まだプログラマーですが何か?

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タグ:design

これらの記事の続きです(シリーズとしては今回が最終回です):
Cloudant の便利な API (1) : バルクインサート
Cloudant の便利な API (2) : View Design Document
Cloudant の便利な API (3) : List Design Document

DBaaS である IBM Cloudant の便利で特徴的な API を紹介しています。前回までは Design Document の1つである View Design Document と List Design Document を紹介して、データベース内の特定の条件を満たすドキュメントデータだけを「ビュー」としてまとめ、かつそのビューの UI も格納ドキュメントの一部として定義する、という内容を紹介しました(47都道府県のドキュメントデータから海なし県だけを取り出して HTML の UI で表示する、というところまでを作りました):
2017100602

↑ https://username.cloudant.com/mydb/_design/nosea/_list/nosea/nosea にアクセスした結果(username は Cloudant インスタンスに接続するための username です)

最終回である今回は、この一覧からクリックした各ドキュメントも HTML で表示するための Show Design Document と、その API を紹介します。

前回のおさらいとして、このビューで表示される各ドキュメントをクリックすると、以下の URL に移動します(現時点ではエラーになります):
https://username.cloudant.com/mydb/_design/nosea/_show/nosea/(doc.id)

これは doc.id で示される id 値を持つドキュメントデータを nosea という Show Design Document の設計内容を使って表示する際の URL です(そして現時点では nosea という Show Design Document を定義していないためエラーになります)。

ではこの nosea Show Design Document を定義します。前回までに紹介した View Design Document と List Design Document を含む JSON の内容に赤字部分を加えて以下のようなドキュメント(nosea_show.json)を作ります:
{
 "language": "javascript",
 "views": {
  "nosea": {
   "map": "function(doc){ if( doc.code && [9,10,11,19,20,21,25,29].indexOf(doc.code) > -1 ){ emit( doc._id, {code:doc.code,prefecture:doc.prefecture,capital:doc.capital,lat:doc.lat,lng:doc.lng} ); } }"
  }
 },
 "lists": {
  "nosea": "function( head, row ){ start( { 'headers': { 'content-type': 'text/html' } } ); send( '<ul>' ); var row; while( row = getRow() ){  var url = '../../_show/nosea/';  send( ' <li><a href=\"' + url + row.id + '\">' + row.value.prefecture + '(' + row.value.capital + ')</a></li>' ); } send( '</ul>' );}"
 },
 "shows": {
  "nosea": "(function( doc, req ){ if( doc ){  var str = '<h2>' + doc.prefecture + '</h2><h3>' + doc.capital + '</h3><hr/>緯度: ' + doc.lat + '<br/>経度: ' + doc.lng;  return str; }else{  return 'empty'; }})"
 }
}

赤字部分が Show Desgin Document に相当する部分です。この中では同ファイル内の上位部分で定義された nosea ビューからクリックされた各ドキュメントが表示する際に実行される処理が記載されています。上記例では理解しやすさを優先して、ドキュメントの各属性(県名、県庁所在地名、緯度、経度)を単純に HTML で表示する内容にしています。

なお、この内容と同じファイル(nosea_show.json)をこちらからダウンロードできるよう用意しました:
https://raw.githubusercontent.com/dotnsf/samples/master/nosea_show.json


前回同様に、この JSON ファイルを指定して Design Document を更新します。まずは API で現在の Design Document を確認し、現在のリビジョンを確認します:
$ curl -u "username:password" -XGET "https://username.cloudant.com/mydb/_design/nosea"

