特殊なクラスタの人しか興味ないネタで恐縮ですが・・・
「コンパスと定規だけで円を中心角で14等分する」という課題、皆さん解けますか? コンパスと定規だけ、つまり分度器の使用はNG、という条件です。またここでの「定規」は「目盛りの振られたもの(ある程度の細かさで長さを測ることができるもの)」いう意味で使います。
2等分は中心を通る直線を書けば必ず2等分されるので簡単ですよね。「角の2等分線」の書き方を知っていれば4等分、8等分、16等分、・・・もできます:
ちょっとややこしい話になりますが、実は3等分、5等分も可能です。この辺りについて、詳しくはウィキペディアを参照してください:
定規とコンパスによる作図
さて14等分です。上記のウィキペディアを参照いただけるとわかるのですが、実は「一般的には作図できない」ことがわかっています。意外と難問なのです。ただ「一般的でなければ作図できる」とも言えます。要するに「作図できそうな条件をある程度整えてしまえば作れる」のです。というわけで、その条件を考えながら実際に作ってみましょう。
まず、円を中心角で14等分するということは、その時の中心角 θ は θ = 2 * π / 14 = π / 7 となります。仮に、円の半径を r とすると、この時の図の(弧ではなく)直線 x の長さを求めます:
なぜ x を求めるかというと、この x の長さが分かれば、円周上の任意の一点を中心に長さ x 円との交点を求めれば、その任意の点と交点の両方が14等分した時の円周との交点になります。そして更にその交点を中心とした長さ x の円との交点も14等分した時の円周との交点になります。つまりこの x の長ささえ分かってしまえば、定規とコンパスだけで14等分できる、ということになるのです。
で、この x の値がどうなるかを三平方の定理と三角関数を使って求めると(途中式略)このような値になります: x = r * √(2(1-cosθ))
今 θ = π / 7 とわかっているので、cosθ = 0.90096886790.. となり、したがって x = r * 0.4450418679.. ということになります。後はこの x が定規で図れるような長さになるように r を調整してあげればよい、ということになります。
例えば r = 5cm であれば、x = 2.2252093.. ≒ 2.2(cm) 。つまり「半径 5cm の円を描いて、その円周上の任意の点から 2.2 cm の距離にある点を順次 14 個求めていくと、その点と中心角を結んだ14本の線は円を(ほぼ)14等分する線になる」わけです。
論より証拠、やってみましょう。まずは半径 5cm の円をコンパスで書きます:
円周上の任意の点に印を付け、ここからコンパスで 2.2cm の距離にある円周上の点にも印を付けます:
新たに印を付けた点から再度 2.2cm の距離にある円周上の点を求めていきます。この作業を繰り返します:
この 2.2cm というのが近似値なので最後に少しズレが生じる可能性もありますが、これでほぼ14等分する点が求められるはずです:
最後に求めた点と中心とを直線で結ぶと円の14等分が完成するはず! です。「一般的には描けない」図を「描けるような条件を与える」ことで描けるようになりました:
円を14等分する方法が分かってしまえば後はこれを応用して、2重円を作り、外側を14等分、内側を(普通に)8等分すると、本来描きたかった(?)こんな図も描けるようになります:
これでコンパスと定規だけで JIS マンホール蓋が描けるようになりました!
「コンパスと定規だけで円を中心角で14等分する」という課題、皆さん解けますか? コンパスと定規だけ、つまり分度器の使用はNG、という条件です。またここでの「定規」は「目盛りの振られたもの(ある程度の細かさで長さを測ることができるもの)」いう意味で使います。
2等分は中心を通る直線を書けば必ず2等分されるので簡単ですよね。「角の2等分線」の書き方を知っていれば4等分、8等分、16等分、・・・もできます:
ちょっとややこしい話になりますが、実は3等分、5等分も可能です。この辺りについて、詳しくはウィキペディアを参照してください:
定規とコンパスによる作図
さて14等分です。上記のウィキペディアを参照いただけるとわかるのですが、実は「一般的には作図できない」ことがわかっています。意外と難問なのです。ただ「一般的でなければ作図できる」とも言えます。要するに「作図できそうな条件をある程度整えてしまえば作れる」のです。というわけで、その条件を考えながら実際に作ってみましょう。
まず、円を中心角で14等分するということは、その時の中心角 θ は θ = 2 * π / 14 = π / 7 となります。仮に、円の半径を r とすると、この時の図の(弧ではなく)直線 x の長さを求めます:
なぜ x を求めるかというと、この x の長さが分かれば、円周上の任意の一点を中心に長さ x 円との交点を求めれば、その任意の点と交点の両方が14等分した時の円周との交点になります。そして更にその交点を中心とした長さ x の円との交点も14等分した時の円周との交点になります。つまりこの x の長ささえ分かってしまえば、定規とコンパスだけで14等分できる、ということになるのです。
で、この x の値がどうなるかを三平方の定理と三角関数を使って求めると(途中式略)このような値になります: x = r * √(2(1-cosθ))
今 θ = π / 7 とわかっているので、cosθ = 0.90096886790.. となり、したがって x = r * 0.4450418679.. ということになります。後はこの x が定規で図れるような長さになるように r を調整してあげればよい、ということになります。
例えば r = 5cm であれば、x = 2.2252093.. ≒ 2.2(cm) 。つまり「半径 5cm の円を描いて、その円周上の任意の点から 2.2 cm の距離にある点を順次 14 個求めていくと、その点と中心角を結んだ14本の線は円を(ほぼ)14等分する線になる」わけです。
論より証拠、やってみましょう。まずは半径 5cm の円をコンパスで書きます:
円周上の任意の点に印を付け、ここからコンパスで 2.2cm の距離にある円周上の点にも印を付けます:
新たに印を付けた点から再度 2.2cm の距離にある円周上の点を求めていきます。この作業を繰り返します:
この 2.2cm というのが近似値なので最後に少しズレが生じる可能性もありますが、これでほぼ14等分する点が求められるはずです:
最後に求めた点と中心とを直線で結ぶと円の14等分が完成するはず! です。「一般的には描けない」図を「描けるような条件を与える」ことで描けるようになりました:
円を14等分する方法が分かってしまえば後はこれを応用して、2重円を作り、外側を14等分、内側を(普通に)8等分すると、本来描きたかった(?)こんな図も描けるようになります:
これでコンパスと定規だけで JIS マンホール蓋が描けるようになりました!