自分を含め、多くの人に使われているコンテンツ管理システムである WordPress の(プラグインの)日本語翻訳に参加させていただきました。

WordPress は本体だけでなく各種プラグインも含めてオンラインで翻訳に参加する仕組みが整っており、誰でも比較的容易に参加できると感じました。以下で実際の翻訳を行った様子を紹介しますが、ぜひ色んな人に参加していただきたいと思っています。

(1)準備
WordPress の翻訳に参加するために必要なものは WordPress.org アカウントです。こちらからログインして翻訳を開始します。まだアカウントを所有していない場合は新規に作成してからログインして進めてください:
https://login.wordpress.org/

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(2)翻訳する対象言語と対象プロジェクトの選択
上記アカウントで WordPress.org にログイン後、以下の翻訳サイトへ移動します:
https://translate.wordpress.org/

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(↑正しくログインしていると、右上に自分のプロフィールが表示されます)


まずは翻訳対象言語を選びます(今回は「日本語」として以下を紹介しますが、他の言語に翻訳する場合はその言語を選んでください)。画面を下の方にスクロールして "Japanese" の "Contribute Translation" ボタンをクリックします:
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次に選択した言語(日本語)で、何の翻訳に参加するか、を選びます。最初は WordPress 本体の翻訳参加用ページが WordPress のバージョン別に表示されています。が、実際に見ていただくとわかるのですが、WordPress 本体の翻訳は Progress がほぼ 100% となっていて「既に翻訳済み」となっていると思います。なのでこちらへの参加はできません:
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翻訳は WordPress 本体だけではなく、各種テーマやプラグインに対しても行うことができます。例えば "Plugins" を選択すると選択言語(日本語)で翻訳に参加できるプラグインの一覧が表示されます。こちらは Progress = 100% になっていないプラグインがほとんどで、これらのプラグインの翻訳に参加することができます:
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適当に1つ選んでもよいのですが、せっかくなので普段自分が使ってお世話になっているものから選びたいと思いました。

というわけで、個人的に最近使い始めた "All in One SEO Pack" プラグインの日本語化に貢献させていただこうと思います。検索バーに "All in One SEO" などと入力して検索し、対象のプラグインを見つけたら "Translate Project" ボタンをクリックします(Progress = 91% なので、まだ未翻訳部分が全体の1割弱残っていることになります):
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選択したプラグインの翻訳プロジェクト一覧が表示されます。このプラグインでは Development(開発)版と Stable(安定)版の2つのプロジェクトに分かれて開発が進められており、かつそれぞれに本体と README の翻訳が用意されているようです。ここから自分が対象とするサブプロジェクトを選ぶのですが、今回は Untranslated (未翻訳箇所)が 69 個と最も多い Stable 版を選ぶことにしました:
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(3)翻訳作業
翻訳する対象のプロジェクトを選ぶと、そのプロジェクトの文字リソース一覧が表示されます:
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最初は翻訳済みのものも全て含めた文字リソース一覧が表示されています。未翻訳のものだけが表示されるよう、"Untranslated" をクリックして、未翻訳文字リソース一覧に切り替えます:
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ここに表示されているものが「All in One SEO Pack プラグインの中でまだ日本語になっていない文字」の一覧です。翻訳に参加するにはどれか1つを選んで "Double click to add" と書かれている部分をダブルクリックします:
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すると翻訳編集画面に切り替わります。この例では「Search results for "%s"」という文字リソースの日本語翻訳を(まだ存在していないので)指定します:
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この日本語訳として「"%s" の検索結果」と入力しました。確定する場合は "Suggest" ボタンをクリックします:
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すると画面内に先程選んだ「Search results for "%s"」の訳として「"%s" の検索結果」が入力されている状態になります。これで選択した文字リソースの翻訳候補を指定できました。簡単ですね。

同時に次の未翻訳リソースである「F j, Y」が選択され、翻訳の入力を待っている状態に切り替わりました:
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同様にして翻訳を入力して "Suggest" を繰り返していきます。ある程度翻訳した所で、画面内上部の "Japanese" を選択します:
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すると画面が切り替わり、"Waiting" の数字が変わっているはずです(もとは 0 だったのが 9 になってます)。これは自分が入力した翻訳候補が9つあり、それらが採用される前の段階として waiting(待ち)の状態になっている、ということを示しています(この画面で黄色の背景になっているものが waiting のリソースです):
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翻訳の作業はこれだけです。後は対象プロジェクトの管理者さんがこの状態から実際のプロジェクトに翻訳を入れるかどうかを判断して、採用された場合は実プロジェクトに反映される、という手続きが待っています。

実際の翻訳には単なる言語知識だけでなく、PHP の文法や日付フォーマットなどの知識が必要になることもありますが、まあわからないものは飛ばして分かるものだけ翻訳に貢献するのがいいと思います。自分の場合はお世話になっているプラグインへのお礼と、あと今後自分が使う中で自分が翻訳した文字列を目にすることがあれば、それはそれで嬉しいと思ったのでボランティアで参加させていただきました。いつかどなたかの役に立つことを願って。