まだプログラマーですが何か?

プログラマーネタとアスリートネタ中心。たまに作成したウェブサービス関連の話も http://twitter.com/dotnsf

タグ:git

GitHub で作成してしばらく使っていたリポジトリが、当初の想定以上に盛り上がったりすると、最初に適当に付けたリポジトリ名からちゃんとした正式名称のリポジトリに変更したくなる(というか、した)、という経験をしました。その時の作業手順メモです。

まず最初の注意点として、GitHub リポジトリのリネームは GitHub サーバー側と、そのクローンを保持するローカル側の両方で行う必要があります。クローンを保持するローカルが複数ある場合は、その全てのローカル側で対応が必要になります。

今回は
 https://github.com/dotnsf/old_app.git

 https://github.com/dotnsf/new_app.git
にリネームする想定で以下を説明します。

【GitHub サーバー側】
サーバー側の変更は GitHub のリポジトリ画面内から行います。まずブラウザでリポジトリページを開き、"Settings" メニューを選択します:
2018061401


"Settings" メニューのすぐ下に "Repository name" フィールドがあり、ここに変更前のリポジトリ名(今回であれば "old_app")が入力されています:
2018061402


ここを新しいリポジトリ名称(今回であれば "new_app")に変更し、"Rename" ボタンをクリックして確定させます:
2018061403


サーバー側の変更はこれだけです。この時点で名称変更前の URL にアクセスしても自動的に新しい URL にフォワードされて、新しい名前のリポジトリが表示されます:
2018061404



【ローカル側】
クローンしたローカルリポジトリ内の .git/config ファイルを編集します:
  :
  :

[remote "origin"]
        url = https://github.com/dotnsf/new_app
        fetch = +refs/heads/*:refs/remotes/origin/*

  :
  :

[remote "origin"] 項目内の url の値を新しいリポジトリの URL に変更して保存します。ローカル側の変更もこれだけですが、複数のマシンにローカルリポジトリが存在する場合は全てのローカルリポジトリを変更します。



ここまでの作業でサーバー側&リモート側ともリポジトリのリネーム作業が完了しました。当然ですが、中身は変わってない(リネーム前のまま)ので、改めてリネーム後に変更が必要なファイル(README.md とか)を更新してください:
2018061405


 

IBM Cloud(Bluemix) のアカウントを所有していると、マネージドサービスとして利用できる GitLab が使えるようになります。サーバーのインストールなどは不要で、プライベートリポジトリを作成することも可能です:
2018011701


使い勝手は GitLab そのものだと思ってください。Issues 管理の機能も使えますし、IBM Cloud の Continous Delivery サービスと連携した Delivery Pipeline による DevOps サービスの一部としても利用できるようになっています。アカウントをお持ちの方は、単にプライベートリポジトリが使える Git として考えるだけでも便利だと思うので、是非活用してください。


ところで、この IBM Cloud の Git を使って Java のアプリケーションコードを管理しようと、作成したリポジトリから Eclipse の Git 機能を使って clone を試みた際に、稀に以下のようなエラーメッセージに遭遇し、クローンに失敗することがあります:
  :
  :
!MESSAGE https://git.ng.bluemix.net/dotnsf/javatest.git: cannot open git-upload-pack
!STACK 0
org.eclipse.jgit.api.errors.TransportException: https://git.ng.bluemix.net/dotnsf/javatest.git: cannot open git-upload-pack
  at org.eclipse.jgit.api.LsRemoteCommand.call(LsRemoteCommand.java:196)
  at org.eclipse.egit.core.op.ListRemoteOperation.run(ListRemoteOperation.java:99)
  at org.eclipse.egit.ui.internal.clone.SourceBranchPage$8.run(SourceBranchPage.java:324)
  at org.eclipse.jface.operation.ModalContext$ModalContextThread.run(ModalContext.java:121)
Caused by: org.eclipse.jgit.errors.TransportException: https://git.ng.bluemix.net/dotnsf/javatest.git: cannot open git-upload-pack
  at org.eclipse.jgit.transport.TransportHttp.connect(TransportHttp.java:499)
  at org.eclipse.jgit.transport.TransportHttp.openFetch(TransportHttp.java:308)
  at org.eclipse.jgit.api.LsRemoteCommand.call(LsRemoteCommand.java:175)
  :
  :

