IBM Cloud から提供されている 30 日間無料 Kubernetes サービス(IBM Kubernetes Service 、以下 "IKS")環境を使って利用することのできるコンテナイメージを1日に1個ずつ 30 日間連続で紹介していきます。
環境のセットアップや制約事項については Day0 のこちらの記事を参照してください。
記念すべき Day 1 は k8s としての特徴がわかりやすいものとして hostname イメージをデプロイする例を紹介します。
【イメージの概要】
このイメージは Docker や k8s などのコンテナ環境の動作特徴を確認する上で便利なウェブアプリケーションです。ウェブのドキュメントルートにアクセスすると、動作しているサーバーの /etc/hostname ファイルの中身をそのままテキスト表示する、というだけの機能を持っています。ちなみに私が作ったコンテナイメージです(笑)。
/etc/hostname ファイルは(多くの場合で)サーバーのホスト名が記述されているファイルです。特に Docker や k8s などのコンテナ環境や複数インスタンス環境においてはコンテナごと/インスタンスごとに内部ホスト名が変わるので、「現在、このアプリケーションがどのコンテナ/インスタンスで動いているのか?」を簡単に確認するためのアプリケーション、という側面も持っていることになります。
後述しますが、今回は k8s クラスタ上で5台程度スケールアウトさせた状態を作ってデプロイします。そしてこのアプリケーションにウェブアクセスすることで(アクセス先のインスタンスが変わって)表示内容が毎回変わる、ということが確認でき、自作ツールながらよくコンテナの動作確認時に便利に使っているものです。Day 1 では k8s の理解を含める意味も含めて、この hostname コンテナを動かしてみることにします。
【イメージのデプロイ】
hostname イメージのデプロイ用 YAML ファイルを公開したので、このファイルを指定してデプロイします。以下のコマンドを実行する前に Day 0 の内容を参照して ibmcloud CLI ツールで IBM Cloud にログインし、クラスタに接続するまでを済ませておいてください。
そして以下のコマンドを実行します:
以下のコマンドで hostname 関連の Deployment, Service, Pod, Replicaset が1つずつ生成されたことと、サービスが 30080 番ポートで公開されていることを確認します:
この後に実際にサービスを利用するため、以下のコマンドでワーカーノードのパブリック IP アドレスを確認します(以下の例であれば 161.51.204.190):
つまりこの時点で(上述の結果であれば)アプリケーションは http://169.51.204.190:30080/ で稼働している、ということになります。早速実行してもいいのですが、この hostname アプリケーションの場合はレプリカセットを変更して稼働インスタンス数を増やしてからの方が特徴が理解しやすいと思うので、先にレプリカ数を5つくらいに変更しておきます:
改めてこのアプリケーションにアクセスしてみます。ウェブブラウザか curl コマンドを使って、アプリケーションの URL(上述の方法で確認した URL)にアクセスしてみます:
そのまま画面をリロードして、表示される内容が変わることを確認します。リロードするたびに内容が変わります:
繰り返しますが、このアプリケーションは稼働中のホストの /etc/hostname の内容を表示するものです。アクセスするたびに内容が変わるということは同じ URL で異なるサーバーが稼働していることを意味しており、それらがちゃんとアクセスするたびに振り分けられて(負荷分散されて)稼働できている、ということが確認できました。拙作の hostname はこのようなコンテナ環境の動作確認に適しているツールだと自負しているので、よかったらぜひ皆さんも使ってみてください。
Day 1 はコンテナ環境としての動作確認をするために特殊なアプリケーションを紹介しました。Day 2 以降は一般に公開されているアプリケーションコンテナをデプロイする例を中心に紹介していく予定です。
【YAML ファイルの解説】
YAML ファイルはこちらを使っています:
Deployment 1つと、Service 1つのごくごくシンプルな YAML ファイルですが、一応解説を加えておきます。アプリケーションそのものは 8080 番ポートで動作するように作られているため、NodePort 30080 番を指定して、外部からは 30080 番ポートでアクセスできるようにしています(NodePort として指定可能な番号の範囲は 30000 ~ 32767 です、指定しない場合は空いている番号がランダムに割り振られます)。また ReplicaSet は1つだけで作りますが、はじめから5つで作る場合はこの数値を変更しておくことで実現可能です。
