まだプログラマーですが何か?

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無料のグループウェアを SaaS で提供していたサイボウズ Live が 2019 年4月15日をもってサービスを終了する、というアナウンスがありました:
サイボウズLiveサービス終了のお知らせ

個人的にも仲間内サークル活動の中で使っていたりしていたもので、このニュース自体はとても残念なものでした。が、終了まで1年半も猶予を持ったアナウンスであり、また(上記リンクによると)今後データのエクスポート(CSVファイル?機能?)などを提供する予定もあるらしいです。データを他のサービスに移行するための準備期間としては充分にあるようにも感じました。

データ移行に関しては時間的な猶予もあるので、しばらくは謹製のデータエクスポートが出されるのを待ってもいいとは思っています。が、個人的/技術的な興味もあって自分でも PHP で作ってみました。詳しくは後述しますが、もしご利用になる場合、現時点ではまだ不完全なものだと理解の上で使ってください。なおこのツールではデータを XML ファイルでエクスポートします(掲示板データなど、改行情報を含むデータは CSV に向かないと判断したので):
https://github.com/dotnsf/cbl_export/blob/master/cbl_export.php


実際に使うには、まず PHP 実行環境が必要です(自分自身がテストした範囲では PHP 5.3.3 でも動きました、かなり古いバージョンでも大丈夫だと思います):
(例 CentOS の場合)
# yum install php php-mbstring php-xml php-pear

加えてプログラムの中で OAuth などの外部ライブラリモジュールを使うため、これらのモジュールをあらかじめインストールしておいてください:
(例 pear を使う場合)
# pear install Net_URL2
# pear install HTTP_Request2
# pear install HTTP_OAuth

またこのツールを使う準備としてサイボウズ Developer Center のアカウントが必要です。同アカウントをお持ちでない場合はリンク先の「デベロッパー登録」ボタンから申請してアカウントを作成してください:
2017102901


アカウント作成後にログインし、「Myアプリケーション」の一覧で「アプリケーションを登録する」を選択し、今から動かすアプリケーションの登録を行います:
2017102902


アプリケーションを登録する際のアプリケーション名などは任意に設定いただいていいのですが、「アプリケーションの種類」は「クライアント」、そして「アクセスレベル」は「レベルZ」を選択する点に注意してください(ここを間違えると正しく動かなくなります。なおアプリケーション種類をクライアントにしないとレベルZのアクセスレベルは選択できないはずです):
2017102903


こうしてアプリケーションを登録し、登録後の画面に表示される Consumer Key と、Consumer Secret をメモしておきます(他人に教えてはいけません)。またアプリケーションの種類とアクセスレベルが正しく登録されていることを確認してください:
20171026



ここまでの準備ができたところで、改めて今回作成したエクスポートアプリを使います。こちらのサイトから git clone するなどして cbl_export.php をコピーします:
https://github.com/dotnsf/cbl_export/blob/master/cbl_export.php


cbl_export.php をテキストエディタで開き、一部を編集します:
<?php
//. cbl_export.php
//. Referer: https://developer.cybozulive.com/doc/current/#id1
//. For XAuth(Ones of Level Z)
$consumer_key           = '(CybozuLive Developer Center Consumer Key)';
$consumer_secret        = '(CybozuLive Developer Center Consumer Secret)';
$xauth_access_token_url = 'https://api.cybozulive.com/oauth/token';
 
$params = array(
    'x_auth_username' =--> '(CybozuLive Email)',
    'x_auth_password' => '(CybozuLive Password)',
    'x_auth_mode'     => 'client_auth',
);

:
:

上記の青字部分を編集します。$consumer_key には上記サイボウズ Developer Center でのアプリケーション登録時に確認した Consumer Key を、$consumer_secret には同 Consumer Secret を代入します。また $params 'x_auth_username' には自分のサイボウズ Live ログイン時のメールアドレスを、そして 'x_auth_password' には同パスワードを指定します。


ここまでの準備ができたら php コマンドで cbl_export.php を実行します:
# php -f cbl_export.php

実行が成功するとカレントディレクトリに自分のメールアドレスと同じ名前のフォルダと、自分がサイボウズ Live で所属しているグループごとの ID(X:XXXXX みたいなフォーマットです)のフォルダが作成され、各データがそれぞれのフォルダ内にエクスポートされます。例えば1つのグループにしか所属していない場合であれば、自分のメールアドレスのフォルダが1つと、そのグループのIDのフォルダが1つ生成されます:
2017102904
(↑自分が実行した場合の結果サンプル)