{"_id":"_design/nosea","_rev":"YYYY..YYYY","language":"javascript", ... }

この例の場合の YYYY..YYYY 部分("_rev" の値)が現在のリビジョン ID なので、この値をダウンロードした nesea_show.json ファイルに追加します:
{
 "_rev": "YYYY..YYYY",
 "language": "javascript",
 "views": {
  "nosea": {
   "map": "function(doc){ if( doc.code && [9,10,11,19,20,21,25,29].indexOf(doc.code) > -1 ){ emit( doc._id, {code:doc.code,prefecture:doc.prefecture,capital:doc.capital,lat:doc.lat,lng:doc.lng} ); } }"
  }
 },
 "lists": {
  "nosea": "function( head, row ){ start( { 'headers': { 'content-type': 'text/html' } } ); send( '<ul>' ); var row; while( row = getRow() ){  var url = '../../_show/nosea/';  send( ' <li><a href=\"' + url + row.id + '\">' + row.value.prefecture + '(' + row.value.capital + ')</a></li>' ); } send( '</ul>' );}"
 },
 "shows": {
  "nosea": "(function( doc, req ){ if( doc ){  var str = '<h2>' + doc.prefecture + '</h2><h3>' + doc.capital + '</h3><hr/>緯度: ' + doc.lat + '<br/>経度: ' + doc.lng;  return str; }else{  return 'empty'; }})"
 }
}

これで更新用の nosea_show.json ファイルが完成しました。改めてこのファイルを指定して Design Document を更新します:
$ curl -u "username:password" -XPUT -H "Content-Type: application/json" "https://username.cloudant.com/mydb/_design/nosea" -d@nosea_show.json

{"ok":true, "id":_design/nosea", "rev":"ZZZZ..ZZZZ"}

これで Design Document が更新されました。改めてウェブブラウザで https://username.cloudant.com/mydb/_design/nosea/_list/nosea/nosea にアクセスすると、List Design Document で定義された内容に従って nosea ビューが表示されます(ここまでは前回と同様):
2017100602


そしていずれかのドキュメント(県名)をクリックすると、そのドキュメントデータが Show Design Document に定義された内容で表示されます。これで一覧から詳細情報まで表示するアプリケーションとして繋がりました!:
2017100604


先程は Design Document の理解のため比較的シンプルな Show Design Document を使いましたが、少し UI にも凝ったバージョンも用意しました:
https://raw.githubusercontent.com/dotnsf/samples/master/nosea_show2.json

こちらの JSON ファイルをダウンロードして、上記同様にリビジョン ID を調べて追加し、API で PUT すると、少しだけ凝った UI で海なし県の一覧と詳細画面を確認することができます(View Design Document は変更せずに、List Design Document と Show Design Document を変更したものです)。

nosea_show2.json を PUT した場合、ビューはテーブル形式で表示されます。県名または県庁所在地名がクリック可能になっています:
2017100605


クリックすると OpenStreetMap API を使って、その県庁所在地周辺の地図が表示されます。海なし県の海までの遠さを視覚的にも確認できる UI にしました(笑):
2017100606



4回に渡って IBM Cloudant の特徴的な Design Document とその API を中心に紹介してきました。以前にも触れましたが、IBM Cloudant のベースとなった CouchDB は IBM Notes/Domino と似た生まれであり、その設計思想などにも似た部分が多くあると感じています。私自身がノーツ大好きということもあってそんな Cloudant の特徴的な機能をまとめて紹介してみました。


これらの記事の続きです:
Cloudant の便利な API (1) : バルクインサート
Cloudant の便利な API (2) : View Design Document


DBaaS である IBM Cloudant の便利で特徴的な API を紹介しています。前回は Design Document の1つである View Design Document とその API を紹介して、データベース内の特定の条件を満たすドキュメントデータだけを「ビュー」としてまとめる方法を紹介しました。

今回紹介するのはやはり Design Document の1つで、「ビューの見た目を定義する」List Design Document です。前回の「ビュー」がドキュメント集合の条件を定義していたのに対して、今回の「リスト」は「ビューの見た目」を定義します。


一般的にデータベースを使ったウェブアプリケーションを作る場合、データベースサーバーにデータを格納した上で、そのデータを読み/書き/更新/検索して画面に表示する部分はアプリケーションサーバーに実装されることが多いです。しかし(HTTP をベースとした) REST API で動かす Cloudant は、その HTTP 部分を更に活用してデータの見た目に関わる部分までを定義・実装することができます。特に今回紹介する List Design Document ではデータの集合体であるビューの見た目を実装して格納します。個別の文書の見た目を実装する Show Design Document については次回紹介する予定です。


