2026060718


まず最初の正方形は普通に一羽折るだけなので、この時点ではひねりはありません。ひねりを数値化した回数はゼロ(0.0)です:
2026060719


次に時計回りに隣の正方形を考えます。ここで※の条件から半分のひねりが加わります。仮に最初のひねりの方向を正の方向とすると、この時点で 0.5 のひねりが加わったことになります。 またこの正方形は連結部分の位置関係が点対称なので、次の正方形でも正方向のひねりが加わることになります:
2026060720


更に隣の正方形でも半分のひねりが同じ方向に加わるので、この時点では 1.0 のひねりが加わったことになります。またこの正方形も連結部分の位置関係が点対称なので、次の正方形でも正方向のひねりが加わることになります:
2026060721


更に隣の正方形半分のひねりが同じ方向に加わるので、この時点では 1.5 のひねりが加わったことになります。ただ、この正方形は連結部分の位置関係が線対称なので、次の正方形ではこれまでとは逆の負方向のひねりが加わることになります:
2026060722


更に隣の正方形では半分のひねりがこれまでとは逆の方向に加わるので、この時点では 1.0 のひねりが加わったことになります。またこの正方形も連結部分の位置関係が点対称なので、次の正方形でも負方向のひねりが加わることになります:
2026060723


この計算をずっと繰り返します。連結部分の位置関係が線対称になっている正方形を超えるたびにひねりの方向が変わるので、各正方形のひねりを数値化した値は図のようになります:
2026060724


最後の正方形(=最初の正方形)に戻り、改めてひねりの数値まで計算するとちょうどゼロになります。計算結果の値がもとの値と一致していることになるので※の内容から、12連捻環鶴はきれいなリングとして折ることができる、という結論が得られます(実際に折ることができます):
2026060725

(実際、12連捻環鶴は折れる)
2026051701


一方、同じことを8連環鶴でも行ってみます:
2026060727


8連環鶴のスタートを左上の正方形として、時計回りに各正方形のひねりの値を計算していくとこのようになります:
2026060726


最後の正方形(=最初の正方形)のひねりの数値まで計算すると 2.0 になります。この値がゼロにはならなかったので※の内容から、8連捻環鶴は捩れが生じてしまい、きれいなリングとして折ることはできない、という結論になります(実際、捩れが生じてしまい、折ることはできません):
20260521_165232120



【連捻環鶴がリング状に折ることができる条件(の仮説)】

改めて、上記※の仮説を、連捻環鶴として折ることができるかどうかの判断基準だけに絞って文章化するとこのようになります:

・連環鶴として折ることができる、最初の展開図を見る
・1羽ずつの各鶴を構成する正方形の連結部分に注目する。特に連結部分の位置関係が線対称になっている正方形(直線を構成する正方形ではなく、角の位置にある正方形)に着目する
・左上の角の位置にある正方形から、時計回りにひねりの大きさを正方形毎に数値化していく
 ・最初はゼロ(0.0)
 ・次の正方形からは 0.5 ずつ加算/減算する
 ・連結部分の位置関係が線対称になっている正方形を通過するごとに加算と減算が入れ替わる
・最後の鶴(=左上の最初の鶴)に戻ってきた時にひねりの数値がゼロになっていれば捩れのない綺麗なリング状で完成する。ゼロでない場合はリングに捩れが生じる(連捻環鶴としては折れなくなる)。


↑もう少し数学的に洗練された内容にしたいと思っていますが、これを数学的にどう表現するかにも苦戦していて、うまくできません。。

ちなみに4連捻環鶴の場合はこのようになります。4つの正方形は全て連結部分が線対称となり、左上の鶴のひねりの数値を計算するとゼロとなり、捩れのないリング状の4連捻環鶴は作れるという計算結果になります(実際に作れます):
2026060728

20260514_210714679


残念ながら数学的な証明ができたわけではない仮説としての段階ではありますが、これまでに私が挑戦した連捻環鶴を折った結果とは例外なく一致しており、あながち間違っていないのでないかと考えています。


(2026-06-13 追記ここから)
上述の赤字仮説部分をもう少し単純にしてみました。上述の考え方をシンプルにすると、
・連結の方向(ある正方形からから見て次の正方形の位置)が横の場合、捩れの数字は 0.5 加算される
・連結の方向が縦の場合、捩れの数字は 0.5 減算される
・元の正方形に戻った時に、捩れの数字がゼロになっていれば連捻環鶴として折ることができる。ゼロ以外の場合は捩れが生じる

