Bluemix 上のデータストレージサービスである Cloudant と dashDB はデータを連携することができます。以前には Cloudant から dashDB へのレプリケーションによって実現できる、という記事を紹介しました:
Cloudant => dashDB の単方向レプリケーション

簡単に紹介すると dashDB 側から Cloudant のデータをプルする形で複製を作ることで実現する、という内容だったのですが、2016/Jan/28 時点ではこの方法は使えなくなっています。代わりに Cloudant 側から dashDB 上にデータウェアハウス用DBを作る、という(逆の)データエクスポート機能によって実現できるようになりました。 というわけで、その手順を紹介します。


まずは Cloudant 側にエクスポートするデータが格納されている必要があります。既に Cloudant でデータが溜まっているのであればそのデータを使ってください。これからデータを集める場合は Bluemix の Node-RED スターターで集めるのが簡単だと思います:
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"Node-RED Starter" ボイラープレートを使って、アプリケーション環境を作成します:
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Bluemix 上に Node.js アプリケーションサーバーと Cloudant データベースサーバーが作られ、Node-RED アプリケーションが稼働している状態が作れました。ここから Node-RED 画面に移動します:
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ここで Node-RED を使ってセンサーのデータを集めます。この辺りの詳しい手順はこちらを参照してください:
Bluemix の Node-RED サービスで IoT アプリを作る(1/2)
Bluemix の Node-RED サービスで IoT アプリを作る(2/2)
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この例では Cloudant 上の "iotdata" データベースにデータを集めました。このデータベースを dashDB にエクスポートしてみます:
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左メニューの "Warehousing" を選び、サブメニューの "Warehouses" を選択すると、現在作成されたウェアハウスの一覧が表示されます。初回は一覧に何もないので "Create a warehouse" ボタンがあるだけだと思います。今からウェアハウスを作るのでこのボタンをクリックします(またはメニューから "Warehousing" - "Create  a Warehouse" を選択します):
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「ウェアハウス」の実体が Bluemix 上の dashDB になります。というわけで、ここで Bluemix の ID とパスワードを入力してログインします:
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ログイン後、作成するウェアハウスの情報を入力します。ウェアハウスの名前を指定し、そして(今回は)ウェアハウスの dashDB を新規に作成するので "Create new dashDB instance" を選択します:
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そしてウェアハウス化する Cloudant のデータベースを指定します。今回は "iotdata" というデータベースを対象にします。途中まで入力すると候補が出てくるのでそこから選びます:
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対象データベースに "iotdata" が追加されました。必要に応じてここで複数のデータベースを追加指定することも可能です。最後に "Create Warehouse" をクリックします:
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しばらく待ちます・・・・
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Cloudant 上の "iotdata" データベースが指定した名前でウェアハウス化されました。"Open in dashDB" をクリックすると dashDB 上のデータとして開くことができます:
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dashDB で開いた時の画面です:
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メニューから Tables を選び、データベース名(IOTDATA)を選択すると、Cloudant から複製されたデータベースが確認できます。下図は Table Definition タブが選択された状態で、テーブル定義を確認できます:
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隣の Browse Data タブを選ぶと、実際のデータレコードが確認できます。Cloudant のデータが RDB である dashDB 内に格納されていることが確認できました:
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ちなみに、この時 Bluemix のダッシュボードを確認すると、未バインドの dashDB インスタンスが米国南部データセンター内に作られていました(元の Cloudant が米国南部以外で作られていても、dashDB は米国南部に作られるようです):
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また、ウェアハウスを作成した段階では Cloudant にも "_warehouser" というデータベースが作成されていました。2ドキュメントなので、おそらく管理用データベースかな:
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