※余談ですが、この「見た目を定義する情報がドキュメントの一部として格納される」という点も「ノーツのビューやフォーム」に近い考え方や設計だと思っています。

このリスト(List)も Design Document の1つなので、ビューと同様に設計文書を用意します。前回紹介した View Design Document の JSON の内容に赤字部分を加えて以下のようなドキュメント(nosea_list.json)を作ります:

{
 "language": "javascript",
 "views": {
  "nosea": {
   "map": "function(doc){ if( 

doc.code && [9,10,11,19,20,21,25,29].indexOf(doc.code) > -1 ){ emit( doc._id, 

{code:doc.code,prefecture:doc.prefecture,capital:doc.capital} ); } }"
  }
 },
 "lists": {
  "nosea": "function( head, row ){ 

start( { 'headers': { 'content-type': 'text/html' } } ); send( '<ul>' ); var row; while( row = getRow() ){  var url = 

'../../_show/nosea/';  send( ' <li><a href=\"' + url + row.id + '\">' + row.value.prefecture + '(' + row.value.capital + ')

</a></li>' ); } send( '</ul>' );}"
 }
}

赤字部分が List Desgin Document に相当する部分です。この中では同ファイル内の上位部分で定義された nosea ビューを表示する際に実行される処理が記載されています。

なお、この内容と同じファイル(nosea_list.json)をこちらからダウンロードできるよう用意しました:
https://raw.githubusercontent.com/dotnsf/samples/master/nosea_list.json


赤字部分について簡単に内容を紹介すると、まず HTTP レスポンスヘッダとして 'Content-Type: text/html' を指定し、全体が HTML として返されるよう宣言しています。次に <ul> と </ul> の間が while でループ処理され、このビューに含まれる各文書(doc)の値を row として取り出します。そして
  <li><a href="../../_show/nosea/(doc.id)">県名(県庁所在地名)</a></li>
という <li> 要素を動的に作って <ul> と </ul> の間に挿入し、最後に全体を返しています。 要するに nosea ビューに含まれる海無し県の一覧を <ul> タグを使ってリスト表示している、というものです。

この JSON ファイルを指定して API を実行すれば List Design Document が作成される、、、のですが、もう1つだけ準備が必要です。今回作成する Design Document は前回作成した Design Document を上書きして保存する必要があります。そのため単にこのままのファイルを指定して API を実行しても(同一 ID への新規作成コマンドと解釈され)コンフリクトを起こしてしまい、更新できません。Cloudant の既存ドキュメントを更新する場合は既存ドキュメントのリビジョン ID を明示して実行する必要があるのでした。

というわけで、まずは API で現在の Design Document を確認し、現在のリビジョンを確認します。前回同様、コマンド内の username, password はそれぞれ Cloudant インスタンスに接続するための username, password で、実行結果を青字で表しています(以下同様):
$ curl -u "username:password" -XGET "https://username.cloudant.com/mydb/_design/nosea"

{"_id":"_design/nosea","_rev":"XXXX..XXXX","language":"javascript","views":{"nosea":{"map":"function(doc){ if( doc.code && [9,10,11,19,20,21,25,29].indexOf(doc.code) > -1 ){ emit( doc._id, {code:doc.code,prefecture:doc.prefecture,capital:doc.capital} ); } }"}}}

この例の場合の XXXX..XXXX 部分("_rev" の値)が現在のリビジョンIDです。nosea_list.json をテキストエディタで開いて、この値を使って以下のように書き換えます:
{
 "_rev": "xxxx..xxxx",
"language": "javascript", "views": { "nosea": { "map": "function(doc){ if( doc.code && [9,10,11,19,20,21,25,29].indexOf(doc.code) > -1 ){ emit( doc._id, {code:doc.code,prefecture:doc.prefecture,capital:doc.capital} ); } }" } }, "lists": { "nosea": "function( head, row ){ start( { 'headers': { 'content-type': 'text/html' } } ); send( '<ul>' ); var row; while( row = getRow() ){ var url = '../../_show/nosea/'; send( ' <li><a href=\"' + url + row.id + '\">' + row.value.prefecture + '(' + row.value.capital + ') </a></li>' ); } send( '</ul>' );}" } }