「git-upload-pack がオープンできない」という耳慣れないエラーメッセージで、実はこのメッセージそのものからは原因の追求が難しいものでした。同じようなエラーに遭遇する人が現れた場合に備えて、自分の経験と回避策を紹介します。

エラーメッセージそのものからはわかりにくにのですが、実は直接の原因は暗号化方式の不一致による通信エラーでした。

まず上記で紹介した IBM Cloud の Git 機能を https 接続で使う場合の暗号化方式には TLS v1.2 を使う必要があります:
https://console.bluemix.net/docs/services/ContinuousDelivery/git_working.html#git_local


さて、Eclipse が使う Java のバージョンが 1.8 以上であれば、デフォルト設定のままで TLS v1.2 が使われます。したがってこの場合は何もしなくてもそのまま IBM Cloud の Git を利用することができます。

一方、Eclipse の Java バージョンが 1.7 以下だった場合、デフォルト設定で採用される通信方式は TLS v1.1 以下です。つまり条件を満たしていないことになります。そしてこの条件で Git に接続しようとすると上記のようなエラーメッセージが表示されてしまうのでした。


では、このエラーメッセージが出た場合の解決策はどうすればいいのでしょうか? 1つの方法としてJava のバージョンを 1.8 以上にするという簡単な方法があります。Java 1.8 以上であれば上記のように(デフォルトで) TLS v1.2 が使われるので、この条件を満たすことができるようになります。

ただ何らかの事情で Java 1.8 を導入するわけにはいかない場合もあると思っています。そのような場合は以下の1行を eclipse.ini に追加した上で Eclipse を起動する、という方法もあります:
  :
  :
-Dhttps.protocols=TLSv1.2

この記述により、Java が 1.7 以下であっても強制的に https 接続時の暗号化方式を TLS v1.2 に指定することができ、やはり上記のエラーを回避することができるようになります。


IBM Cloud 以外の Git でも、同様のエラーメッセージが出た場合にはこの対策が有効だと思っています。頭の片隅に入れながら、無料で便利な IBM Cloud の Git を是非使ってみてください。


IBM Bluemix の利用者に提供されているサービスの1つに IBM DevOps Services(以下、IDS)があります。名前の通り、DevOps のための統合環境サービスなのですが、事実上「ウェブから使えるエディタ」として認識している人もいらっしゃるかもしれません:
2016091306


もちろん統合環境であるからには、こうした「ウェブだけでソースコードが編集できる」機能があることも重要ですが、それだけではありません。ソースコードのバージョン管理として事実上の標準となった Git のリポジトリ機能も使えますし、ビルド&デプロイの管理機能も付属しています。これらはバラバラに(=自分の使い慣れたツールと組み合わせて)使うこともできますし、この環境だけで全て利用することもできます。今回はその前者の例として、IDS を Git のリポジトリとして(のみ)使う例を紹介します。要はソースコードの編集は普段使い慣れたローカルマシンのエディタを使いつつ、ソースコードのバージョン管理に IDS を使おう、という考え方です。必ずしも Bluemix アプリケーションではない、普通のウェブアプリケーションやツールのソースコード管理としても IDS が使える、という使い方をイメージしています。

まずは IDS にウェブブラウザでアクセスして IBM Bluemix の ID とパスワードでログインします:
http://hub.jazz.net/


初めて IDS を使う場合はここでユーザー名の別名を聞かれたりするので適当に決めて答えておきましょう。ただ、ここで決めた名前がこの後作成する Git リポジトリの URL の一部になるのでそのつもりで。

ログイン直後の画面です。既にプロジェクトを利用していたりすると、それらが表示されている画面になるので、見た目は人によって多少変わるかもしれません。以下の画面はまだ何も使っていない、まっさらな状態でのプロジェクト一覧画面です:
2016091301


では早速 Git リポジトリとしてのプロジェクトを1つ追加しましょう。"Start coding" と書かれた大きなアイコン部分をクリックします:
2016091301


ここでプロジェクトの名称(以下の例では "my1stApp")を指定します。今回はこの IDS 内に新しいプロジェクトを作成するので、"Create a new repository" を選択します:
2016091302