つまり、
・横方向への連結回数と、縦方向への連結回数が同じであれば連捻環鶴として折ることができる、異なっていると捩れが生じる
(2026-06-13 追記ここまで)


(2026-06-14 追記ここから)
また、この仮説が正しいとすると、連捻環鶴が折れる鶴の羽数は「4の倍数で、8の倍数では無い時」になります。例えば4、12、20、28、36、44、60、・・・であれば連捻環鶴が折れる、はず。

ただし、この中で36、100、・・・といった平方数(同じ整数を掛け合わせた数、6x6=36、10×10=100など)は少し特殊で、折り方が2通りあります。例えば12連捻環鶴は4×4=16の内側の4つの正方形を切り抜いて残った12個で折っていましたが、平方数であり、4の倍数であり、かつ8の倍数でない場合は一部を切り抜く必要はなく、(この仮説が正しければ)無駄な正方形を使わずに折ることができる、と考えています。

また羽数が8の倍数だった場合、表と裏を交互に使って連捻環鶴が折れるわけではありませんが、特殊なパターンで表と裏を使った2色の連捻環鶴を折ることはできると思っています。以下は8羽での例です:
20260614_222120920

(2026-06-14 追記ここまで)

次は数学的な証明にも挑戦してみたい・・・と思う一方で、実際に大きな数の連環鶴や連捻環鶴を作ることにも挑戦したいと思っています。


自分が大学時代からこれまで興味を持って取り組んできた連環鶴・連捻環鶴に関する考察を、3回に渡ってブログで紹介させていただきました。一応今回が最終回の予定ですが、もし何らかの進展(「数学的に証明できた」とか「こんな大きな連(捻)環鶴が作れた」といった進展)があれば第4回目以降があるかもしれません。

前回の続きです。私の趣味というかライフワークというか・・・の折鶴の話をブログにまとめています。前回は「連鶴(れんづる)」「連環鶴(れんかんづる)」と(私が勝手に)呼んでいる、1枚の紙だけで作る立体折鶴の内容やその折り方や用語について説明しました:

(2連鶴)
20260429_001

(16連環鶴)
20260511_01


今回はその続きで、まず「連捻鶴(れんねんづる)」/「連捻環鶴(れんねんかんづる)」と呼んでいる折り方について、その定義の意味も含めて説明します。 そしてその後、特に連捻環鶴に関して私自身が 2026 年 6 月の現在も取組中の(もしかしたら数学的な)未解決問題について説明します。

今回の説明の中でも「連鶴」「連環鶴」「折鶴の基本形」といった前回説明した用語が頻繁に出てきます。これらの意味については前回のブログを参照ください。


【連捻鶴】
まずは「連捻鶴」を説明します。「捻る(ひねる)」という文字が追加された連鶴、この名前からどんなものか想像できますか?

前回、2連鶴の折り方をこのような図を使って説明しました:
2026050712



連鶴を折るための基礎知識として、各折鶴の羽根部分が繋がっている状態の紙を最初に用意する、ということを説明しました。この点は連捻鶴でも同様です。 ただ連鶴の時はこの状態から(暗黙の了解のように)折り紙の色の付いた面が表側になるように折り進めていきました(その結果、色の付いた折鶴が繋がったものが最終形になりました):
20260429_001


連捻鶴はこの部分が異なります。(羽根部分で繋がっている)隣り合った正方形の一方は色の付いた面を表側に、もう一方は色の付いていない面を表側にして折り進めます。文字通り、紙を「捻って」作ります:

(この時点では「2連鶴」と同じだが、左側は色の付いた面を表に、右側は色の付いていない面を表にして折り進める)
20260514_210621366


そして「折鶴の基本形1」になった時に接続部分は内側に折りたたまれていないことが連鶴を作る条件でした:

(折鶴の基本形1まで折り進めた状態)
2026051501

(連結部分が内側に折りたたまれた部分になっておらず、どちらも外側に出ているようにする)
20260514_211525811


連捻鶴で注意が必要なのはここまでです。ここまでできていれば後は普通に折り進めていくだけです:
20260514_212022401

(「折鶴の基本形2」まで折り進めた状態)
20260514_212206381


最終的には一方は色の付いた折鶴、もう一方は色の付いていない(白の)折鶴が作られ、羽根部分で繋がっている状態の2連捻鶴になります:
20260514_212658082