これで更新用の nosea_list.json ファイルが完成しました。改めてこのファイルを指定して Design Document を更新します:
$ curl -u "username:password" -XPUT -H "Content-Type: application/json" "https://username.cloudant.com/mydb/_design/nosea" -d@nosea_list.json

{"ok":true, "id":_design/nosea", "rev":"YYYY..YYYY"}

これで Design Document が更新されました。この時点でダッシュボードの nosea ビューを確認すると・・・一見、何も変わっていないようにみえます:
2017100601


しかしウェブブラウザで https://username.cloudant.com/mydb/_design/nosea/_list/nosea/nosea にアクセスすると、List Design Document で定義された内容に従って nosea ビューが表示されます。結果としてこのような画面が表示されます:
2017100602


これが Cloudant(CouchDB) の特徴ともいえる Design Document の機能です。通常であれば別途アプリケーションサーバーを用意した上で UI やロジックを実現するのですが、Cloudant の場合は Design Document を使うことで Cloudant の REST API(HTTP) の機能を使って UI を実現することができるようになるのでした。 ただ上のUIはシンプルすぎるので実用段階ではもう少しちゃんとしたほうがいいとは思います(苦笑)。

なお、この結果表示されている画面の各海なし都道府県へのリンクをクリックすると、以下のようなエラーになります:
2017100603


これはビューの UI とリンクまでは作成したのですが、各ドキュメントの内容(UI)を表示する Design Document についてはまだ作成していないために(リンク先が見当たらずに)エラーとなっているのでした。というわけで、次回は各ドキュメントの UI を定義する Show Design Document とその API について紹介し、各ドキュメントの内容まで表示できるようなアプリケーションを完成させる予定です。



こちらの続きです:
Cloudant の便利な API (1) : バルクインサート


NoSQL な DBaaS である IBM Cloudant の便利で特徴的な API を紹介しています。前回は1回の POST API 呼び出しでまとめて複数のドキュメントデータを登録するバルクインサート機能を紹介しました。この登録したドキュメントデータを使って、今回からは Cloudant のユニークな API を紹介すると共に、このドキュメントデータを使った参照アプリケーションを作っていきます。

今回紹介する便利な API は View Design Document API です。Cloudant には Design Document と呼ばれる特殊なドキュメントを格納することができます。一般的なドキュメントはいわば「データとしてのドキュメント」であるのに対し、Design Document は「設計情報としてのドキュメント」です。特に今回紹介する View Design Document は複数のドキュメントの集合である「ビュー」の定義情報を保持するドキュメントです。具体的にはどのような条件を満たすドキュメントがビューに含まれるのか、その条件を満たすドキュメントのどの要素をビューに格納するのか、、といった情報を保持する、(ドキュメントデータとは異なる)特殊なドキュメントです。

なお、Cloudant の Design Document に関する API のリファレンスはこちらを参照ください:
https://docs.cloudant.com/design_documents.html


では前回作った47都道府県ドキュメントデータに View Design Document を使ってビューを作ってみます。今回はこの47ドキュメントから、いわゆる「海無し県(=栃木県、群馬県、埼玉県、山梨県、長野県、岐阜県、滋賀県、奈良県)」だけを抜き出して集めた nosea ビューを定義してみます。

まず海無し県は上述の8県です。海無し県に含まれる条件は各ドキュメントデータ(doc)の code (都道府県コード)の値が「9か、10か、11か、19か、20か、21か、25か、29のいずれかであれば海無し県」ということになります。これを JavaScript で表現すると、以下のようになります:
if( doc.code && [9,10,11,19,20,21,25,29].indexOf( doc.code ) > -1 ){
    //. doc.code が存在していて、かつその値が [9,10,11,19,20,21,25,29] のいずれかであった場合、
        :
}

