東芝 dynabook N29 を1週間の出張に持って行って使ってみた感想をまとめます。
最大の特徴は 8.9 インチという画面サイズを実現した小型化を実現した上でのフルキーボードモデルであるということ。そしてこのキーボードがデタッチャブルとなっていて、画面部分だけを取り外して Windows 10 タブレットとしても使える、ということです:
この N29 は自分にとってのメインで利用する機種ではなく、購入後もあまりまとめて利用する機会がありませんでした。このたび1週間ほどの出張に出かける機会があったので、そこに N29 を持ち込んで使う、という目的で使ってみました。
余談ですが、この N29 はネットの一部では「Libretto の再来」と呼ばれています。Libretto を初代の 20 モデルから使い続けていた自分としてはこの評判から気になっていたモデルでした。
最初にカタログ上のスペックをまとめておきます。詳細はこちらを参照していただくとして、ざっとこんな感じ:
また、自分のこの N29 の使い方ですが、ほぼ 100% キーボードを接続した状態で使います。主目的はウェブとプログラミング、そして SSH などコマンドラインを使ったサーバー管理といった所。要はタブレットとしてキーボードを外して使う、というのは、ごくたまに「自慢する時」だけです。なので、Windows 10 もタブレットモードを無効にして使っています。その利用方法を前提として以下を記載します。
結論を最初に書くと「外付けマウスを併用すると結構使える。マウスなしだと使いにくい」です。8.9 インチという A6 に近いサイズを実現するためキーボード配列が特殊になっています。例えばですが右 SHIFT はありません(SHIFT キーは左のみ)。あと基本は日本語キーボード配列なのですが、 \ など一部のキーの配置が一般的なものとは異なっていて、ブラインドタッチに慣れた人でもたまに間違えると思います。小型化を優先した結果だと思いますが、必ずしも打ちやすいキーボードではありませんでした(まあ、でも慣れの範囲だと思う)。 そしてそれ以上に使いにくかったのがキーボード付属のクリックパッドです。右と左の判断が甘いのか、右クリックのつもりで使っても左クリックと判断されることが(今でも)結構な頻度であります。マルチタッチに対応しているのでスクロール(二本指で上下)などは簡単に行えますが、どちらかというと使いにくいインターフェースでした。ここはキーボード部分にある USB ポートを使って外付けマウスを付けた方がいいと思いました。なお画面は 8.9 インチですが、解像度は 1920x1200 と(このサイズを考えれば)かなり高めです。また1つ上の N40 モデルにすることで一回り大きなキーボードを手に入れることもできます。
そしてストレージは 64 GB のフラッシュメモリです。起動速度を意識しての eMMC だと思いますが、この中に色々保存するのは無理があるので、自分は 64GB の MicroSD カードを挿入して、データはそちらに置くようにしました。128 GB あれば、あとはクラウドストレージを併用してなんとか使える、という印象です。
N29 は基本スペックが上記のようにあまり高くないので、重めのアプリを入れて使うことには向かないと思っています。自分は普段はアプリケーション開発用に Eclipse を使うのですが、これはかなり苦しいアプリです。逆に Chrome やテキストエディタにはほぼ支障ありません。ただメモリが少ないせいか、Chrome でタブを開きすぎると、タブを切り替える度に再読み込みが発生し、スムーズなタブ切り替えが出来るわけではない、という印象を持ちました。
N29 の形状ですが、クラムシェルを閉じるとバッテリー部分が本体から飛び出す形になります。実はこれが結構便利な仕様でした:

この飛び出した部分は、クラムシェルを開いた時にキーボードを押し上げる形になり、キーボードに自然な傾斜が生まれます。つまり「画面を開くと少し傾いて打ちやすくなる」のでした。これは目からウロコの、なかなか面白いトリックです。実際これで腕が疲れにくくなり、結構楽に使えました:

