以前に IBM Bluemix を独自ドメインで利用する方法について紹介しました:
IBM Bluemix を独自ドメインで運用する


本エントリでは、特に SSL を使って IBM Bluemix を独自ドメイン運用するための注意点と手順を紹介します。


まず独自ドメインを使わない場合、IBM Bluemix 上のウェブアプリケーションには米国リージョンの場合で****.mybluemix.net(英国リージョンであれば ****.eu-gb.mybluemix.net)というホスト名が割り当てられます。**** 部分はアプリケーション作成時に指定したものが使われます。 以下、説明をシンプルにするため、米国リージョンでの利用を前提として説明を続けます)。

このホスト名を SSL で利用する場合の SSL 証明書は mybluemix.net 側で(つまり IBM 側で)用意されていることになります。特に **** 部分にどのような文字列が来るか想定できない前提で SSL を使うので、その証明書はワイルドカード対応のものが用意されている、ということになります。


さて、独自ドメインで IBM Bluemix を使う場合の注意点として、そのドメインの SSL 証明書は利用者が用意する必要があり、加えて上記の理由からその証明書はワイルドカード対応のものを用意する必要がある、ということになります。

現在、SSL 証明書を発行してくれるサービスは国内外でいくつかあります。ただ IBM Bluemix で利用するドメインの SSL 証明書を発行してもらうためには、ワイルドカード対応のものを発行してもらう必要があるのですが、全ての業者がワイルドカード対応の証明書を発行してくれるわけではありませんワイルドカード対応の SSL 証明書を発行してくれる業者の中から選んで注文する、という点に注意が必要です。


ただ、特定の限られた用途での利用など、いわゆる「オレオレ証明書」でもいい、という場合は、自分でワイルドカードに対応した SSL 証明書を用意することでも対応は可能です。ワイルドカードに対応した SSL 証明書を自分で発行する場合の手順はこちらを参照してください:
ワイルドなオレの証明

以下はこの方法で用意した SSL 鍵および証明書を使った前提で紹介を続けます(手順そのものは正式な証明書を使った場合も同様です)。

まず冒頭で紹介した「IBM Bluemix を独自ドメインで運用する」の手順を進めて、「組織の管理」メニューからドメインの追加を行います:
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追加する独自ドメイン(この例では "yellomix.net")を指定して「保存」します:
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保存後、「SSL 証明書」と書かれた列に証明書アップロードのためのボタンが表示されるので、ここをクリックします:
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証明書ファイルと秘密鍵ファイルを指定してアップロードします。もし中間証明書ファイルをお持ちで、追加したい場合は中間証明書ファイルも指定します。最後に「アップロード」ボタンをクリックします:
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先ほどのボタンがグリーンに変わっていれば証明書ファイルのアップロードは完了です:
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では独自ドメインでアプリケーション・サーバーを1つ作成して、SSL でアクセスする、という動作確認を行ってみます。まずは Bluemix 上に(動作確認なので中身はあってもなくてもいいと思いますが)ランタイムまたはボイラープレートから作成したランタイムを作ります。その際にドメイン情報として、追加した独自ドメインを指定するようにします:
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ランタイムアプリケーションを作成すると、経路の情報としてホスト名が表示されます。先ほど独自ドメインを指定したので独自ドメインにアプリ名が付与されたホスト名になっているはずです:
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DNS 側でもこのホスト名の名前解決ができるような設定をしておきます。このランタイムに付けた名前(dotnsf-ibm-wordpress)の CNAME として、元々デフォルトで割り振られるはずだった名前(dotnsf-ibm-wordpress.mybluemix.net)を参照するように指定します。この部分は各々でお使いの DNS ツールの方法に従ってください:
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これで設定は完了しています。確認のため実際にブラウザを使って、作成したランタイムのホスト名に対して https:// でアクセスしてみましょう。オレオレ証明書を使った場合は、ブラウザの種類にもよりますが、「接続の安全性を確認できない」云々、といった確認画面になると思います。ある意味、正しく SSL が動いている証拠と言えます:
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理解した上で許可すれば SSL で(httpsで)見れるようになります。このホスト名を直接指定した形では SSL 証明書を作っていませんでしたが、ワイルドカード指定で作成した SSL 証明書が IBM Bluemix に正しくインポートされて動いていることが確認できました:
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