続いてリポジトリの作成先を指定するので、"Create a Git repo on Bluemix" を選択します:
2016091303


するとアイコンのすぐ下に今から作成する Git のリポジトリ URL が確認できます。後で再確認することもできますが、一度ここでメモしておきましょう。 また作成するリポジトリにサンプルの README を含めるかどうかを選択するチェックボックスが表示されています。ここでは最初に README を含めておくことにします(任意です)ので、チェックボックスを ON にしておきます:
2016091304


続けてオプションが3つ表示されています。上から順に (1)プライベート(非公開)リポジトリにするか、(2) Scrum 管理機能を追加するか、(3) Bluemix アプリケーションプロジェクト機能を追加するか、です。この例では全て OFF にしていますが、いずれも必要に応じて ON/OFF してください。最後に "CREATE" ボタンを押すと、この設定で Git リポジトリが作成されます:
2016091305


Git リポジトリが作成されると、このような画面に切り替わります。指定した名前のプロジェクトが生成され、その中に License.txt と(オプションで指定した)README.md が含まれている状態で生成されています:
2016091306


画面内で Git のブランチ(この図では master)を表示する部分の右側にダウンロードアイコンが表示されています。現在のブランチの状態でソースコードをまとめてダウンロードする場合はこのアイコンをクリックします(今は行わなくて構いません):
2016091307


また、更にその右側に "Git URL" と書かれた箇所があり、そこをクリックすると改めて Git リポジトリの URL を確認することができます。忘れてしまった場合はこの方法で Git URL を確認してください(このすぐ後に使います):
2016091308


では試しにこの Git プロジェクトの中身を別マシンに clone してみましょう。Git が導入されている環境下で以下のように自分の Git URL(以下の例では https://hub.jazz.net/git/teyande/my1stApp)を指定して git clone してみます:
# git clone https://hub.jazz.net/git/teyande/my1stApp

成功するとこのように License.txt と README.md を含む my1stApp というディレクトリが作成され、現在のリポジトリがクローンできたことがわかります:
2016091301


次にこのプロジェクトディレクトリに移動して、ローカルマシンで変更を加えてみます。本当はここでは vim とか Sublime などの普段使い慣れたエディタ等を使ってファイルを編集することを想定していますが、以下の例では echo コマンドを使ってシンプルな phpinfo.php というファイルを1つ追加しています。何か新しいテキストファイルを1つ(以上)同じディレクトリ内に作成してみてください:
# cd my1stApp
# echo '<?php phpinfo(); ?>' > phpinfo.php

この時点でディレクトリにはもともと存在していた2つのファイルに加え、いくつかのファイルが追加されている状態になっています:
2016091302


ではこの変更を Gir リポジトリに反映させましょう。git add して、git commit します:
# git add .
# git commit -m 'phpinfo.php added.'

こんな感じでローカルリポジトリへのコミットが成功するはずです:
2016091303


では最後に、このローカルリポジトリへの変更をリモートリポジトリへも反映させるべく、git push します。途中でユーザー名やパスワードを聞かれるので、IBM Bluemix のIDおよびパスワードをそれぞれ指定して入力します:
# git push
  :
  :

Username for 'https://hub.jazz.net': bluemix@teyan.de
Password for 'https://bluemix@teyan.de@hub.jazz.net':
  :
  :

↓こんな感じになれば成功です:
2016091304


git push が成功すると、IDS 内のファイルにもその変更が反映されているはずです。この例では元のプロジェクトには存在していなかった phpinfo.php ファイルが git push によって送り込まれ、プロジェクトファイルの一部として追加されていることがわかります:
2016091305


とりあえず Git リポジトリとしての機能が使えることがわかりました。ただこれだけなら GitHub と変わりません。GitHub にない機能の1つとしては「(無料で)プライベートリポジトリが持てる」ことが挙げられます。例えば今回は作成時に Private チェックボックスをオフにしていたので、この時点ではリポジトリは公開されており、同じ URL を誰からでも(IBM Bluemix のアカウントを持っていない人からでも)参照することができる状態になっています:
2016091401


公開状態で作成されたリポジトリをプライベートな非公開状態に変更するには、リポジトリ画面右上の歯車アイコンをクリックし、左メニューから "OPTIONS" を選ぶと、"Private" のチェックボックスが現れます。ここにチェックが入っていれば非公開、入っていなければ公開状態となります:
2016091402