4連捻鶴も考え方は2連捻鶴と全く同じです。最初に4羽分の正方形が、羽根部分だけで繋がっている状態の折り紙からスタートします:
2026050713

この状態から色の付いた面を表にする正方形と、色の付いていない面を表にする正方形を交互に折り進めていきます:
20260514_210634544


「折鶴の基本形1」まで折り進めた状態です。これも4つの正方形全てで連結部分が内側に織り込まれていない状態になるよう注意して作ります:
20260514_212929900

(全ての連結部分は外側に出ている状態)
20260514_212915194


ここまでできていれば後はひたすら折り進めるだけです。「折鶴の基本形2」まで作るとこんな感じになります:
20260514_214704405


最終的にはこのような「4連捻鶴」が完成します:
20260514_215829817


稀に両面に色がついた折り紙が売っています。そのような折り紙で連捻鶴を折ると、完成形に両面の色が現れるので綺麗です。下の写真は赤と緑の、クリスマスカラーの折り紙で作った4連捻鶴です:
20260514_210706832


少し注意が必要なのは、このような両面折り紙は、両面に色が塗られているぶん「紙に厚みがある」ことと、「大きな両面折り紙は(私が知る限り)存在していない」ことです。この厚みがある小さな紙で折り進める必要があることから、必然的に大きな数の連捻鶴を正確に折ることが難しくなり、難易度が増す、という点です。とはいえ、上で紹介したクリスマスカラーは綺麗だし、「紅白」で2連捻鶴を作ると、なんともおめでたい雰囲気になります。ぜひ挑戦してみていただきたい作品です。



【連捻環鶴】
上の連捻鶴の説明を読むと、なんとなく「連捻環鶴」がどういうものになるか、想像できるのではないかと思います。「連環鶴」に「捻り」の要素を加えて、1枚で2色の鶴をリング状に繋げて折るというものです。


例えば「4連捻環鶴」を作る場合、最初に用意する紙と切り込みは「4連環鶴」のものと同じです。ここからスタートしますが、色の付いた面を表にする鶴と、色の付いていない面を表にする鶴を交互に作ってゆきます:
2026050903


途中は省略しますが、ここでも「折鶴の基本形1」になった時に連結部分が内側に織り込まれず、外側に出ているように折り進めていく必要がある点に注意してください。

完成するとこんな感じです。緑と白の計4羽の鶴がリング状に繋がった状態になります:
20260514_210714679


同様にして「12連捻環鶴」はこんな感じになります。最初に12連環鶴を作った時と同じ形状/切り込みの折り紙を用意します:
2026050906


この紙を「折鶴の基本形1」になった時に連結部分が内側に織り込まれず、外側に出ているように折り進めていくと最後はこのような「12連捻環鶴」が完成します:
2026051701


連捻環鶴は2色からなる立体折り紙で鶴のリングを作ることになり、見栄えも鮮やかな作品だと思っています。作り方そのものは連環鶴と大きくは変わらないため、ぜひ多くの人に挑戦していただきたい作品です。


【未解決問題について】
連鶴、連環鶴、連捻環鶴と説明してきました。この中で特に連捻環鶴に関しては私自身もまだ完全には解決できていない、1つの問題(命題)があります。それは「捩れ(ねじれ)」に関するものです。

先程紹介したように、同じ形の連環鶴と連捻環鶴、例えば4連環鶴と4連捻環鶴は折り始める時点での1枚の紙の形、切り込みの位置や大きさなどは全く同じです。そこから同じ面を表面にして折っていくか、交互に表面を切り替えながら折っていくかに違いがあります。ただ完成した形は同じようなリング状に見えるものでした:

(4連環鶴と4連捻環鶴)
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(12連環鶴と12連捻関鶴)
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上記2種類の場合は「スタートの形は同じで、折り進め方は異なるが、どちらも完成形はリング状になる」と言えます。ただ「全ての連環鶴でこのようなことが成立するか」というと、成立しないパターンがあることが分かっています。

例えば前回紹介した8連環鶴、スタートは以下のような状態でした:
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そして8連環鶴の完成形はこのようになります:
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同じスタート状態から8連捻環鶴を作る場合はどうなるでしょうか? 単純に「交互に表面を入れ替えながら折り進めるだけじゃないのか?」と考える人も多いと思うのですが、実は「8連捻環鶴は作れない」のです。実際に折り進めていくと、途中でこのような状態になります:

