自分はエンジニアのキャリアの中でエクセルではない某表計算ソフトの開発に携わる機会がありました。そんなわけで、どちらかというとアンチ・エクセル派だったりします:
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また一部の人には公にしていますが、その後ノーツ/ドミノのエンジニアも担当させていただく機会もありました。ノーツは大好きです、.NSF 万歳!


だからというわけではないのですが、そんなバックグラウンドを持つ自分がエクセルデータファイル(*.xls や *.xlsx)をノーツデータベース(*.nsf)化するツールを作ってみました。これで幸せになれる人がいたら使ってほしいです(笑)。

ちなみに OpenNTF.org を探してみると、この逆(ノーツをエクセル化)を実現するようなものは(自分が動かしてみたわけではありませんが)見つかります。が「エクセルをノーツ化」という変態的のはさすがになさそうだったので、技術的挑戦も兼ねて作ってみました。正直かなり手間取りましたが、当初考えていた最低限の挙動はできるようになったので、一旦公開して、紹介します。実体はノーツの NTF および NSF ですが、ACL は誰でも開いてみれるようになっているはずなので、興味ある人は中身を確認したり、もう少し便利に作りなおしたりしてみてください。

まず仕様のおさらいの意味で、どんなインプットに対して、どんなアウトプットができるようになるのか、という点を紹介します。用意する必要があるのはエクセルシートファイルです:
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このエクセルファイルには複数のシートが存在していることを想定します。そして各シート毎になんらかのデータが格納されているものとします。この例ではシートは3つあり、1枚目(Sheet1)にはこんな感じで、7行5列のデータが入ってます(ちなみに E 列の値は同じ行の C 列の値を2倍したものになるような計算結果として定義されています):
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一方、2枚目のシート(Sheet2)には10行3列のこんなデータが入っているものとします。シートごとに列数や行数が全く異なるデータが入っていることを想定しています:
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3枚目のシート(Sheet3)には変換対象範囲を理解する上で役立つシートにしました。シート内のセルが虫食い状態のようにところどころに空白のセルがあるものです。ちなみにこの例では5行3列(A1 セルから C5 セルまでの矩形部分)を変換対象にするような仕様にしています(E2 セルにデータは存在していますが、D 列に全くデータがないので対象外と判定する仕様です):
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このデータをノーツ化するにあたり、以下の様なルールで変換(というかインポート)します:
  • 1つのエクセルシートの内容を1つのビューとして変換する
  • なので、3つのシートを持つエクセルファイルは3つのビューをもつノーツデータベースに変換される
  • ノーツを使いつつ、見栄えはなるべく表計算っぽくする

実際の作業は以下のようになります。まず今回用意したノーツデータベース "XLS2NSF" (リンクは後述)をノーツクライアントから開きます:
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いわゆる「ポリシー文書」が開き、使い方などが確認できます。内容は確認いただくとして、すぐに試すには「エクセルファイル指定」と書かれたボタンをクリックします:
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ファイルダイアログが開くので、エクセルファイル(*.xls / *.xlsx)を指定します。ここでは上記で紹介した MyBook1.xls という3つのシートを持つファイルを指定しています:
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後は全自動でノーツDB化が実行されます。事実上エクセルファイルを指定するだけ、です。

全ての変換処理が完了すると、指定したファイル名と同じタイトルのノーツDB(ファイルパスはノーツデータディレクトリ直下、ファイル名はタイトルの最後に ".nsf" を加えたもの)がワークスペース上に追加されているはずです。これをクリックすると変換結果が参照できます:
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この作成されたデータベースをノーツで開いた様子がこちらです。元ファイルには3つのシートが存在していましたが、それぞれのシートがノーツのビューとしてナビゲータから切り替えて見ることができます。こちらは Sheet1 のもの。7行5列の表が中身も含めて再現されています。なお元ファイルでは E 列の中身は同じ行の C 列の2倍になるような計算式でしたが、変換後は固定値になっています:
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2つ目の Sheet2 に切り替えるとこのようになります。元のシート通り、10行3列の表ができているはずです:
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3つ目の Sheet3 はこちら。セルの虫食い状態も再現されています。また上記で紹介したように元のシートの A1 セルから C5 セルの部分が変換されているはずです:
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この変換後のノーツデータベース(のビュー)は ViewEdit モードを実装しているので、特定のセルをクリックすると、そのセルの値を書き換えることができます。以下の例では Sheet2 の C6 列(もともと "4" と入力されていた箇所)を編集して "123" にしている所です:
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Enter を押すと変更が確定して、元のビューに戻ります:
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と、まあこんな需要があるのかないのか分からないものを作ってみました。折角なので GitHub で公開しています:
https://github.com/dotnsf/xls2nsf

(注 .nsf や .ntf のノーツデータベースを Git で管理すべきではありません。良い子はマネしちゃだめ)


実際に試してみたい! という奇特な方は、上記 GitHub から "Clone or Download" - "Download ZIP" を選択してダウンロードし、展開して使ってください:
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また、このブログの中で紹介に使っているエクセルのサンプルファイル(MyBook1.xls)も併せて公開します。ぜひ手持ちのファイルで試していただきたいのですが、良さ気なのがない場合は使ってください:
http://dotnsf.blog.jp/MyBook1.xls


以下、2016/Aug/21 時点での制約です:
  • LotusScript で実装しています。エクセル読み取りは OLE を使っています。そのためノーツクライアントとエクセルがインストールされた Windows 環境でないと動かないと思います。
  • 変換の対象となる部分の計算方法が特殊です。現時点では各シートの A1 セルには必ず値が入っている必要があります。
  • また列は行、列ともに空セルしかない最初の行や列を探して、その内側を対象とみなしています。下の霊であれば、D列と 6 行目には空セルしかないので、その内側の A1 セルから C5 セルまでが対象です(E2 セルにデータがありますが、現在の仕様ではデータ変換の対象にはしません)。
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ノーツ化することで式による計算機能を失ってしまうわけですが(汗)、代わりに強力な ACL によるアクセス管理ができるようになります。この辺りは改善できればしたいなあ、と思っていますが、ノーツのビュー内の各エントリーの中身を式の結果にするというのは現時点では困難と思ってます。あと1行追加とか、1列追加とか、できそうで実装してない機能もありますが、その辺りは興味ある人に追加実装していただきたいです(手抜きともいう)。

ま、自分で作っておいてなんですが、「そこそこ動く MAD なツール」だと思いますw こういうのは我ながら嫌いじゃない。