非公開状態に切り替えてみましょう。"Private" チェックボックスを ON にして、"SAVE" ボタンをクリックします:
2016091403


この状態で、同じリポジトリ URL にアクセスすると IBM Bluemix アカウントでログインしていない場合はログインが求められるようになります。また自分(リポジトリのオーナー)以外の ID でログインすると、以下の様な「非公開です」という画面だけが表示されて、中身を確認することはできなくなります:
2016091404


Git のリポジトリを非公開状態で管理しようとすると、GitHub では有償アカウントが必要になります。GitHub 以外にオープンソース製品などで独自にプライベートリポジトリを作れないことはないのですが、IBM Bluemix の IDS を使えば、実質的に無料でプライベートリポジトリまで含めて利用することができる、ということになりますね。 IDS は単なる Git のリポジトリ以上の機能がありますが、この無料のプライベートリポジトリ機能だけでも魅力的だと思っています。


Java で Git のリポジトリを操作するライブラリに JGit があります:
http://www.eclipse.org/jgit/
2016082801


現在は Eclipse 参加のサブプロジェクトとして提供されています。すごく便利な反面、ちょっとクセがあります。以下、基本的な使い方を説明しますが、まずは前提をいくつか:

【前提】
(1) 対象とする Git のリモートリポジトリ URI は http://xxxgit.com/name/project.git とします。
(2) 上記リポジトリにアクセス(特にプッシュ)する際の認証は ID: username, Password: password であるとします。
(3) ローカルリポジトリ(上記リポジトリをローカルにクローンする先)のディレクトリは ./project (つまりカレントディレクトリ上に project というサブディレクトリを作る)とします。


【準備】
JGit のダウンロードページから最新版の JGit をダウンロードし、展開して JAR を取り出し、自分のプロジェクト内に(Classpath を通すなどして)用意します。

ここまで用意できれば JGit を使うことができます。以下、一通りの git 操作(clone, pull, add, commit, push)を行う様子を順に紹介します。


【git clone】
目的のリモートリポジトリ(今回の例では http://xxxgit.com/name/project.git)からコードをクローンします:
try{
  Repository localRepo = new FileRepository( "./project/.git" );
  Git git = new Git( localRepo );

  if( git != null ){
    //. git clone
    git.cloneRepository().setURI( "http://xxxgit.com/name/project.git" ).setDirectory( new File( "./project" ) ).call();
  }
}catch( Exception e ){
  e.printStackTrace();
}

以下全ての例に言えることですが、ローカルリポジトリのインスタンス変数を作る際に指定するのは、ローカルリポジトリのフォルダに "/.git" をつけたものです。

一方、クローン実行時に指定するローカルフォルダはローカルリポジトリのフォルダそのものです。この辺りがクセのある所で、知らないと混乱します。


【git pull】
クローンしたローカルリポジトリに対し、リモートリポジトリに加えられている最新の変更を反映させます:
try{
  Repository localRepo = new FileRepository( "./project/.git" );
  Git git = new Git( localRepo );

  if( git != null ){
    //. git pull
    PullCommand pc = git.pull();
    pc.call();
  }
}catch( Exception e ){
  e.printStackTrace();
}

JGit では各コマンドを実行する際には ****Command クラスの(上記例では PullCommand クラス)インスタンスを作って、必要であれば設定を加えて、call() する、という処理を実行します。

そして次の add コマンドを実行する前に、このローカルリポジトリ内のファイルに何らかの変更が加わっていることを想定してください。


【git add】
ローカルリポジトリ内のファイルシステムに対して行った変更作業をリポジトリに加えます:
try{
  Repository localRepo = new FileRepository( "./project/.git" );
  Git git = new Git( localRepo );

  if( git != null ){
    //. git add
    AddCommand ac = git.add();
    ac.addFilepattern( "." );  //. 全ての変更を git add する
    try{
      ac.call();
    }catch( NoFilepatternException e ){
      e.printStackTrace();
    }
  }
}catch( Exception e ){
  e.printStackTrace();
}

AddCommand インスタンスにファイルパターンを指定して call() する、という手順です。


【git commit】
ローカルリポジトリの変更内容をコミットします:
try{
  Repository localRepo = new FileRepository( "./project/.git" );
  Git git = new Git( localRepo );

  if( git != null ){
    //. git commit
    CommitCommand cc = git.commit();
//. コミッターの名前とメールアドレス、コミットメッセージを指定 cc.setCommitter( "commiter_name", "committer_email" ).setMessage( "Some message." ); try{ cc.call(); }catch( NoHeadException e ){ e.printStackTrace(); }catch( NoMessageException e ){ e.printStackTrace(); }catch( ConcurrentRefUpdateException e ){ e.printStackTrace(); }catch( WrongRepositoryStateException e ){ e.printStackTrace(); } } }catch( Exception e ){ e.printStackTrace(); }