そして個人のデータはメールアドレスのフォルダ内に、要素毎に XML ファイルでエクスポートされています(現在の仕様ではスケジュール、チャット、ToDo、コネクションのデータがエクスポートされます):
2017102905


またグループ ID のフォルダには各グループ毎のメンバー、掲示板、イベント、ToDo、ファイル共有の情報が XML ファイルでエクスポートされています:
2017102906


なお、このツールを開発するにあたり、サイボウズ Live API を使っています。その仕様はこちらです:
サイボウズLive データ API ドキュメント


(↓2017/Oct/29 時点での制限事項)
上記のように一応動くものが作れたつもりなのですが、2017/Oct/29 時点ではファイルのダウンロード機能が正しく動いていません。例えばサイボウズ Live のファイル共有機能や掲示板の中でファイルを添付しているケースは珍しくないと思っています。その「どんなファイルが添付されているか?」といった情報は取得できて、その情報は現在取得できるファイルの中にも正しくエクスポートできているのですが、肝心のファイルそのもののダウンロードができていません。具体的にはこの API の実行時にだけ想定外のエラーになってしまい、まだその理由や解決策が分からずにいます:
https://developer.cybozulive.com/doc/current/pub/fileDownload.html


この部分については私のミスなのか、API 側の問題なのかの判別ができず、現在は問い合わせ中です。分かり次第に対応するつもりです。
(↑2017/Oct/29 時点での制限事項)


(↓2017/Nov/06 追記)
サイボウズより返答あり。サイボウズ側では問題なく動いているとのこと。むむむ・・ (--;
(↑2017/Nov/06 追記)


添付ファイルのダウンロード以外についてはある程度動くようになっているつもりです。早めのデータ移行を検討していたり、移行先候補へのテストを早めに実行したい場合に活用ください。

なおサイボウズから謹製のエクスポートデータやエクスポートツールが提供された場合は、(きっと面倒なアカウント登録なども不要になると思うので)そちらの利用をオススメします。 (^^;


(↓2017/Dec/19 追記)
kintone エバンジェリストでもある長井様( @akvabit)からコメントをいただき、現在ダウンロード API は画像ファイルのみが対象となっていることがわかりました。つまり画像以外のファイルは現時点では API ではダウンロードできないようです。
併せて長井様からのコメントを参考に PHP ファイルを改良しました。現在は「画像ファイルについてはダウンロードする(画像以外のファイルは無視する)」ような仕様にした上で動いています。
(↑2017/Dec/19 追記)

(↓2017/Dec/24 追記)
ファイルダウンロード機能ですが、動いていたように思えたのですが、やはり正しく動いていませんでした。ロジックを間違えていたせいで気付かなかったのですが、元のエラーが取れていませんでした(画像ファイルを対象にしても同じエラーが発生しています)。
(↑2017/Dec/24 追記)

Cybozu Office 10 を Linux にインストールした時に躓いた所を記載しておきます。

基本的にはインストールマニュアルに書いてある通りに進めたつもりでした。OS(CentOS) をインストールして、Apache HTTPD サーバーを導入して起動しておいて、でダウンロードしたインストールモジュールを実行。これだけでインストールできるはず。


やってみると実行直後にこのようなメッセージが表示されます。ここは Y を選択。
cbo_01

その直後にこのようなエラーメッセージが表示されて、プロンプトが戻ってしまいます。
cbo_02


「GLIBCのバージョンを検出できませんでした。」とな・・・
一応、Cybozu 的には動作環境として「GLIBC 2.5 以上」を挙げています。
で、このサーバーに入っている GLIBC のバージョンは 2.12 。なので問題はないはず・・・

色々調べてもよく分からず、念のため無理やり GLIBC 2.5 へダウングレードしたりもしたけど、状況は変わらず。うーん・・・もうちょっとヒントがあればなあ・・・・・



・・・で、偶然気付いたのですが、このターミナルの画面のスクロールバーを上にあげてみると・・・
cbo_07

なんと隠れていたエラーメッセージ発見!
cbo_03

"/lib/ld-linux.so.2: bad ELF interpreter" ってエラーメッセージは以前に遭遇したことがあるのですぐに原因がわかりました。インストール前提に ld-linux.so.2 ライブラリが必要なんだけど、それがない場合に表示されるエラーです。

というわけで、サクっと ld-linux.so.2 をインストール:
# yum install ld-linux.so.2

再度インストーラーを実行。すると今度は先に進み、試用許諾契約画面へ。
cbo_04

インストール開始~
cbo_05

で、無事インストールできました、と。
cbo_06


インストールマニュアルのどこかに書いといてほしい。




 

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