タイトルそのままです。なんらかの画像をコピーしてクリップボードに格納された状態から、ブラウザ画面内の <canvas> 要素内に画像データをペーストして表示する、という処理が実現できないか試してみました。

結論としてはなんとなく実現できていると思います。サンプルを公開しているのでまずは挙動を試してみてください。


PC でもスマホでも、まず対象の画像をコピーします。今回は「いらすとや」さまのこの画像を使って試してみることにします:
https://www.irasutoya.com/2021/04/blog-post_12.html

2021041402


まずは画像をコピーします。PC の場合は右クリックから「コピー」、スマホの場合は対象画像を長押しするとコピーできると思います:
2021041403


その後、こちらのページを開きます:
https://dotnsf.github.io/web_image_paste/

2021041401



表示された画面内の「ペースト」と書かれた箇所にカーソルを移動した上でペースト(貼り付け)してください(スマホの場合は「ペースト」と書かれた箇所を長押ししてペーストを選択してください):
2021041404


うまくいくと最初にコピーした画像がブラウザ画面内の矩形部分(<canvas>)のサイズに合わせてペーストされます:
2021041405


このサンプルのソースコードはこちらで公開しています:
https://github.com/dotnsf/web_image_paste

このソースコードの中で特に該当の機能を実現しているファイルが index.html です。以下、解説を加えながらこのファイルの内容を紹介します。

まず該当部分の HTML は以下のようになっています:
<div class="container">
  <div id="canvas_div">
    <div id="cdiv">
      <div id="box" contenteditable="true">
        ペースト
      </div>
      <canvas width="80%" height="60%" id="mycanvas"></canvas>
    </div>
  </div>
</div>

画面内の「ペースト」と書かれている部分の <div id="box"> 要素に contenteditable="true" という属性がついています。これによって、この要素部分はペースト可能(Ctrl+V や右クリックメニューでペーストできる)として扱うことができるようになります。単にこの部分に画像をペーストして表示できるようにするだけであれば、この HTML だけで実現できます。

問題はここでペースト処理された画像を、この <div id="box"> 内に表示するのではなく(そのままだと <div id="box"> 内に画像がペーストされて表示されてしまうので、表示しないような処理を加えた上で)代わりにすぐ下の <canvas> 要素内に表示したい、という点です。

今回のサンプルではそういった処理は JavaScript で実現しています。まず「ペースト」と書かれた <div id="box"> 要素にペースト処理が実行されたイベントをフックして、imagePaste() 関数(後述)を実行するように指示しています。加えて false を返すことでフックしたイベントをキャンセルし、通常処理(この場合は <div id="box"> へのペースト処理)が実行されないようにしています(false を返さないと、<canvas> に画像をペーストした後でも <div id="box"> 内にも画像が残ってしまうので、それを避けるための処理です):
$(function(){
  $('#box').on( "paste", function( e ){
    imagePaste( e );
    return false;
  });

  :
  :

そして imagePaste() 関数の実装がこちらです:
function imagePaste( event ){
  var blobimg = null;
  var items = ( event.clipboardData || event.originalEvent.clipboardData ).items;
  for( var i = 0; i < items.length; i ++ ){
    if( items[i].type.indexOf( "image" ) == 0 ){
      blobimg = items[i].getAsFile();
    }
  }

  if( blobimg != null ){
    var bloburl = URL.createObjectURL( blobimg );

    var canvas = document.getElementById( "mycanvas" );
    var ctx = canvas.getContext( '2d' );

    var img = new Image();
    img.src = bloburl;
    img.onload = function(){
      var sw = img.naturalWidth;
      var sh = img.naturalHeight;
      var dw = canvas.width;
      var dh = canvas.height;
      ctx.drawImage( img, 0, 0, sw, sh, 0, 0, dw, dh );
    };
  }
}

まずクリップボード内に登録されているデータを配列で取得し、その中に画像("image")が含まれているかどうかを調べます。存在している場合はそのバイナリデータを取得します。

このバイナリデータが見つかった場合は URL.createObjectURL で画像データの URL を生成して画像化し、<canvas> 内に drawImage() 関数を使って描画します。その際に画像全体の高さや幅を <canvas> 全体の高さや幅に調整して表示するので、それらの情報を取得した上でパラメータ指定しています。

これによって「ペースト」のエリアにペーストした画像データを <canvas> 内に描画し、もとの「ペースト」のエリアには描画しない、という処理が実現できました。


本当は「ペースト」のためのエリアを使わずに <canvas> だけでここに画像を直接ペーストできるようになるのが理想なんですが、実現の可否含めてその方法がわかっていません。実現方法のヒントがありましたら教えていただけると嬉しいです。