コミッターの名前とメールアドレス、そしてコミットメッセージを追加した上で call() します。


【git push】

ローカルリポジトリの変更内容をリモートリポジトリに対してプッシュします:
try{
  Repository localRepo = new FileRepository( "./project/.git" );
  Git git = new Git( localRepo );

  if( git != null ){
//. git push CredentialsProvider cp = new UsernamePasswordCredentialsProvider( username, password ); PushCommand pc = git.push(); pc.setCredentialsProvider( cp ).setForce( true ).setPushAll(); } }catch( Exception e ){ e.printStackTrace(); }

認証用の usernamepassword を指定してプッシュする、という流れです。


以上、JGit を使った基本的な git コマンドの実行方法を紹介しました。クセがある、と紹介しましたが、ある程度慣れてしまえばそんなに苦ではないと思います。何よりもプログラムから git が使えると複製機能をこれで実装できたりするのですごく便利です。

個人/仲間で作ったアプリのソースコードを管理したり、サンプルアプリ的なものを作ってそのコードを公開したりしようとすると、GitHub は非常に便利です。私も色々な形で使っています。

ただ、GitHub でソースコードを管理すると基本は誰からもソースコードが見れるように公開する形になります。GitHub でプライベート管理をすることは可能ですが、その場合は有償アカウントに切り替える必要があります。業務で使うケースでは(少なくとも開発中は)ソースコードを公開したくない、というケースも珍しくないと思うので、ソースコードをどうやってプライベート管理するか、という問題が生じます。自分も最近ありました。

自分の場合は自分で SubversionGitLab 環境を構築して使っています(両方使っています)。この中の GitLab は GitHub 互換のリポジトリ管理や問題トラッキングの環境を(Community Edition であれば)無料のオープンソースで構築することができるようになります。GitHub 互換なので、git コマンドを使ってソースコードをコミットしてプッシュして・・・という GitHub と同じ管理ができます。git コマンドに慣れた人には非常に便利です。 というわけで、この GitLab 環境を CentOS 上に構築する手順をまとめてみました。

【あらかじめ用意しておくもの】

SSH 鍵のペア。作成方法はこちらを参照:



【導入&設定手順】

GitLab の導入自体は用意されたインストールパッケージを実行するだけなので非常に簡単です。まずは Community Edition のダウンロードページへ行き、自分の環境にあった最新版 GitLab Community Edition のパッケージを選んで導入することになります:
https://packages.gitlab.com/gitlab/gitlab-ce
2015122401
 ↑ラズベリーパイ向けのもパッケージもあるのか・・・


ちなみに、2015/Dec/24 時点では 8.3.0 が最新バージョンでした。このバージョンではオートマージ機能が追加されているようです:
https://about.gitlab.com/2015/12/22/gitlab-8-3-released/


例えば自分の場合であれば 64bit 版の CentOS 6 を使っているので、"el6" と書かれた最新版の rpm パッケージの箇所をクリックすると、以下の様な導入のインストラクションが表示されます。ここに書かれている通りに CentOS 環境からコマンドを実行してインストールします:
2015122402


モジュールインストール後に、環境設定が必要です。具体的には GitLab に自分自身の URL を認識させる必要があります。root 権限で /etc/gitlab/gitlab.rb ファイルを編集し、external_url に自分自身の IP アドレス(以下 'XXX.XXX.XXX.XXX')を設定して保存します:
# vi /etc/gitlab/gitlab.rb
: : external_url 'http://XXX.XXX.XXX.XXX' # 'http://gitlab.example.com' から自分の IP アドレスに書き換え : :