なお、デプロイしたコンテナイメージを削除する場合はデプロイ時に使った YAML ファイルを再度使って、以下のコマンドを実行します。このワーカーノード1つで(イメージの内容にもよりますが)コンテナ5~6個は余裕で動くはずです、が、あと 30 日ぶんあるので不要であれば削除しておきましょう:
【紹介したイメージ】
https://hub.docker.com/r/dotnsf/hostname
【紹介記録】
環境のセットアップや制約事項については Day0 のこちらの記事を参照してください。
記念すべき Day 1 は k8s としての特徴がわかりやすいものとして hostname イメージをデプロイする例を紹介します。
【イメージの概要】
このイメージは Docker や k8s などのコンテナ環境の動作特徴を確認する上で便利なウェブアプリケーションです。ウェブのドキュメントルートにアクセスすると、動作しているサーバーの /etc/hostname ファイルの中身をそのままテキスト表示する、というだけの機能を持っています。ちなみに私が作ったコンテナイメージです(笑)。
/etc/hostname ファイルは(多くの場合で)サーバーのホスト名が記述されているファイルです。特に Docker や k8s などのコンテナ環境や複数インスタンス環境においてはコンテナごと/インスタンスごとに内部ホスト名が変わるので、「現在、このアプリケーションがどのコンテナ/インスタンスで動いているのか?」を簡単に確認するためのアプリケーション、という側面も持っていることになります。
後述しますが、今回は k8s クラスタ上で5台程度スケールアウトさせた状態を作ってデプロイします。そしてこのアプリケーションにウェブアクセスすることで(アクセス先のインスタンスが変わって)表示内容が毎回変わる、ということが確認でき、自作ツールながらよくコンテナの動作確認時に便利に使っているものです。Day 1 では k8s の理解を含める意味も含めて、この hostname コンテナを動かしてみることにします。
【イメージのデプロイ】
hostname イメージのデプロイ用 YAML ファイルを公開したので、このファイルを指定してデプロイします。以下のコマンドを実行する前に Day 0 の内容を参照して ibmcloud CLI ツールで IBM Cloud にログインし、クラスタに接続するまでを済ませておいてください。
そして以下のコマンドを実行します:
$ kubectl apply -f https://raw.githubusercontent.com/dotnsf/yamls_for_iks/main/hostname.yaml
以下のコマンドで hostname 関連の Deployment, Service, Pod, Replicaset が1つずつ生成されたことと、サービスが 30080 番ポートで公開されていることを確認します:
$ kubectl get all NAME READY STATUS RESTARTS AGE pod/hostname-7b4f76fd59-hsf7d 1/1 Running 0 7s NAME TYPE CLUSTER-IP EXTERNAL-IP PORT(S) AGE service/hostname NodePort 172.21.73.164 <none> 8080:30080/TCP 9s service/kubernetes ClusterIP 172.21.0.1 <none> 443/TCP 14d NAME READY UP-TO-DATE AVAILABLE AGE deployment.apps/hostname 1/1 1 1 8s NAME DESIRED CURRENT READY AGE replicaset.apps/hostname-7b4f76fd59 1 1 1 8s
この後に実際にサービスを利用するため、以下のコマンドでワーカーノードのパブリック IP アドレスを確認します(以下の例であれば 161.51.204.190):
$ ibmcloud ks worker ls --cluster=mycluster-free
OK
ID パブリック IP プライベート IP フレーバー 状態 状況 ゾーン バージョン
kube-c3biujbf074rs3rl76t0-myclusterfr-default-000000df 169.51.204.190 10.144.185.144 free normal Ready mil01 1.20.7_1543*
つまりこの時点で(上述の結果であれば)アプリケーションは http://169.51.204.190:30080/ で稼働している、ということになります。早速実行してもいいのですが、この hostname アプリケーションの場合はレプリカセットを変更して稼働インスタンス数を増やしてからの方が特徴が理解しやすいと思うので、先にレプリカ数を5つくらいに変更しておきます:
$ kubectl scale --replicas=5 deployment hostname $ kubectl get replicaset NAME DESIRED CURRENT READY AGE hostname-7b4f76fd59 5 5 5 7m29s
