2017年6月の Raspbian のアップデートに合わせて PIXEL for PC(PC / Mac 用の Raspbian、わかりやすく言うと「パソコン版のラズベリーパイ」)も新しくなりました。以前のものは専用の Live CD だけが提供されていたのですが、現在のバージョンではハードディスク(仮想ディスク)へのインストールができるようになりました。「デスクトップ Linux 環境推進派」として見逃せないこの環境を早速ためしてみました:
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まず、今回導入したマシンは以下のようなスペックの仮想マシンです。おそらく実機でも問題ない、はず:
 ハイパーバイザー: KVM on CentOS 6
 仮想CPU: 1
 仮想メモリ: 1GB
 仮想ディスク: 10GB

まず最新の PIXEL for PC をダウンロードします。僕が今回使ったのはこの 2017/06/22 版の iso イメージです(2GB ほどあります):
http://downloads.raspberrypi.org/rpd_x86/images/rpd_x86-2017-06-23/2017-06-22-rpd-x86-jessie.iso


このイメージを使って仮想マシンを作成して起動します。実機の場合は iso を DVD に焼いて、その DVD をドライブに入れて起動することだと読み替えてください。なお(後でわかることですが)PIXEL for PC は Debian 8 ベースなので、仮想マシン作成時の OS の種類とバージョンは Debian 8 に相当するものを指定しています:
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なお作成時のオプションとして、(今回は)アーキテクチャに 64bit 版を選択しました。このあたりは実際に導入する環境に合わせてください:
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そんなこんなで ISO から起動します。最初に表示されるブートメニューでは "Graphical install" を選択しました:
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GUI インストーラーが起動します(この右上に "Debian 8" って表示されてますね)。最初にキーボードの種類を選択します。ここでは日本簿キーボードである "Japanese" を選択しました。選択後、 "Continue" で次の画面へ:
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ここで ISO をイメージを探して、そこから色々ロードして、・・・と少し待ちます:
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ここからが本格的なインストールオプションの指定になります。まずはインストール先ディスクとボリュームを指定します。僕はデフォルトの "use entire disk" を選択しましたが、LVM(論理ボリュームマネージャー)や暗号化 LVM を使う場合は適宜指定します。終わったら "Continue" :
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次にインストール先ディスクの選択を行います。この例ではディスクは1台しかないので、その1台のディスクを選択して "Continue" :
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選択したディスクのパーティショニングを指定します。ここでは(ディスクが大きくもないので)デフォルトの "All files in one partition"(全ファイルを1つのパーティションにコピー)を選択しています。そして "Continue":
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スワップ領域と合わせたパーティショニングの情報が表示されます。この内容で問題がなければ "Finish partitioning and write changes to disk" を選択して "Continue":
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ディスクに変更の書込みを行う直前の確認画面です。変更を行う場合は "Yes" を選択して "Continue":
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この後はパーティションのフォーマットが行われ・・・:
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インストール(ファイルコピー)が開始されます。環境にもよりますが、しばらく(数十分程度)待ちます:
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このような(GRUB がなんたら・・)画面になればファイルコピー完了はもうすぐです:
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ファイルコピーが済んだら最後に GRUB のインストールを行います。この画面では "Yes" を選択して "Continue" :
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GRUB のインストール先ディスクを指定します。今回は1つしかないので、その1つを選択して "Continue":
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最後のインストール作業が行われ・・・:
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この画面になったら再起動前にドライブに挿入している DVD(iso)を取り外します。iso の場合は仮想ドライブから iso ファイルを切断します。そして最後の "Continue" :
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最後に後処理が行われ、自動的に再起動がかかります:
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PIXEL の再起動がかかった直後はこんな画面になります:
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その後、おなじみのラズベリーアイコンが表示され・・・:
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PIXEL のデスクトップ画面が起動します! あのラズベリーパイではなく、(仮想)PC 上で Raspbian OS が起動しました。もちろん Raspbian OS 同様に利用できます:
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PIXEL でも標準で Scatch などは導入済みですぐに使い始めることができます。一方で Node-RED などは別途導入が必要なので、全く同じ構成というわけではなさそうです:
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もともと Debian っぽく使えていた Raspbian ですが、マシンの基本スペックが高いぶんだけ PIXEL の方が快適に感じるかもしれません。日本語化も含めたインストール作業後の諸設定はまた別途。