東芝メモリ株式会社2019年10月以降は「キオクシア株式会社」)から発売されている FlashAir を、HDMI キャプチャーボードで使ってみました。

FlashAir は無線 LAN 機能がついた SD カードです。無線 LAN 機能のないデジカメ等のストレージメディアとして差し込んで画像や動画を記録すると、メディアの抜き差しをしなくても PC やスマホから無線 LAN でこのメディアにアクセスし、撮影した画像や動画を確認したり、転送したりできる、というものです。個人的にはデジカメに加えてキングジムのポメラ DM100 のストレージとして使っていました。

加えてアプリケーションソフトや IoT 機器の開発エンジニア向けに情報が公開されており、Lua 言語を使って FlashAir の GPIO を直接制御する、といったカスタマイズも可能なガジェットです。

もともと第三世代のモデルを所有していたのですが、今回の検証用に改めて最新の第四世代モデルを購入して実験しました:



一方、HDMI キャプチャーボードは株式会社アイ・オー・データ機器から発売されている GV-HDREC というモデルの製品です:



HDMI キャプチャーボードは HDMI を流れる映像と音声を途中でキャプチャーして録画&録音する製品です。例えば 下図では「ゲーム機」と「モニター(テレビ)」が HDMI ケーブルで接続され、ゲームの映像と音声がモニターから出力されて遊んでいる状態になっています:
2019081301


GV-HDREC は HDMI ケーブルをもう1本使って、この HDMI ケーブルの途中に割り込む形で設置されます。するとモニターにはこれまで通りゲームの映像と画面が出力されますが、それらの様子は GV-HDREC がキャプチャーすることが可能になっていて、音声付き動画ファイルとして記録することができるようになります。また記録した映像は別売りの HDD や SD カード内にファイルとして保存することができるようになります:
2019081302


記録する映像はゲームである必要はありません。HDMI として割り込むことができればよいので、例えば下図のように PC の画面を大型モニターやスクリーン表示する際にも途中で割り込んで PC 画面の様子を記録することができます:
2019081303


必ずしも「割り込む」必要もありません。例えば上図の例であれば画面そのものは PC のものを使いながら HDMI ケーブルを GV-HDREC に接続すれば PC 画面を音声ごとそのまま録画する、という使い方もできます:
2019081305


今回はこの方法で PC 画面を録画します。また外付けのメディアとして FlashAir を使ってみました:
2019081304


準備としては PC に HDMI ケーブルを差し、もう一端を GV-HDREC の入力用端子に接続します。また GV-HDREC の SD カードスロットに FlashAir を挿入します。特別な作業は不要で、これだけです:
IMG_8445


この状態から GV-HDREC の録画ボタンを押すと PC 画面のキャプチャーが開始されます。もう一度録画ボタンを押すと録画は終了し、録画した様子は FlashAir 内の動画ファイル(mp4)として格納されます。

通常の SD カードであれば、GV-HDREC から SD カードを抜いて PC 等に差し替えて・・・となりますが、FlashAir を使っている場合であれば、このまま専用スマホアプリからアクセスしたり、PC から無線 LAN で接続して内容を確認することができます。これ超便利!
2019081501
(↑ \DCIM\101HDREC\ フォルダ内に動画ファイルが格納されている)


後はこの状態のまま動画を再生することもできますし、ダウンロードして利用することも可能です:
2019081502
(↑ 懐かしの Space Cadet を Windows 10 で遊んだ様子を録画してました)


この HDMI キャプチャーボードは(マイクを併用するなどして)サービスの使い方説明動画を撮ったり、実況動画を撮ったりするのに便利だと思っていますが、ファイルメディアとして FlashAir を併用することでいちいちメディアを差し替えたり、そのためのアダプタを意識したりすることなく全てオンラインで完結できるようになるのがとても便利だと感じました:
2019081501