そして特筆すべきと思ったのがバッテリーの持ちです。キーボードを併用することで事実上2つのバッテリーを使うことになっている、という背景もあると思いますが、かなり持つという印象でした。カタログスペック上では 12 時間ということですが、本当に(連続で)そのくらい持つのではないかというくらいの減り方でした。ストレージがメモリオンリーなのと、重いアプリを初めから諦めて使っていなかったということも関係あるかもしれません。でもかなり優秀なバッテリー消費という印象でした。
(オマケ)
少しだけ余談を。モバイル PC やタブレットを使う上で、「Bluetooth の外付けキーボードを使う」ことについて触れておきたいです。自分の考えは外付けキーボードを根本から否定するつもりはないのですが、「できれば使いたくない」派です。理由は2つ。
まずモバイル PC やタブレットは機動性を重視しています。要は「持ち歩きやすさ」も要素の1つだと思っています。一方でデベロッパーやサーバー管理者にとっては(プログラミングや SSH などで)キーボード操作は避けて通れません。そういった中で外付けキーボードを別途持ち歩く必要がある、というのは自分にとっては好ましくありません。
もう1つの理由は外付けキーボードのバッテリーを意識する必要がある点です。ただでさえスマホが個人用/会社用と複数台あって、そこにモバイル PC もあって、複数マシンのバッテリーを意識していないといけないのに、更に外付けキーボードのバッテリーも管理下に加える、というのは避けたいのでした。
これらの理由から、自分はモバイル PC に Bluetooth キーボードは「避けて通れるなら避けたい」のでした。その点では今回紹介した N29 や、Microsoft Surface は評価を高く考えています。また同じ理由でマウスも Bluetooth ではなく有線の USB マウスを持ち歩くようにしています。
(オマケ終わり)
というわけで、自分のようにテキストエディタや SSH で、比較的キーボードを多用する使い方の人にとっては N29 はマウスを併用することでそれなりに使いやすいモバイルノート PC という印象です。逆に画像編集やオフィスアプリ利用などだと(標準アプリが貧弱ということもあって)ちょっと不便に感じるかもしれません:
最大の特徴は 8.9 インチという画面サイズを実現した小型化を実現した上でのフルキーボードモデルであるということ。そしてこのキーボードがデタッチャブルとなっていて、画面部分だけを取り外して Windows 10 タブレットとしても使える、ということです:

この N29 は自分にとってのメインで利用する機種ではなく、購入後もあまりまとめて利用する機会がありませんでした。このたび1週間ほどの出張に出かける機会があったので、そこに N29 を持ち込んで使う、という目的で使ってみました。
余談ですが、この N29 はネットの一部では「Libretto の再来」と呼ばれています。Libretto を初代の 20 モデルから使い続けていた自分としてはこの評判から気になっていたモデルでした。
最初にカタログ上のスペックをまとめておきます。詳細はこちらを参照していただくとして、ざっとこんな感じ:
CPU | インテル Atom Z3735 1.33GHz 4コア 4スレッド |
メモリ | 2GB |
ディスプレイ | 8.9 インチ 1920x1200 タッチパネル対応 |
キーボード | 65 キー + マルチタッチ対応クリックパッド |
ストレージ | 64 GBフラッシュメモリ(空きは約 49GB) |
ネットワークインターフェース | 無線LAN, Bluetooth |
SD カード | MicroSD x 1 (キーボード接続時に SD x 1) |
外部インターフェース | ヘッドセット端子 x 1 MicroUSB x 1(充電用) HDMI(micro) x 1 (キーボード接続時に USB x 1) |
バッテリー駆動時間 | 約6時間(キーボード接続時だと約 12 時間) |
外形寸法(mm) | 235 x 161 x 9.8 (キーボード接続時だと 235 x 170.6 x 19.9) |
重量 | 479g(キーボード接続時だと 989 g) |
OS | Windows 10 Home 32bit |
付属アプリ | Microsoft Office Mobile 筆ぐるめ22 ウィルスバスタークラウド90日間、等 |
また、自分のこの N29 の使い方ですが、ほぼ 100% キーボードを接続した状態で使います。主目的はウェブとプログラミング、そして SSH などコマンドラインを使ったサーバー管理といった所。要はタブレットとしてキーボードを外して使う、というのは、ごくたまに「自慢する時」だけです。なので、Windows 10 もタブレットモードを無効にして使っています。その利用方法を前提として以下を記載します。
結論を最初に書くと「外付けマウスを併用すると結構使える。マウスなしだと使いにくい」です。8.9 インチという A6 に近いサイズを実現するためキーボード配列が特殊になっています。例えばですが右 SHIFT はありません(SHIFT キーは左のみ)。あと基本は日本語キーボード配列なのですが、 \ など一部のキーの配置が一般的なものとは異なっていて、ブラインドタッチに慣れた人でもたまに間違えると思います。小型化を優先した結果だと思いますが、必ずしも打ちやすいキーボードではありませんでした(まあ、でも慣れの範囲だと思う)。 そしてそれ以上に使いにくかったのがキーボード付属のクリックパッドです。右と左の判断が甘いのか、右クリックのつもりで使っても左クリックと判断されることが(今でも)結構な頻度であります。マルチタッチに対応しているのでスクロール(二本指で上下)などは簡単に行えますが、どちらかというと使いにくいインターフェースでした。ここはキーボード部分にある USB ポートを使って外付けマウスを付けた方がいいと思いました。なお画面は 8.9 インチですが、解像度は 1920x1200 と(このサイズを考えれば)かなり高めです。また1つ上の N40 モデルにすることで一回り大きなキーボードを手に入れることもできます。
そしてストレージは 64 GB のフラッシュメモリです。起動速度を意識しての eMMC だと思いますが、この中に色々保存するのは無理があるので、自分は 64GB の MicroSD カードを挿入して、データはそちらに置くようにしました。128 GB あれば、あとはクラウドストレージを併用してなんとか使える、という印象です。
N29 は基本スペックが上記のようにあまり高くないので、重めのアプリを入れて使うことには向かないと思っています。自分は普段はアプリケーション開発用に Eclipse を使うのですが、これはかなり苦しいアプリです。逆に Chrome やテキストエディタにはほぼ支障ありません。ただメモリが少ないせいか、Chrome でタブを開きすぎると、タブを切り替える度に再読み込みが発生し、スムーズなタブ切り替えが出来るわけではない、という印象を持ちました。
N29 の形状ですが、クラムシェルを閉じるとバッテリー部分が本体から飛び出す形になります。実はこれが結構便利な仕様でした:

