WordCamp Tokyo 2014 という、WordPress のイベントに参加して、そこで Sova WP という WordPress 専用のクラウドホスティングサービスがあることを知りました:


Sova は シンガポールに拠点を置くクラウドホスティングの企業で、WordPress 専用のホスティングサービスを行っています。月30万PVを目安とするスモールサーバー(月1980円/年19800円)と、月300万PVを目安とするミディアムサーバー(月9800円/年98000円)の2種類のサーバー構成から選べます。また「ブースト機能」といって、別料金で一時的サーバースペックを上げることもできるようです。1週間の無料試用も用意されています。

当初はこの2種類のサーバー構成だったのですが、最近になって月1万PVを目安としてフリーサーバー(無料)が追加されました。フリーサーバーはその場で利用申し込みが完了するわけではなく、「順番待ちの列に並ぶ」ようなイメージで申し込みを行い、自分の番まで処理が進んだ段階から使えるようになる、というサービスです。

WordPress 使いとして恥ずかしながら、この Sova WP というサービスを知りませんでした。会場で存在を知り、その場で申し込み、先日やっと使えるようになったので早速使ってみました。


フリーサーバーでは SFTP によるファイルの転送がサポートされています。また希望すれば phpMyAdmin も用意していただけます。SSH は使えません。基本的に1DBしか使えませんが、phpMyAdmin でテーブルをごっそり削除すればリセットしたことになり、新しく WordPress を立ち上げることはできます。また独自ドメイン利用での運用も考慮されており、そのための設定情報も用意されています。なおプラグインの利用に制限はありません。

申し込みが完了して、実際に利用できる段階になると専用の管理ページへのアクセスができるようになります。このページからサーバーの状況を確認したり、再起動したり、プランを変更したり、といった管理操作が可能になります:
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私自身は WordPress のプラグイン開発者ではないのですが、 WordPress と連動して使う PHP アプリを過去に作ったことがあります。そのアプリはこの環境でも使えるかな、と思い、ファイルを SFTP で転送して試してみた所、普通に使えました!変な制約がかかっていることもなく、かなり自由に使えます。

ちなみにその作業を通じて分かったのですが、WordPress のドキュメントルートは /var/www/html で、データベースサーバーは MariaDB でした。この辺りも含めて、ごくごく一般的な環境だと思います。なお SFTP を実行する場合、/var/www/html 以下のみにアクセスすることが可能です。

私は、この自分で作成した PHP アプリケーションのデモ目的で WordPress 環境を使う機会がそれなりにあります。これまではそのためだけに Amazon EC2 などに WordPress 用サーバーを用意したりしていたのですが、その環境についてはもうこちらに乗り換えられる、という印象を持っています。 


無料で使う場合は月1万PV(1日300PV程度)を想定したサーバーになるので、ヘビーな使い方はできないと思います。とはいえ、当初は無料で使い、ある程度のアクセスが見込める段階からスタンダードへ移行することも簡単にできる(と会場で聞いた(苦笑))し、一時的なスケールアップもブースト機能によって確保できる、とのことです。WordPress に特化している、というシンプルな構成だからこそ、こういった特殊なサポートも可能になるんでしょうかね。いずれにせよ、便利なサービスを発見してしまいました。