IBM Bluemix で Context Path Route(以下、「コンテキストルーティング」)を行う方法が紹介されていました:
Context path routes for your Bluemix Cloud Foundry apps
https://www.ibm.com/blogs/bluemix/2017/01/context-path-routes-hour-bluemix-cloud-foundry-apps/
「コンテキストルーティング」とは URL のパス部分を使ったルーティングの仕組みです。以下の例を使って紹介します。 "myapp.yourbluemix.net" というホストが稼働しており、ここでは色々な機能が稼働しています。例えばメインのポータル機能は http://myapp.yourbluemix.net/ で、ドキュメント管理機能は http://myapp.yourbluemix.net/docs/ 以下で、サーバー管理機能は http://myapp.yourbluemix.net/admin/ 以下で実装されている、といった具合です。ユーザーからは同じホスト名(myapp.yourbluemix.net)にアクセスしており、同一のサーバーを使っているように見えています:
コンテキストルーティングを使うと、実際にはより強固&柔軟な構成で実現できます。例えば上記で紹介した3つの機能を全て別々のサーバー上に実装した上で、ユーザーにそれぞれのホストに(異なるホスト名へ)アクセスさせるのではなく、同じホスト名でのアクセスを可能にします。そして URL のパス部分でどのサーバーを使うかのルーティングを定義します。以下の例では /docs 以下にアクセスする場合は mydocs.yourbluemix.net へ、/admin 以下にアクセスする場合は myadmin.yourbluemix.net へ、それ以外は myapp.yourbluemix.net へ、といった具合です:
これがコンテキストルーティングです。これを IBM Bluemix 環境のアプリケーションでも行う方法が上記ブログにて紹介されていました。ブログで紹介されていたのは Node.js ランタイムと Python ランタイムを使った方法でした。自分は Node.js と PHP で試してみたところ少し挙動が変わっていたようでした。それがランタイムの種類の違いに起因しているのかどうかは分からないのですが、、自分で動作確認した方法を以下に紹介します。なお実際に以下の手順を実行するには Bluemix アカウントと cf コマンドラインツールが必要になるので、事前に自分の環境にあった cf をダウンロードしてインストールしておいてください。
まずシステム構成、およびルーティングルールを以下のようなものとします:
- 2台のランタイムおよびアプリケーションを用意する:
- dotnsf-cr.mybluemix.net (Node.js)
- dotnsf-cr-php.mybluemix.net (PHP)
- ユーザーがアクセスする URL は http://dotnsf-cr.mybluemix.net/ 以下のみ
- dotnsf-cr.myblutemix.net/phpapp/ 以下へのアクセスを dotnsf-cr-php.mybluemix.net/phpapp 以下の PHP アプリケーションにルーティングする。それ以外は dotnsf-cr.mybluemix.net の Node.js アプリケーションが処理する
- PHP アプリケーションが稼働する dotnsf-cr-php.mybluemix.net への直接アクセスはエラーとして処理する
Bluemix らしく、2つの異なるランタイムで仮想的な1つのシステムを作ってみることにしました。で、こんなソースコードを用意しました:
https://github.com/dotnsf/BluemixContextRoutingSample
上記サイトよりソースコードをダウンロード&展開するか git clone して入手してください。展開後に manifest.yml をテキストエディタで開き、以下の赤字部分を自分用のものに変更してください:
Node.js ランタイムには dotnsf-cr 、PHP ランタイムには dotnsf-cr-php という名前を付けており、最終的にはどちらも dotnsf-cr.myblutemix.net という名前でアクセスできるようにコンテキストルーティングを設定する、という内容です(つまりこの1つの manifest.yml で2つのランタイムの定義をしています)。上記の赤字部分を皆様のアプリケーション名に合わせて変えて使ってください。また US-SOUTH 以外のデータセンターを使う場合はドメインを(例えば eu-gb.mybluemix.net などに)適宜変更してください。
こうして作成したソースコードを cf ツールでプッシュします。manifest.yml 内に(2つのランタイムそれぞれを作るための)必要な情報が全て記述されているので1回の "cf push" だけで実行されます:
↑まずは Node.js アプリケーションである dotnsf-cr のプッシュから始まります
↑Node.js アプリケーションのビルドが行われている様子です
↑ Node.js アプリケーションのプッシュが完了した様子です。そして間髪をいれずそのまま PHP アプリケーションである dotnsf-cr-php のプッシュが始まります。
↑途中でルーティング処理が行われている様子が確認できます。
↑PHP アプリケーションのプッシュも終わりました。dotnsf-cr-php という名前のアプリケーションですが、その URL が dotnsf-cr.myblutemix.net/phpapp に設定されていることがわかります。
この状態でダッシュボードを確認するとこのようになっているはずです。Node.js と PHP 2つのランタイムが追加されて実行中になっています。これらのルーティング先はどちらも同じものになっていることを確認してください。
この状態で http://dotnsf-cr.mybluemix.net/ にアクセスすると Node.js 内の public/index.html が表示されます:
また https://dotnsf-cr.mybluemix.net/about にアクセスすると、Node.js の app.js 内で定義された内容に従ったメッセージが表示されます:
一方、http://dotnsf-cr.mybluemix.net/phpapp/ にアクセスすると、このパスの場合は PHP ランタイムにルーティングされ、PHP ランタイム内の index.php が表示されるはずです:
というわけで、Bluemix でもコンテキストルーティングが実現できることが確認できました。他のランタイム環境でも、3種類以上であってもルーティングの設定だけで同様に実現できると思います。
Context path routes for your Bluemix Cloud Foundry apps
https://www.ibm.com/blogs/bluemix/2017/01/context-path-routes-hour-bluemix-cloud-foundry-apps/