この飛び出した部分は、クラムシェルを開いた時にキーボードを押し上げる形になり、キーボードに自然な傾斜が生まれます。つまり「画面を開くと少し傾いて打ちやすくなる」のでした。これは目からウロコの、なかなか面白いトリックです。実際これで腕が疲れにくくなり、結構楽に使えました:

そして特筆すべきと思ったのがバッテリーの持ちです。キーボードを併用することで事実上2つのバッテリーを使うことになっている、という背景もあると思いますが、かなり持つという印象でした。カタログスペック上では 12 時間ということですが、本当に(連続で)そのくらい持つのではないかというくらいの減り方でした。ストレージがメモリオンリーなのと、重いアプリを初めから諦めて使っていなかったということも関係あるかもしれません。でもかなり優秀なバッテリー消費という印象でした。
(オマケ)
少しだけ余談を。モバイル PC やタブレットを使う上で、「Bluetooth の外付けキーボードを使う」ことについて触れておきたいです。自分の考えは外付けキーボードを根本から否定するつもりはないのですが、「できれば使いたくない」派です。理由は2つ。
まずモバイル PC やタブレットは機動性を重視しています。要は「持ち歩きやすさ」も要素の1つだと思っています。一方でデベロッパーやサーバー管理者にとっては(プログラミングや SSH などで)キーボード操作は避けて通れません。そういった中で外付けキーボードを別途持ち歩く必要がある、というのは自分にとっては好ましくありません。
もう1つの理由は外付けキーボードのバッテリーを意識する必要がある点です。ただでさえスマホが個人用/会社用と複数台あって、そこにモバイル PC もあって、複数マシンのバッテリーを意識していないといけないのに、更に外付けキーボードのバッテリーも管理下に加える、というのは避けたいのでした。
これらの理由から、自分はモバイル PC に Bluetooth キーボードは「避けて通れるなら避けたい」のでした。その点では今回紹介した N29 や、Microsoft Surface は評価を高く考えています。また同じ理由でマウスも Bluetooth ではなく有線の USB マウスを持ち歩くようにしています。
(オマケ終わり)
というわけで、自分のようにテキストエディタや SSH で、比較的キーボードを多用する使い方の人にとっては N29 はマウスを併用することでそれなりに使いやすいモバイルノート PC という印象です。逆に画像編集やオフィスアプリ利用などだと(標準アプリが貧弱ということもあって)ちょっと不便に感じるかもしれません:
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