先日行われた「Maker Faire Tokyo 2019 」で購入した「キータッチ」というガジェットを使ってみました:
https://keytouch.org/

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キータッチは "Raspberry Pi Shop" として有名な長野県の株式会社ケイエスワイ様が製造・販売している電子ボードのガジェットです。ラズベリーパイと接続しても使えますが、Windows や macOS の PC でも利用できます:
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キータッチは「キーボードの信号をエミュレート」するガジェットです。USB キーボードのように USB ケーブルでキータッチと PC やラズパイを接続して使います(接続した PC から電気供給を受けるので、キータッチ側に電源は不要です)。そしてキータッチからの信号を受けると、PC 側でキー処理が行われます。例えば PC 側で「メモ帳」アプリが開いている状態で、キータッチから「Aキーを押した」という信号を受けると、メモ帳内に「A」という文字が入力されます。

ただキータッチは USB キーボードではなく、「キーボード信号のエミュレーター」です。実際、ボードのハードウェア的なキーボード要素はゼロで、「ある条件を満たした時に『A キーが押された』という信号を発する」ことができる電子ボードです(実際には  Aキーだけでなく、A から H までの8種類の信号を発することができます)。

そして上述の「ある条件を満たした時」の条件というのがキータッチ側に用意された2箇所の端子間が電線で接続された時になります。具体的にはキータッチ側の "A" キー端子と、"EARTH"(アース)端子とが伝導体で繋がった時に「A キーが押された」という信号が発せられます。
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このような特徴を利用することで、キータッチ自体にキーボードは付属していないにも関わらず電気を通すあらゆるものをキーボード代わりにすることができる、という機能を持っていることになります。そして A キーや B キーを押して動かすことができるようなアプリケーションを開発・稼働しておくことで、キータッチに対応して動くアプリケーションとすることができる、というものです:
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試しに(先日のブログでも紹介した)このアプリをキータッチで使ってみました:
https://github.com/dotnsf/keytouch_sample


キーボードから入力した文字がそのままブラウザ画面に表示される、というシンプルなアプリケーションです:
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では実際にキータッチと一緒に使ってみます。付属のケーブルで PC にキータッチを接続します:
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この状態で上記のアプリケーションを起動し、ウェブブラウザで開きます:
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そして EARTH と A にクリップを繋いで、その2つのクリップをくっつけると・・・:
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ちゃんと "A" と表示されました。つまり期待通りに A キーの信号が PC に送られてきたことになります:
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このキータッチによって、キーボードがなくても(一部の)キーボード処理をエミュレートすることができるようになり、後は特定のキーが押されたイベントをハンドリングして動かすことのできるアプリケーションが用意されていれば、キータッチを使って動かすことができるようになります。叩いて動かすようなゲームであったり、人と人とが握手することでキー信号を送って動かすような体感型アプリケーションを作るなど、いろいろな応用が効きそうなポテンシャルの高いガジェットだと思っています。

僕自身はメーカーズフェアのイベント会場で購入しましたが、公式ページからオンライン購入が可能になっているようです。キータッチ本体のみで 3000 円ケーブル類まで付属したパッケージで 3500 円(それぞれ税別)らしいです。