(「折り鶴の基本形1」まで折った状態)
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(「折り鶴の基本形2」まで折った状態)
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↑この辺りから「捩れ」が生じている状況が見た目にもわかりやすいと思います


写真で分かるでしょうか? よく見るとリングが途中で「捩れて」しまっているのです。この「捩れ」が生じてしまうと折り進めることが困難になるだけでなく、紙の特に切り込みを入れた連結部分に大きな負担がかかりやすくなってしまい、最後まで完成させる手前の途中で千切れやすくなってしまいます。連捻環鶴を作るためには表と裏を使うため折り紙を「捻る(ひねる)」けれど、折れなくなってしまうほど「捩れ(ねじれ)」てしまうのは困る、ということです:
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(ここから更に折り進めようとがんばってみるが・・・)

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(この辺りで紙が千切れる寸前の状態にまで捩れてしまいました)


同様に16連環鶴はこのように綺麗なリング状の作品でしたが、
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同じスタート形状の折り紙から16連捻関鶴を折り進めると・・・ このようになります。こちらは奇跡的に千切れることなく折り切ることができた作品ですが、綺麗な1つのリングではなく、3次元空間内で複雑に捩れたリング状になっていることがわかります(ある意味で「完成したから、捩れがハッキリわかる作品」です。その意味でも貴重な作品):
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ちなみに↓これは途中で捩れてにっちもさっちもいかない状態になった16連捻環鶴で、
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これ↓は完全に欲を出して捩れに捩れ、少し千切れてしまい、先に進めなくなった36連捻環鶴に挑戦した時のものです:
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ここまでに分かったことは以下です:
  • 4連捻環鶴は捩れずに作れる
  • 8連捻環鶴は捩れてしまい、作れない
  • 12連捻環鶴は捩れずに作れる
  • 16連捻環鶴は捩れてしまい、作れない(上の写真は捩れたが最後まで千切れずに折れた奇跡的な例)
  • (二色で作る)連捻環鶴ではなく、(一色で作る)連環鶴の場合は上のパターンは全て捩れずに作れる
  • 36連捻環鶴は捩れてしまい、作れない(連環鶴は試していないが、おそらく作れる)
特に連捻環鶴については「捩れずに作れる」パターンと「捩れて作れない」パターンがあります。

今から作ろうとしている連捻環鶴が過去に作ったことのない数の連捻環鶴だった場合に、作れるパターンなのか作れないパターンなのかを事前に知ることができればいいのですが、今のところ折り進めずに確実に知る方法がありません。これが私の未解決問題で、現在もその解明に挑んでいます。

なんとなく位相幾何学的な、数学の問題のように思えて、ある意味で私の得意分野(一応、数学で修士課程出てます)のはずなんですが、、、 これがわからないのでした。

なお連捻環鶴ではなく連環鶴の場合は経験上、切れ目を入れて最初の形を作るところ(羽部分同士で正方形が繋がって、最初の1枚と最後の1枚も羽部分でつながる形を作るところ)まで作れたものは全て(捩れずに)連環鶴を作ることができる、と思っています。ただしこちらも数学的に証明できているわけではないです(あくまで「経験上、捩れてしまった(作れなかった)ことはない」という話です)。

つまり(実はこれを言いたくて前回と今回のブログを綴ったのですが)、連環鶴や連捻環鶴が作成可能かどうかについては、現時点では以下のように考えています:
・事前に切り込みを入れて、羽同士が環状に繋がる状態が作れていれば連環鶴は作れるが、
・同じ紙で連捻環鶴が作れるかどうかは、もっと折り進めないと輪に捩れが生じるかどうかはわからない

この問題、どちらも「あくまで経験上そう考えている」だけの話です。もしどちらかだけでも証明できる人がいたら教えてほしいです。


【最後に】
特注品などを除いた場合の話ですが、おそらくこれが日本で一般的に入手できる最大の折り紙(一辺の長さは 75.0 cm)だと思っています:
トーヨー 教育おりがみ75.0  10枚(10色金銀入)

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このサイズの折り紙であれば、(今のところの理論上)256 連環鶴を作ることができるのではないかと思っています。折り紙そのものは入手済みで、どこかで時間を見つけて挑戦しようと思っています。気長にお待ちください。。



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