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IBM Bluemix を使ってアプリ開発を行い、「期待していた通りに動かない・・・ (--;」ということは普通にあると思っています。 そんな時のトラブルシューティングについて、大きく3つの原因パターンに分けて紹介します。


ケースその1 Bluemix 側に問題が発生している
 
何よりもまず最初に調べる必要なのがこれです。Bluemix 側に原因があってうまくいかないのか、自分のコードやアクションに問題があるのか、という切り分けです。

Bluemix のランタイムやサービスが正しく稼働していない場合(あるいはメンテナンス中の場合)、その機能を使ったアプリは当然うまく動かなくなります。そのため、まずは Bluemix の稼働ステータスを確認してください:
https://status.ng.bluemix.net/
2015120104


↑このサイトでデータセンターリージョン毎/ランタイム・サービス毎の稼働状態を確認することができます(近い将来のメンテナンス情報もわかります):
2015120105


おおまかにはこのサイトの情報で充分だと思いますが、認証機能などの内部的な機能レベルでの稼動状態を調べるにはこちらを参照ください:
http://estado.ng.bluemix.net/
2015120107


IBM DevOps Services などの外部サービスを併用して使っている場合は、それらの併用サービスについても確認が必要になります。例えば IBM DevOps Services の稼動状態はこちらで確認できます:
http://status.hub.jazz.net/
2015120106


これら上記4つの URL はブックマークしておくことをおすすめします。


ケースその2 プッシュ(デプロイ)できない

Bluemix 側に特に異常がないにもかかわらず、自分の作ったアプリケーションコードのプッシュ(デプロイ)に失敗する場合は、コードや設定ファイルの内容そのものに間違いが含まれている可能性を疑う必要があります。

例えば cf ツールを使って push したらこんな感じでエラーが発生することがあります:
> cf push appname1
Updating app appname1 in org dotnsf@jp.ibm.com / space dev as dotnsf@jp.ibm.com...
OK

Uploading appname1...
Uploading app files from: C:\tmp\appname1
Uploading 15.9K, 13 files
Done uploading
OK

Stopping app appname1 in org dotnsf@jp.ibm.com / space dev as dotnsf@jp.ibm.com...
OK

Starting app appname1 in org dotnsf@jp.ibm.com / space dev as dotnsf@jp.ibm.com...
-----> Downloaded app package (12K)
-----> Downloaded app buildpack cache (3.9M)


-------> Buildpack version 4.1.5


Traceback (most recent call last):
     :
     :
(中略)
: : ValueError: Expecting object: line 1 column 1 (char 0) Staging failed: Buildpack compilation step failed FAILED BuildpackCompileFailed TIP: use 'cf logs appname1 --recent' for more information

エラーが出てプッシュが FAILED になってしまいました。さてどうしましょう?

このようなケースではプッシュ時のログを参照するのがいいです。その方法は上記の最後に書かれているように、cf logs コマンドに "--recent" オプションを付けて実行することで(直近のログを)確認できます:
> cf logs appname1 --recent
      :
      :
      :
2015-12-01T09:53:08.75+0900 [STG/0]      OUT Downloaded [file:///var/vcap/data/d
ea_next/admin_buildpacks/ee88f28c-4afb-47c3-bc0f-db9ddc1ebb1d_6cbec4f53c789b674b
c4f011895cfb0f72c4d3e0/dependencies/https___pivotal-buildpacks.s3.amazonaws.com_
php_binaries_trusty_composer_1.0.0-alpha10_composer.phar] to [/tmp]
2015-12-01T09:53:08.76+0900 [STG/0]      OUT PROTIP: Include a `composer.lock` file with your application! This will make sure the exact same version of dependencies are used when you deploy to CloudFoundry.
2015-12-01T09:53:08.90+0900 [STG/0]      ERR Loading composer repositories with package information
2015-12-01T09:53:09.51+0900 [STG/0]      ERR Installing dependencies
2015-12-01T09:53:15.05+0900 [STG/0]      ERR Nothing to install or update
2015-12-01T09:53:15.05+0900 [STG/0]      ERR Generating autoload files
      :
      :
      :

この例だと composer の処理の中でエラーが発生しているようなメッセージが出力されていました。とすると、composer.json に間違いがあったのかな・・・と思って実際の composer.json ファイルを確認したらこんな内容でした:
{

閉じなければいけない大カッコが閉じられていませんでした。ケアレスミス! これが原因ですね。最後に "}" を追加してプッシュし直した所、エラーはなくなりました。これはあくまで一例ですが、プッシュ時のエラーに対してはプッシュ時のログを確認する、という対応が解決への近道になります。


ケースその3 プッシュしたアプリが正しく動かない

アプリケーションのプッシュ(デプロイ)には成功して、つまり Bluemix 上でアプリケーションが動いている状態になっていて、その上でアプリケーションが期待していたように動かない、ということがあります。コーディング内容と状態にもよりますが、画面にエラーが表示されたり、されなかったりします。

こんな時は(Bluemix 環境だけのトラブルシューティングではありませんが)稼働中のアプリケーションのログを見るのが第一です。Bluemix の場合はダッシュボードの「ログ」を選択すると、アプリケーションの全ログを参照することができます:
2015120101


ログが大量に出力されている場合はその TYPE や CHANNEL(標準出力/標準エラー)ごとに選別して絞り込むこともできます:
2015120102


この例であれば、明らかな PHP エラーが出力されていることがわかるような行がありました。これをヒントに該当のソースコードを見なおして、何が原因だったのか?を推測して修正する、ということが可能になります:
2015120103


この例の場合であれば up.php の 5 ~ 8 行目でまとめてエラーが出ていた、ということがわかります。ソースコードのこの辺りに原因が・・・という推測ができるわけです。後はソースコードを見て判断、ということになりますね。


以上をまとめると、Bluemix アプリケーション開発時のトラブルシューティングとしては以下のようになります:
1. Bluemix 側の異常ではないかを切り分け
2. プッシュ時のエラーはプッシュログを確認
3. プッシュ成功後のアプリケーション稼働時の問題はアプリケーションログを確認




 

IBM Bluemix の本体や、各サービス毎の運用状態を調べる方法を紹介します。


中の人の間で通称「エスタド」と呼ばれているサービスサイトがデータセンター毎に運用されており、そのサイトにアクセスすることで細かいレベルでのサービス運用状態を確認することができます:
(米国)http://estado.ng.bluemix.net/
(英国)http://estado.eu-gb.bluemix.net/

2015060800
↑赤い帯のサービスがダウン中・・・

この estado サービスは IBM Bluemix のパブリッククラウド版だけでなく、Bluemix Dedicated と呼ばれるプライベートクラウド版でも同様に提供される管理コンポーネントの1つです。パブリック版ではその管理機能もパブリックに公開されている、ということになります。

というわけで、「あれ? Bluemix の調子がおかしい??」と思ったら、とりあえずエスタドを見る、というのができるようになると、あなたも立派な Bluemix 中級者、かも!?


加えて、2つのデータセンターまとめてのシステムステータスと、最新の情報(障害があった場合の報告や、復旧情報など)をこちらから参照することができます:
https://status.ng.bluemix.net/

2015072200


現在の状況だけでなく、直近の障害情報も参照したい場合はこちらも活用ください。


 

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