このブログエントリを書こうと思ったキッカケはこの技術記事でした:
MySQL / MariaDB 5.7 on POWER8 パフォーマンス情報

MariaDB を Power8 搭載サーバー(の Linux)上で動かすと非常に高いパフォーマンスを発揮させることができる、という内容です。

現在、Power サーバー上で動く RHEL(RedHat Enterprise Linux) 6.6 では、普通に yum で MySQL をインストールすることはできます。ただ標準リポジトリに用意されている MySQL のバージョンは低く、上記記事で書かれたパフォーマンス改善パッチが適用されたものではありません。 また MariaDB のバイナリはまだ Power Linux 向けには提供されておらず、厳密には正式な稼働プラットフォームでもありません。 というわけで、Power Linux 上で MariaDB をソースコードからビルドして動かすまでの手順を紹介します。

まずは環境の用意です。ほとんどの人は Power チップ搭載サーバーを使える環境は手元にないと思いますが、IBM のビジネスパートナーであれば、ビジネスパートナー向けに無償で(クラウド経由で)提供されている IBM PDP(Power Development Platform) を使うことも可能です。IBM PDP の説明や RHEL on Power の利用手順についてはこちらを参照ください:
Power 版 RHEL(RedHat Enterprise Linux) を無料で2週間借りる(1/2)
Power 版 RHEL(RedHat Enterprise Linux) を無料で2週間借りる(2/2)
IBM PDP で Power Linux をすぐに使えるように予約する


今回、MariaDB をソースコードからコンパイルしてインストールします。その場合、RHEL の導入時に "Development Tools" を導入しておく必要があります:
# yum groupinstall "Development Tools"

また、libaio-devel パッケージが必要です:
# yum install libaio-devel

更に、MariaDB をソースファイルからコンパイルする際のビルドツールには configure ではなく cmake を使います。というわけで cmake を事前に導入しておきます:
# yum install cmake


事前準備ができたら早速 MariaDB のソースコードを公式サイトからダウンロードします。このブログエントリを書いている時点での最新安定バージョンは 10.0.15 だったので、これを使います(上記記事のパフォーマンス改善パッチが適用後のバージョンです)。

ダウンロードサイトから "Source" と書かれた mariadb-X.X.X.tar.gz(X.X.X はバージョンなので、今回であれば 10.0.5)のリンクをクリックして、このファイルをダウンロードします:
2014122901


ダウンロードできたら /usr/local/src 以下に展開します:
# cd /usr/local/src
# tar xzvf ~/mariadb-10.0.15.tar.gz

ここからが Power Linux 用の特殊な部分です。最初に cmake で Makefile を作りますが、以下のオプションを付けて cmake を実行します:
# cd mariadb-10.0.15
# cmake . -DLDLIBS=-lpthread -DCMAKE_C_FLAGS=-mminimal-toc -DCMAKE_CXX_FLAGS=-mminimal-toc -DBUILD_CONFIG=mysql_release

cmake コマンドが正常終了したら make でビルドして、インストールします:
# make
# make install

これで Power Linux の /usr/local/mysql 以下に MariaDB が導入されます。