この条件を満たしたドキュメントデータの各値を nosea ビューに含める、という処理の場合に指定するデータは以下のような内容になります:
{
  "language": "javascript",
  "views": {
    "nosea": {
      "map": "function( doc ){ if( doc.code && [9,10,11,19,20,21,25,29].indexOf( doc.code ) > -1 ){ emit( doc._id, {code:doc.code,prefecture:doc.prefecture,capital:doc.capital} ); } }"
    }
  }
}

JSON 内の views.nosea(ビュー名).map に、このビューへのマッピングの関数を記述します。function のパラメータである doc がデータベース内の各ドキュメントを示しており、全ドキュメントがこの関数によってマッピングされ、条件を満たしたものだけがビューに含まれるよう定義されています。

関数内で使われている emit() 関数は第一パラメータがキー、第二パラメータがデータの値となります。第二パラメータに全データを含める必要はなく、今回は code, prefecture, capital という3つのデータだけを取り出して表示するようにアプリ化するので、これらの値だけを含めるようにしました。なお、上記の定義ファイル nosea_view.json はこちらからダウンロード可能です:
https://raw.githubusercontent.com/dotnsf/samples/master/nosea_view.json


ではこの(ダウンロードした)nosea_view.json と View Design Document API を使って、実際に海無し県ビューを作ってみましょう。前回同様に、nosea_view.json を保存したディレクトリで以下のコマンドを実行します(青字は実行結果、成功した時の例です):
$ curl -u "username:password" -XPUT "https://username.cloudant.com/mydb/_design/nosea" -H "Content-Type: application/json" -d @nosea_view.json

{"ok":true, "id":"_design/nosea", "rev":"XXXX..XXXX"}

前回作成した mydb データベースの中に nosea という名前のビューを、nosea_view.json で定義された内容で作成する、という API を実行しています。username および password は Cloudant に接続するためのユーザー名およびパスワードです。詳しくは前回の記事を参照してください。

このコマンドを実行後、改めてダッシュボードの画面をリロードすると、まずドキュメントデータそのものが1つ増えて 47 データから 48 データになっていることが分かります。つまりこのコマンドでデータベース内のドキュメントが1つ追加されたことが分かります(追加されたドキュメントの id は:"_design/nosea" です):
2017100504
2017100504


また mydb データベースに nosea という Design Document が追加されていることがわかります:
2017100501


nosea を更に展開し、Views の中にある nosea を選択すると、この nosea ビューで選別されたドキュメントデータが一覧できます。想定通りの8つの海無し県が並んでいれば成功です:
2017100502


value の部分が途中で切れてみれなくなっている場合は、その部分にマウスカーソルを置いてみると value の結果がオーバーレイして表示されます。JSON ファイルで指定した通りに3つの値が取得できていることが確認できます:
2017100503


なお、ビューの一覧結果は API からも参照できます:
$ curl -u "username:password" -XGET "https://username.cloudant.com/mydb/_design/nosea/_view/nosea"

{"total_rows":8, "offset":0, "rows":[
 { "id": "aaaa..aaaa", "key": "aaaa..aaaa", "value": { "code":9, "prefecture":"栃木県", "capital": "宇都宮市" } },
 { "id": "bbbb..bbbb", "key": "bbbb..bbbb", "value": { "code":10, "prefecture":"群馬県", "capital": "前橋市" } },
    :
 { "id": "cccc..cccc", "key": "cccc..cccc", "value": { "code":29, "prefecture":"奈良県", "capital": "奈良市" } }
]}


今回は Cloudant の View Design Document を使うことで特定条件を満たすドキュメントデータだけを選別してビューにする例を紹介しました。このようなドキュメント集合体の定義が1つのドキュメントデータとしてデータベース内に格納される、という所が Cloudant のユニークな点であると同時に、その集合体が「ビュー」と呼ばれている点などがなんとなくノーツっぽい※ところもあって、個人的には親和性を感じます。