改めてこのアプリケーションにアクセスしてみます。ウェブブラウザか curl コマンドを使って、アプリケーションの URL(上述の方法で確認した URL)にアクセスしてみます:
そのまま画面をリロードして、表示される内容が変わることを確認します。リロードするたびに内容が変わります:
繰り返しますが、このアプリケーションは稼働中のホストの /etc/hostname の内容を表示するものです。アクセスするたびに内容が変わるということは同じ URL で異なるサーバーが稼働していることを意味しており、それらがちゃんとアクセスするたびに振り分けられて(負荷分散されて)稼働できている、ということが確認できました。拙作の hostname はこのようなコンテナ環境の動作確認に適しているツールだと自負しているので、よかったらぜひ皆さんも使ってみてください。
Day 1 はコンテナ環境としての動作確認をするために特殊なアプリケーションを紹介しました。Day 2 以降は一般に公開されているアプリケーションコンテナをデプロイする例を中心に紹介していく予定です。
【YAML ファイルの解説】
YAML ファイルはこちらを使っています:
apiVersion: v1 kind: Service metadata: name: hostname spec: selector: app: hostname ports: - port: 8080 protocol: TCP targetPort: 8080 nodePort: 30080 type: NodePort --- apiVersion: apps/v1 kind: Deployment metadata: name: hostname spec: replicas: 1 selector: matchLabels: app: hostname template: metadata: labels: app: hostname spec: containers: - name: hostname image: dotnsf/hostname ports: - containerPort: 8080
Deployment 1つと、Service 1つのごくごくシンプルな YAML ファイルですが、一応解説を加えておきます。アプリケーションそのものは 8080 番ポートで動作するように作られているため、NodePort 30080 番を指定して、外部からは 30080 番ポートでアクセスできるようにしています(NodePort として指定可能な番号の範囲は 30000 ~ 32767 です、指定しない場合は空いている番号がランダムに割り振られます)。また ReplicaSet は1つだけで作りますが、はじめから5つで作る場合はこの数値を変更しておくことで実現可能です。
なお、デプロイしたコンテナイメージを削除する場合はデプロイ時に使った YAML ファイルを再度使って、以下のコマンドを実行します。このワーカーノード1つで(イメージの内容にもよりますが)コンテナ5~6個は余裕で動くはずです、が、あと 30 日ぶんあるので不要であれば削除しておきましょう:
$ kubectl delete -f https://raw.githubusercontent.com/dotnsf/yamls_for_iks/main/hostname.yaml
【紹介したイメージ】
https://hub.docker.com/r/dotnsf/hostname
【紹介記録】
Day | カテゴリー | デプロイ内容 |
---|---|---|
0 | 準備 | 準備作業 |
1 | ウェブサーバー | hostname |
2 | Apache HTTP | |
3 | Nginx | |
4 | Tomcat | |
5 | Websphere Liberty | |
6 | データベース | MySQL |
7 | phpMyAdmin | |
8 | PostgreSQL | |
9 | pgAdmin4 | |
10 | MongoDB | |
11 | Mongo-Express | |
12 | Redis | |
13 | RedisCommander | |
14 | ElasticSearch | |
15 | Kibana | |
16 | CouchDB | |
17 | CouchBase | |
18 | HATOYA | |
19 | プログラミング | Node-RED |
20 | Scratch | |
21 | Eclipse Orion | |
22 | Swagger Editor | |
23 | R Studio | |
24 | Jenkins | |
25 | アプリケーション | FX |
26 | 2048 | |
27 | DOS Box | |
28 | VNC Server(Lubuntu) | |
29 | Drupal | |
30 | WordPress |
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