これだけで動かすこともできます。が、この状態で使うと色々不都合が生じることもあります。以下はそのためのオプショナルな設定を加える場合についていくつか紹介します。

まずはこのまま使うとユーザー追加時にメール認証(新規に追加したユーザーにメールが送られて、そのメール内のリンクをクリックしたら本登録)が必要になります。そのためにはメールサーバーとその設定/管理を・・・ ということになりますが、プライベートリポジトリ目的だけで使うのであれば、メール認証(というかメールサーバー管理)が面倒なので、その手順をスキップさせることもできます(その場合は /opt/gitlab/embedded/service/gitlab-rails/app/models/user.rb ファイルをカスタマイズして、ユーザーの登録と同時にメール認証が済んでいるかのように振る舞わせることになります)。テキストエディタで同ファイルを開いて、"class User" で始まる行以降に default_value_for で始まる行が数行続いているはずですが、その最後に以下の一行を追加してください:
# vi /opt/gitlab/embedded/service/gitlab-rails/app/models/user.rb
: : class User < ActiveRecord::Base : : default_value_for :admin, false : : default_value_for :confirmed_at, Time.now # この一行を追加 : : : :

また、CentOS の環境によっては GitLab が使う git ユーザー(セットアップ時に作成されているはずです)に ssh アクセスが許可されていないこともあります。その解除のためには以下の2ファイルを編集する必要があります。

1つ目は /etc/shadow を編集して、パスワードを設定していないユーザーの SSH アクセスを許可してあげてください:
# vi /etc/shadow
: : git:!!:16793::::::  (こっちから)   ↓ git:*:16793::::::   (こっちに変更) : :

もう1つは /etc/ssh/sshd_config を編集して、SSH を許可するユーザーに git を追加した上で sshd をリロードします:
# vi /etc/ssh/sshd_config
: : AllowUsers xxxx yyyy git  (AllowUsers に git を追加) : :

# service sshd reload

以上の内容は環境依存の箇所もありますが、必要に応じて設定してください。

この状態で GitLab を reconfigure します。reconfigure にはしばらく時間かかりますが、"Runnning handers complete" と表示されれば無事成功、これで設定調整は完了です:
# gitlab-ctl reconfigure
  :
  :
  :
  :
Running handlers:
Running handlers complete
Chef Client finished, 211/281 resources updated in 01 minutes 30 seconds
gitlab Reconfigured!

ここからは作成した GitLab 環境に実際にログインしての作業になります。まずはウェブブラウザで GitLab サーバー(http://XXX.XXX.XXX.XXX/)にアクセスしてみます:
2015122403


初期ページが表示されれば一応動いていることになります。まずは管理ユーザーを有効にするため、ユーザーID(root) と初期パスワード(5iveL!fe)を指定してログインします。パスワードはすぐに変更するのでここでは記憶させる必要はありません:
2015122404


ログインに成功すると、とりあえず初期パスワードを変える必要があります。初期パスワード(5iveL!fe)と、新しい管理者用パスワード(確認のため2回)を指定して、新しいパスワードを登録してください:
2015122405


直後に再度ログイン画面に戻るので、ユーザー ID(root) と新しいパスワードを指定してログインしてください:
2015122406


ログイン後にこんな画面が表示されれば、とりあえず初期設定は完了です:
2015122407



【ユーザー追加手順】

自分1人でソースコード管理をするのであれば、このまま管理者権限で作業を続けてもいいのですが、多くのケースでユーザー管理をすることが多いと思います。そこで作業用のユーザーを登録して、以降はその作業ユーザーによるプロジェクト管理を行っていく内容を紹介します。

ユーザーを新規に登録するには、root で GitLab にログインした状態から、ダッシュボード右上の Admin Area をクリックします:
2015122401


続いて NEW USER ボタンをクリックします:
2015122402


新規に登録するユーザーの名前、ユーザー名(ログインID)、そしてメールアドレスを入力して CREATE USER ボタンでユーザーを作成します(この時点ではパスワードは登録しません):
2015122403


これで一般ユーザーの作成が行われました:
2015122404



メールサーバーが正しく設定されていて、メール認証が有効になっている場合は、指定したメールアドレスにメールが送られ、その本文内のリンクからパスワード設定を含めた本登録を行うことになります。

上記で紹介した手順でメール認証を無効にした場合は、このユーザーの初期パスワードを手動で登録してあげる必要があります。上記画面右上の EDIT ボタンをクリックして、初期パスワードを登録してあげてください:
2015122400


では、改めてこのユーザーでログインしてみます。root で GitLab にログインしている場合はダッシュボード右上の Sign out からログアウトしてください:
2015122406