※ちなみに Cloudant のベースとなっている CouchDB を開発した Damien Katz さんは元 Lotus のエンジニアです。
https://www.linkedin.com/in/damienkatz/


なお、次回は今回紹介した View Design Document を使って定義したビューを「どのような UI で見せるか」という情報を定義するための List Design Document を紹介する予定です。

IBM Bluemix からも提供されている NoSQL 型 DBaaS の1つが Cloudant です:
2016071301


ベースとなる製品はオープンソースの Apache CouchDB です。私自身も以前は疑問に思っていたのですが、たまに聞かれる質問の1つに「Cloudant と Apache CouchDB は何が違うのか?」があります。

Cloudant は(ソフトウェア単体版も存在していますが) DBaaS としてクラウドで提供されているとか、 IBM の管理下で利用できる(サーバーインフラを自分が管理しなくてよい)とか、運用面での違いは比較的わかりやすいのですが、機能面での決定的な違いについてあまり目にする機会がありませんでした。

その違いの1つが今回紹介する「全文検索」機能です。一般的に NoSQL DB はスケーラビリティにすぐれた大容量データの保存に向くストレージシステムですが、SQL のようなクエリー言語が使えないこともあり、柔軟な検索はあまり得意ではありません。全文検索に関しては SQL DB であれば、
> select * from xxx where name like '%テスト%'

のような指定で「name にテストという文字を含むもの」が検索できます。パフォーマンス対策とか色々考慮すべき点はありますが、処理そのものは単純だし簡単・便利に実現できてしまいます。

一方で、一般的な NoSQL DB には全文検索を実現するためのこのような便利な機能がありません。Apache CouchDB でもインデックスを作成することで「完全一致検索」は実現できますが、「全文検索」はそうはいきません。Apache Lucene や ElasticSearch などの全文検索エンジンを使って NoSQL DB とは別に全文検索機能を実装し、併用して運用していくことになります。この方法はデータの一元管理が難しく、また DB と検索エンジンの整合性も併せて管理する必要が生じるため、比較的運用負荷の高い実現方法になってしまいます。

実はこの点で Cloudant は Apache CouchDB とは違います。Cloudant の検索機能には Apache Lucene が初めから含まれており、特に Lucene の存在を意識することなく全文検索インデックスが使えるようになっています。その使い方を紹介します。


まずは Cloudant のインスタンスを用意します。IBM Bluemix アカウントをお持ちであれば、サービスとして Cloudant を1インスタンス用意いただくのが一番簡単だと思います。IBM Bluemix アカウントがない場合は http://cloudant.com/ に直接サインアップしていただいても構いません。以下は前者の前提で紹介します。

作成した Cloudant の環境変数を参照して、Cloudant サービスを利用するための接続情報を確認します:
2016071301


サービス接続情報の JSON を確認し、credentials.url の値をメモしておきます(後で使います)。ここでは credentials.url の値が以下のようになっていると仮定して続きを紹介します:
{
  "credentials": {
    "username": "USERNAME",
    "password": "PASSWORD",
    "host": "USERNAME.cloudant.com",
    "port": 443,
    "url": "https://USERNAME:PASSWORD@USERNAME.cloudant.com"
  }
}


まずは Cloudant のダッシュボード画面にアクセスしてみます。まだ何も作業していなければ特にデータベースも作られてなく、データベース一覧は空の状態のはずです。ここでは今回の作業用に1つデータベースを追加することにします。画面右上の "Create Database" をクリックします:
2016071302


新規に作成するデータベースの名称を入力するよう求められるので適当に(以下の例では "mydb" と)入力して "Create" をクリックします:
2016071303


mydb データベースが新規に作成されました。が、(当たり前ですが)まだこのデータベースには何のドキュメントも登録されていません:
2016071304


検索作業用にいくつかのドキュメントを追加してみましょう。+印から "New Doc" を選択します:
2016071305


以下の様なドキュメント編集画面が表示されるはずです。ここに登録するドキュメントの内容を JSON 形式で入力していきます:
2016071306


今回は以下の様に "name" と "desc" という2つのフィールドを持つドキュメントを生成することにします("_id" は初めから入っている値をそのまま使います):
{
 "_id": "XXXXXXXX....XXX",
 "name": "Natural Language Classifier",
 "desc": "自然言語テキストを学習してカテゴリを分類する"
}