「コンテキストルーティング」とは URL のパス部分を使ったルーティングの仕組みです。以下の例を使って紹介します。 "myapp.yourbluemix.net" というホストが稼働しており、ここでは色々な機能が稼働しています。例えばメインのポータル機能は http://myapp.yourbluemix.net/ で、ドキュメント管理機能は http://myapp.yourbluemix.net/docs/ 以下で、サーバー管理機能は http://myapp.yourbluemix.net/admin/ 以下で実装されている、といった具合です。ユーザーからは同じホスト名(myapp.yourbluemix.net)にアクセスしており、同一のサーバーを使っているように見えています:
コンテキストルーティングを使うと、実際にはより強固&柔軟な構成で実現できます。例えば上記で紹介した3つの機能を全て別々のサーバー上に実装した上で、ユーザーにそれぞれのホストに(異なるホスト名へ)アクセスさせるのではなく、同じホスト名でのアクセスを可能にします。そして URL のパス部分でどのサーバーを使うかのルーティングを定義します。以下の例では /docs 以下にアクセスする場合は mydocs.yourbluemix.net へ、/admin 以下にアクセスする場合は myadmin.yourbluemix.net へ、それ以外は myapp.yourbluemix.net へ、といった具合です:
これがコンテキストルーティングです。これを IBM Bluemix 環境のアプリケーションでも行う方法が上記ブログにて紹介されていました。ブログで紹介されていたのは Node.js ランタイムと Python ランタイムを使った方法でした。自分は Node.js と PHP で試してみたところ少し挙動が変わっていたようでした。それがランタイムの種類の違いに起因しているのかどうかは分からないのですが、、自分で動作確認した方法を以下に紹介します。なお実際に以下の手順を実行するには Bluemix アカウントと cf コマンドラインツールが必要になるので、事前に自分の環境にあった cf をダウンロードしてインストールしておいてください。
まずシステム構成、およびルーティングルールを以下のようなものとします:
- 2台のランタイムおよびアプリケーションを用意する:
- dotnsf-cr.mybluemix.net (Node.js)
- dotnsf-cr-php.mybluemix.net (PHP)
- ユーザーがアクセスする URL は http://dotnsf-cr.mybluemix.net/ 以下のみ
- dotnsf-cr.myblutemix.net/phpapp/ 以下へのアクセスを dotnsf-cr-php.mybluemix.net/phpapp 以下の PHP アプリケーションにルーティングする。それ以外は dotnsf-cr.mybluemix.net の Node.js アプリケーションが処理する
- PHP アプリケーションが稼働する dotnsf-cr-php.mybluemix.net への直接アクセスはエラーとして処理する
Bluemix らしく、2つの異なるランタイムで仮想的な1つのシステムを作ってみることにしました。で、こんなソースコードを用意しました:
https://github.com/dotnsf/BluemixContextRoutingSample
上記サイトよりソースコードをダウンロード&展開するか git clone して入手してください。展開後に manifest.yml をテキストエディタで開き、以下の赤字部分を自分用のものに変更してください:
applications: # Node.js app - name: dotnsf-cr memory: 256M routes: - route: dotnsf-cr.mybluemix.net path: ./node_app/ # PHP app - name: dotnsf-cr-php memory: 256M routes: - route: dotnsf-cr.mybluemix.net/phpapp path: ./php_app/
Node.js ランタイムには dotnsf-cr 、PHP ランタイムには dotnsf-cr-php という名前を付けており、最終的にはどちらも dotnsf-cr.myblutemix.net という名前でアクセスできるようにコンテキストルーティングを設定する、という内容です(つまりこの1つの manifest.yml で2つのランタイムの定義をしています)。上記の赤字部分を皆様のアプリケーション名に合わせて変えて使ってください。また US-SOUTH 以外のデータセンターを使う場合はドメインを(例えば eu-gb.mybluemix.net などに)適宜変更してください。
こうして作成したソースコードを cf ツールでプッシュします。manifest.yml 内に(2つのランタイムそれぞれを作るための)必要な情報が全て記述されているので1回の "cf push" だけで実行されます:
↑まずは Node.js アプリケーションである dotnsf-cr のプッシュから始まります
↑Node.js アプリケーションのビルドが行われている様子です
↑ Node.js アプリケーションのプッシュが完了した様子です。そして間髪をいれずそのまま PHP アプリケーションである dotnsf-cr-php のプッシュが始まります。
↑途中でルーティング処理が行われている様子が確認できます。
↑PHP アプリケーションのプッシュも終わりました。dotnsf-cr-php という名前のアプリケーションですが、その URL が dotnsf-cr.myblutemix.net/phpapp に設定されていることがわかります。
この状態でダッシュボードを確認するとこのようになっているはずです。Node.js と PHP 2つのランタイムが追加されて実行中になっています。これらのルーティング先はどちらも同じものになっていることを確認してください。
この状態で http://dotnsf-cr.mybluemix.net/ にアクセスすると Node.js 内の public/index.html が表示されます:
また https://dotnsf-cr.mybluemix.net/about にアクセスすると、Node.js の app.js 内で定義された内容に従ったメッセージが表示されます:
一方、http://dotnsf-cr.mybluemix.net/phpapp/ にアクセスすると、このパスの場合は PHP ランタイムにルーティングされ、PHP ランタイム内の index.php が表示されるはずです:
というわけで、Bluemix でもコンテキストルーティングが実現できることが確認できました。他のランタイム環境でも、3種類以上であってもルーティングの設定だけで同様に実現できると思います。
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