OpenStreetMap とその API を使って簡易ドライブゲームを作って公開しました。

OpenStreetMap は誰でも無料&自由に使える地図や地理情報のオープンデータプロジェクトです。API も公開されており、位置情報アプリケーション開発時に利用することができます:
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この OpenStreetMap API を使ってドライブゲームを作って公開してみました。GitHub リポジトリはこちらです:
https://github.com/dotnsf/openmap_drive/

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実質的に index.html ファイル1つだけのプロジェクトなので GitHub Pages で公開もしています。実際に遊ぶには PC のブラウザでこちらを参照してください:
https://dotnsf.github.io/openmap_drive/

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パラメータを付けずにアクセスすると、デフォルトで三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットのメインストレートの一部が OpenStreetMap でブラウザ画面いっぱいに表示され、その中心に赤い車(この車でドライブします)が表示されます。

キー操作は以下の3つのみです:
 矢印キーの「下」: スタート/ストップ
 矢印キーの「左」: 左旋回
 矢印キーの「右」: 右旋回


とりあえず「下」を押すと動き出します(もう一度押すと止まります)。初期状態では5時の方角を向いているので右下方向に向かって移動を始めます(実際には車の位置は変わらず、地図部分がスクロールしていきます)。矢印の「左」や「右」を押して、なるべくコース上を走るようにしてみましょう:
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(↑ 1990年にセナとプロストが接触した1コーナー)


ぶっちゃけコースアウトしようが、何かと接触しようが車は動き続けます。なので「細かいことは忘れて」コースを走り続けましょう:
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(↑ 1989年にセナとプロストが接触したトライアングルシケイン、ここはこの赤い車でも難しい)


起動時に URL パラメータを与えることで初期位置と初期角度を変えることもできます:
 lat: 緯度
 lng: 経度
 anglelevel: 角度(何時の方向、という時計の短針の方角を示す。0~11 の整数)

下図は
 https://dotnsf.github.io/openmap_drive/?lat=43.733009&lng=7.4228981&anglelevel=4
にアクセスした時の様子です。画面下に有名なレストラン "La Rascasse(ラスカス)" が見えていますが、ここは F-1 モナコグランプリ市街地コース上です。これから最終コーナーに向かうラスカス・コーナーのあたり:
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地図で表示するのは必ずしもサーキットである必要はありません。こちら
 https://dotnsf.github.io/openmap_drive/?lat=35.6828558&lng=139.7596134&anglelevel=1
は日本の皇居前、内堀通りを走る状態からスタートします:
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実は以前に同様のゲームを Google MAPs API で作って教育目的に使っていたことがありました。他の地図 API と比較して多くの機能を持ち、今でも便利に使えると思ってはいるのですが、Google MAPs API は当時と異なり現在では API キーの取得が必要になってしまい、オープンな教材としては使いにくくなってしまったのでした。


という背景もあって、今回は Google MAPs API の API キーを使うのではなく、地図 API としてはOpenStreetMap API を、leaflet.js ライブラリを併用して使う形で作り直しました。加えて車の画像も「いらすとや」で公開されているものを直接参照し、CSS の transform で角度を変えて表示するように改良しました(この辺り、詳しくは index.html の内容を直接参照してください)。結果として(画像ファイルは不要になり)index.html ファイル1つだけで完結できるようになって、GitHub Pages で公開できる形にもなった、という副産物的なメリットも生まれました。


今回公開したファイルはあくまでテンプレートというか、「これを元に改良するための素」のつもりです。このゲームは上述のように3つのキーだけで(3種類の信号だけで)操作できるので、以前に紹介したキータッチと組み合わせて体感ゲームにしたり、IoT 的な要素を使ってデバイスからの信号を受け取れるようにしたり、身近なものをリモートコントローラー代わりにして使えたら面白いかな、と思っています。あと少し技術方向性は異なるけど、複数台の車を同時に走らせたりとかも面白そう。