この状態でドキュメントを保存します。"Create Document" と書かれたボタンをクリックします:
2016071307


ドキュメントが保存されました。mydb データベースのドキュメント一覧からも参照できますが、指定した "name" や "desc" の値はこの画面からは確認できません。ドキュメントの内容を確認するには該当ドキュメントの右上の鉛筆マークをクリックします:
2016071308


"name" や "desc" 、そして追加された "_rev" の値なども確認することができます。正しく格納されているようです。一度 "<" 印をクリックして元の画面に戻ります:
2016071309


同様にしていくつかのドキュメントを追加していきましょう。上記の作業を繰り返して、とりあえず以下の3つのドキュメントが登録された状態にしておきます:
#name の値desc の値
1Natural Language Classifier自然言語テキストを学習してカテゴリを分類する
2Personality Insights入力されたテキストから性格を分析する
3Tradeoff Analytics優先順位を意識したトレードオフ判断を視覚化する


ではこのデータベースに全文検索の索引を追加して全文検索ができるようにします。mydb のメニュー画面から Design Documents 横の+印をクリックし、サブメニューから "New Search Index" を選択します:
2016071301


索引に関する情報を入力する画面に切り替わります。ここではデザイン ID ("_design/" と書かれた右)に "mydbdoc" と、インデックス名("Index name" と書かれた下)に "mydbsearch" とそれぞれ入力します:
2016071302


続けて下にスクロールし、Search Index function の中身を以下のように書き換えます:
function(doc){
 if ('name' in doc) {
  var search_this = [doc.name, doc.desc];
  index('default', search_this.join(' '));
  index('name', doc.name, {store: 'yes'});
  index('desc', doc.desc, {store: 'yes'});
 }
}
  ↑ "name" というフィールドを持つドキュメントに対して、
   "name" と "desc" の2フィールドを対象に検索インデックスを作成するようにしています。


最後に Type には "Japanese" を選択して、一番下の "Create Document and Build Index" をクリックします。これで検索索引が作成され、かつ索引付けが実行されて検索が可能になります:
2016071303


元の画面に戻ると "Build Indexes" 欄が追加されており、その中に作成したインデックス名称(mydbsearch)が表示されているはずです。これを選択すると検索のプレビューを確認することができるので、本当にこれだけで全文検索が可能になったのか試してみましょう:
2016071304


画面右の検索ボックスに「テキスト」と入力してみます(上記3ドキュメントと同じデータを登録していれば、3つのうちの2つのドキュメントが「テキスト」という文字列を含んでいるので、正しく検索できれば結果は2ドキュメントになることが予想されます):
2016071305


全文検索が実行され、画面のように2ドキュメントが検索結果にリストされました。正しく全文検索が実行されたことが確認できました:
2016071306


ちなみに、この検索処理を API で実行する場合は以下の URL に対して GET リクエストを実行することになります:
https://USERNAME:PASSWORD@USERNAME.cloudant.com/mydb/_design/mydbdoc/_search/mydbsearch?q=テキスト

指定する URL は以下の形になっています:
(上述の環境変数で取得した青字部分)/(DB名)/_design/(デザインID)/_search/(インデックス名)?q=(検索文字列)

試しにこの文字列をブラウザのアドレスバーに入力して実行すると、同じ2件の検索結果が得られるはずです:
2016071307


というわけで、Cloudant サービスには標準で Lucene ベースの全文検索エンジンが搭載されており、Apache CouchDB 同様に簡単に使うことができる上、NoSQL DB に苦手な全文検索が簡単に実現・実装することができる、という特徴を持っていることが確認できました。

(参考)
https://cloudant.com/product/cloudant-features/cloudant-search/

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