改めて GitLab サーバーにアクセスして、今度は作成した一般ユーザーの ID とパスワードでログインします:
2015122407


一般ユーザーでログインできることを確認してください:
2015122408


このまま、このユーザー向けの SSH 鍵を登録しましょう。ダッシュボード左メニューから Profile Settings を選択します:
2015122401


続いて SSH Keys をクリックします:
2015122402


登録済み SSH 鍵の一覧が表示される画面ですが、この時点ではまだ何も登録されていないので表示されません。ではあらかじめ用意した SSH 鍵を登録してみます。ADD SSH KEY ボタンをクリックします:
2015122403


テキストエリアが表示されるので、この中に用意した公開鍵の内容をペーストします。また Title 欄に名前を付けて、最後に ADD KEY ボタンをクリックします:
2015122404


このユーザーが使える SSH 鍵が登録できました:
2015122405


同様にして、必要なユーザーと、そのユーザーの SSH 鍵を必要なだけ登録しておきます。


【プロジェクト追加手順】

では一般ユーザーでプロジェクトを追加してみます。ソースコードの管理をするにもまずはそのプロジェクトを作成する必要があります。

GitLab ダッシュボードに一般ユーザーでログインした後に、Project(初期状態でここが選ばれているはずです)の NEW PROJECT ボタンをクリックします:
2015122401


なお、一度プロジェクトを作成した後の二度目以降は画面右上の New Project をクリックしてください:
2015122408


プロジェクトの名前(下図では myhelloworld)や Description を入力後、Visivility Level に Private を指定すると(パブリックではない)プライベートなリポジトリを作ることができます。最後に CREATE PROJECT ボタンをクリックしてプロジェクトを作成します:
2015122402


GitLab 上にプロジェクト myhelloworld が新規に作成できました:
2015122403


画面を下にスクロールすると、この後のコマンド操作方法についての簡単なガイドが紹介されています。必要に応じて参照してください:
2015122404


このプロジェクトに他のユーザーをメンバー登録すると、そのユーザーからもこの Git リポジトリが使えるようになります。プロジェクト画面左の Members を選ぶと、GitLab ユーザーをプロジェクトメンバーに追加する画面に切り替わります:
2015122405


People にカーソルを持って行くと、GitLab 上のユーザー一覧が表示されます。ここから選んで指定することができます:
2015122406


プロジェクトに追加したい人と、その権限を指定し、ADD USERS TO PROJECT ボタンをクリックすると、そのユーザーは指定した権限でプロジェクトメンバーとして追加されます:
2015122407


この図では Administrator ユーザーが Master 権限でプロジェクトに追加されたことが分かります:
2015122408


これを必要なだけ繰り返して、プロジェクトにメンバーを追加します。



【プロジェクトの Git リポジトリを git クライアントから操作する手順】

ではこの myhelloworld プロジェクトの Git リポジトリを実際に使ってみましょう。まずは適当なファイル1つをコミット&プッシュしてみます。

まずは作業マシン上に git クライアントを導入しておきます。作業マシンが CentOS や RedHat であれば以下のコマンドで導入できます:
# yum install git

また、登録した SSH 鍵の秘密鍵ファイル(ファイル名 guestkey とします)を利用ユーザーの ~/.ssh/ 以下に用意しておきます。そして ~/.ssh/config ファイルを以下の内容で作成します:
Host mygitlab-server
        HostName XXX.XXX.XXX.XXX  (GitLab サーバーのIPアドレス)
        IdentityFile ~/.ssh/guestkey  (秘密鍵ファイル)
        User dotnsf  (GitLab サーバーのログインユーザー名)

そして鍵ファイルと config ファイルのパーミッションを 600 に設定します:
$ chmod 600 ~/.ssh/guestkey
$ chmod 600 ~/.ssh/config

では SSH の準備が整ったので、実際に git コマンドを使ってみます。まずは Global 設定で user.name と user.email を設定します:
$ git config --global user.name "K.Kimura"
$ git config --global user.email "xxxx@xxxxx.com"

まだ最初のコミット前なので、ゼロからリポジトリの中身を作る必要があります。というわけで専用のディレクトリを1つ作り、その中にプロジェクトのファイルを追加します。ここではとりあえずホームディレクトリ以下に myhelloworld というサブディレクトリを作り、その中に README.md ファイルを1つ追加しました(ソースコードなどを加える場合も myhelloworld 以下に追加していくことになります):
$ cd 
$ mkdir myhelloworld
$ cd myhelloworld
$ echo '# MyHelloWorld' > README.md

