ソフトウェアの種類の1つに「アバンダンウェア(abandonware)」と呼ばれるものがあります。abandon = 「捨てる、諦める」という意味ですが、聞いたことあるでしょうか?

Wikipedia によると、その定義は「著作権者が既に販売をやめたりサポートしていないソフトウェア、あるいは様々な理由により、誰が著作権者であるか不明なソフトウェア」とされています。

定義を簡単にするため、ここでは以下のような古いソフト全般を指しているものとします。
・もともとは商用ソフトウェアとして(著作権が明示的になった状態で)売られていて、
・現在は販売もサポートも終了している(場合によっては販売元会社そのものがなくなっている)ソフトウェアで、
・現在の著作権の扱いについて、特に明確になっていないもの※

※販売元会社が「このソフトウェアの著作権を放棄する」或いは「著作権は保持する」等の意思を明確にしている場合は当然その内容に従うのですが、それらがないまま(会社が無くなったり、サポートも終了したりして)誰に問い合わせればよいかわからなくなった状態のもの、という括りで考えてください。

で、そんなアバンダンウェアの著作権について調べてみました。まず結論として「アバンダンウェアにも著作権は存在します」。より正確には「アバンダンウェアに対する扱いが法的に明確になっていない以上は、通常の著作権と同じ扱いになる」のです。で、そのような点が明確になっている法律を持った国が存在していないため、たとえ持ち主となる会社が消滅していても著作権は残っている、ということになります。また特に何の規約もない以上は原則がそのまま適用されることになるのでその期間は「公表から50年間」になると思います(この辺り、違っていたら詳しい方に指摘していただけると嬉しいです)。 現実問題として、そのようなソフトウェアの著作権を無視するような行為があった時に誰かに訴えられるのか? という問題はありますが、それはまた別問題です。訴える人がいないから著作権は存在しない、という判断にはなりません。

というわけで、むかーしの古いソフトであっても、これを他人に譲渡したからといってそんな損失はないだろう、というようなソフトであっても、売って利益を得るではなく単に譲渡するだけであっても、勝手にコピーしたり譲渡したりする行為は著作権違反になります。


で、ここからが本題です。
そのような行為が著作権違反になることはわかりました。わかった上で「なんとかならないだろうか?」と言いたいのです。

もちろん積極的に著作権違反を推奨する意図はありません。そのような行為によって損害を被る人や企業があるとしたらやめるべきです(その場合はサポートを続けてよ、と言いたいけど)。あと一部には「オープンソース化してコミュニティに任せるべき」という声もありますが、私自身はそこまで主張するつもりもありません。

その一方で、今では入手できなくなったソフトウェア資産をなんとかして残したいという思いもあります。私個人が所有している PC-DOS や MS-DOS、OS/2 といった現在では入手が困難なオペレーティングシステムから始まって、それらの上で動作する商用/非商用アプリケーションやツール、ゲームなどの環境があります。一部は仮想ディスクにサルベージして、仮想環境内で動いていますが、一部はハードウェアを含めた実環境もあります。正直個人でこれを持ち続けることに不安と疑問を感じつつも、上記の理由から相手が個人だろうが団体だろうが販売元であろうが「譲渡したくてもできない」というジレンマを抱えています。


法的にも「そのケースでも絶対にNG」という明記がされているわけではなく、「何も書かれてないから著作権の原則を適用」という判断に基づくものなので、もう少し現実的な判断にならないものかなあ、と思ったのでした。

#ま、平たく言えば「寛大に、大目に見ていただけませんかね?」ということです、はい・・・