この myhelloworld ディレクトリを git リポジトリとして GitLab サーバーの myhelloworld プロジェクトにコミット&プッシュします(以下は myhelloworld ディレクトリで行います):
$ git init
$ git remote add origin git@mygitlab-server:dotnsf/myhelloworld.git
$ git add .
$ git commit -m 'first commit'
$ git push -u origin master

最後の git push 実行時に「接続を続けますか?」というプロンプトが表示されたら 'yes' と入力してください。また途中でパスフレーズの入力をするよう求められた場合は登録した SSH 鍵ファイルを作成した時に指定したパスフレーズを入力してください。成功するとこのような画面になるはずです:
$ git push -u origin master
The authenticity of host 'XXX.XXX.XXX.XXX (XXX.XXX.XXX.XXX)' can't be established.
RSA key fingerprint is aa:bb:cc:dd:ee:ff:gg:hh:ii:jj:kk:ll:mm:nn:oo:pp
Are you sure you want to continue connecting (yes/no)? yes
Warning: Permanently added 'XXX.XXX.XXX.XXX' (RSA) to the list of known hosts.
Enter passphrase for key '/home/linux1/.ssh/guestkey': (SSH 鍵のパスフレーズを入力)
Counting objects: 3, done.
Writing objects: 100% (3/3), 222 bytes, done.
Total 3 (delta 0), reused 0 (delta 0)
To git@mygitlab-server:dotnsf/myhelloworld.git
 * [new branch]      master -> master
Branch master set up to track remote branch master from origin.
$

この状態で GitLab サーバー上の myhelloworld プロジェクトを見ると、このコミット&プッシュが記録されて、以下のようになるはずです:
2015122401


画面左の Files をクリックすると、現在の Git リポジトリのファイル一覧(まだ README.md しかないので1つだけ)が確認できます。これでプライベート Git リポジトリが作成できました:
2015122402


同じユーザーでも、別ユーザーでもいいのですが、このリポジトリを操作する場合の手順も紹介しておきます。上記のグローバル設定を行うまでは共通です(同一ユーザーで行う場合は myhelloworld ディレクトリごと削除してから以下を行ってください)。その上で GitLab サーバーの myhelloworld リポジトリをクローンします。途中でパスフレーズの入力を求められた場合は同様に SSH 鍵ファイル作成時に指定したパスフレーズを入力してください:
$ cd (作業ディレクトリに移動 指定しない場合はホームディレクトリ)
$ git clone git@mygitlab-server:dotnsf/myhelloworld.git
Initialized empty Git repository in /home/linux1/src/myhelloworld/.git/
Enter passphrase for key '/home/linux1/.ssh/guestkey': (SSH 鍵のパスフレーズを入力)
remote: Counting objects: 3, done.
Receiving objects: 100% (3/3), done.
remote: Total 3 (delta 0), reused 0 (delta 0)
$

この時点でカレントディレクトリに myhelloworld というディレクトリが作られ、その中に現在の myhelloworld リポジトリの内容がクローンされているはずです:
$ cd myhelloworld
$ ls -a
.   ..   .git   README.md


この中に以下の内容で index.php ファイルを追加します(名前は何でもいいし、どのような内容でも構いませんが、新規にファイルを作って追加してください):
$ echo '<?php echo "ハローワールド!\n"; ?>' > index.php

追加したファイルを GitLab のリポジトリにコミットしてプッシュします:
$ git add .
$ git commit -m 'index.php added.'
$ git push -u origin master
  (SSH 鍵のパスフレーズを入力してプッシュ)

ここまでの作業が成功すると、GitLab の myhelloworld プロジェクトのファイル一覧はこのようになり、index.php が追加された状態になります:
2015122403


「新規に作成してコミット&プッシュ」も、「クローンして作業してコミット&プッシュ」もできることがわかりました。



GitLab Community Edition を使えば、無料でプライベートな Git リポジトリを作って管理する、ということもできそうです。GitLab Community Edition にはラズベリーパイ用のモジュールも用意されているようなので、余った(?)ラズパイの使いみちとしても良さ気な感じです。


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