まだプログラマーですが何か?

プログラマーネタとアスリートネタ中心。たまに作成したウェブサービス関連の話も http://twitter.com/dotnsf

開発開始から4週間、ブロックチェーン対応 RESTful データベース HATOYA がある程度動くようになった記念の Docker イメージを公開します。なお現時点で公開しているのは amd64 版の(x86 Linux 版の)Docker イメージです。

以下ではとりあえず開発用途として使うためのシングルノードで動かす場合の使い方を含めて紹介します(マルチノードで動かすこともできるのですが、、、その説明はまた別の機会に。興味ある方は連絡いただければ何か対応しますw)。


【HATOYA とは?】
HATOYA の特徴は大きくは以下の3点です:
(1) REST API でデータベースやその中のアイテムデータを CRUD(Create/Read/Update/Delete) するデータベースです。
(2) 変更を伴う API(読み取り以外の API)を実行すると、その内容は内蔵ブロックチェーンに自動記録されます。
(3) マルチノードで動かす場合、ブロックチェーン部分はマルチノード間で同期します(データベース部分は同期しません)。
 (3-1)データの破損時や環境引越し時などはマルチノード内の他ノードのブロックチェーンを使って、データベースやブロックチェーンのリストアが可能です。
 (3-2)ブロックチェーンネットワークへはプライベートネットワークからでも参加可能です(この場合、push 型の同期になります)


【事前準備】
x86 版の Docker 環境をインストールしておいてください。後述の公開イメージが amd64 アーキテクチャ用のため、Windows コンテナ版やラズパイコンテナ版ではなく、x86 Linux 用のものが必要です。

※ソースコード的にはラズパイ上でも動くことを確認しています。どなたかラズパイコンテナ用のイメージと併せてマルチアーキテクチャイメージにする具体的な方法をご存知の方がいたら教えていただけると助かります。


【Docker イメージ】
DockerHub 上に公開しました:
https://hub.docker.com/repository/docker/dotnsf/hatoya


2020080300


【起動方法】
イメージを DockerHub から pull して起動します。HATOYA はデフォルトで 4126 番ポートでリクエストを待ち受けるので、同じ 4126 番ポートで待ち受ける形で外部からもリクエストを受け付ける形にするのであれば、以下のように起動します:
$ docker pull dotnsf/hatoya

$ docker run -d -p 4126:4126 dotnsf/hatoya


これで 4126 番ポートで REST API の待受状態になります。同一ホストからのみ http://localhost:4126/doc を開くことで Swagger API ドキュメントを参照/実行することができます(Swagger API ドキュメントは他ホストからでも参照は可能ですが、実際に API を実行することは CORS 制約によりできません):
2020080101



【いくつかの API を実行してみる】
では Swagger API ドキュメントを使って、実際にいくつかの REST API を実行してみます。

※この節で書かれた内容が難しくてわからん、という方は下の「ダッシュボードを使う」を参照してください。同じ操作を GUI で行えます。

例えば、「現在のデータベース一覧」は GET /api/dbs という REST API で取得できます(Swagger API ドキュメント上では GET /dbs と表示されていますが、API は全て /api パス以下にあるため省略表記されています。以下同様):
2020080102


実際に実行するには Swagger API ドキュメントから "Try it out" を押した後に "Execute" を実行します。なおこの画面ではパラメータに token (トークン)を指定できるようになっていますが、今回はトークンを無効にして起動しているので指定する必要はありません(トークンがないと API が実行できないように設定することは可能です):
2020080103


"Execute" すると、実際に実行された内容を curl コマンドで実行した場合のコマンド内容(curl -X GET "http://localhost:4126/api/dbs" -H "accept: application/json")や、エンドポイント URL (http://localhost:4126/api/dbs)とともに実行結果が表示されます:
2020080104


ここでは実行結果は以下のようになっています。この実行結果の意味は実行は成功(status: true)し、データベースの一覧は空([])になっている、という内容でした:
{
  status: true,
  dbs: []
}

※注 HATOYA の REST API は(添付ファイル参照など)バイナリデータを返すもの以外は、実行結果は原則的に JSON データとなります。またその status 要素が true の時は成功、false の時は失敗を意味するよう統一されています。


なお、localhost 以外のホストから同じ API を実行する場合は curl コマンドを参照し、localhost 部分を IP アドレス(以下の例では xx.xx.xx.xx)に置き換えて実行することで実現できます:
$ curl -X GET "http://xx.xx.xx.xx:4126/api/dbs" -H "accept: application/json"

{
  status: true,
  dbs: []
}

この節の以下の説明では全て Swagger API ドキュメントを使って操作しますが、外部から実行する場合は同様にして操作する API と同じ curl コマンドを実行して試してみてください。


ではデータベースを1つ作成してみましょう。データベースの作成は POST /api/{_db} を使って行います:
2020080105


ここでも "Try it out" を押し、パラメータ _db に作成するデータベースの名前(以下の例では "mydb")を指定して "Execute" を実行します:
2020080106


すると実行結果(以下例では { status: true })が表示されます。成功したようです:
2020080107


改めてもう一度先程実行したデータベース一覧の API(GET /api/dbs)を実行します。すると先程空([])だった dbs の値が [ "mydb" ] となり、データベース作成が反映されたことが確認できます:
2020080108


では次に作成したデータベース mydb 内に1つアイテムを作成してみます。アイテムの新規作成 API は POST /api/{_db} で行います(下図では POST /api/{_db}/{_id} となっていますが、この {_id} 部分を指定しないと新規作成とみなすので、結局エンドポイントは POST /api/{_db} となります)。なおエンドポイントがデータベース作成時と同様ですが、ポストデータが存在する場合はアイテムの新規作成、存在しない場合はデータベースの新規作成とみなされます:
2020080101


ではこれまでと同様に一度 "Try it out" をクリックし、_db に "mydb" を指定後、送信 Body 内に保存したい内容の JSON オブジェクト(以下の例では { name: "K.Kimura", hobby: "Programming" })を記入して "Execute" を実行します:
2020080102


実行結果が以下のように( { status: true, id: "xxxxxx" } )表示されます。status: true となっているので処理は成功し、アイテムの id が割り振られて保存されました。その id 値も実行結果内に表示されています:
2020080103


実際にデータベース内にアイテムが格納されたことを確認してみます。データベース内のアイテム一覧を見るには GET /api/{_db} を実行します。この _db パラメータに "mydb" を指定して "Execute" します(なおこの API を実行する際に limit や offset を指定することも可能ですが、今回は使用せずに全データを表示します):
2020080104


こちらが実行結果({ status: true, items: [ "xxxxxx" ], limit: 0, offset: 0 })です。status: true が含まれているので処理は成功し、結果は items: [ "xxxxxx" ] という形で含められています。この items は指定したデータベースに含まれるアイテムの id の配列となっています。この時点では1つだけアイテムが含まれていることがわかります:
2020080105


ではこの id のアイテムが本当に先程入力したアイテムかどうかも確認してみます。特定のアイテムデータを取得するには GET /api/{_db}/{_id} を実行します。このパラメータのうち、_db は "mydb" 、_id は先程取得した items 配列の中に1つだけ含まれていた id の値を指定して "Execute" します:
2020080106


その実行結果がこちら({ status: true, item: { name: "K.Kimura", hobby: "Programming", id: "xxxxxx" } })です。先程の新規作成時に入力した内容が正しく記録されていました:
2020080107


今度はこのアイテムの内容を更新してみます。アイテムを更新する API は先程の新規作成時と同じ POST /api/{_db}/{_id} です({_id} を未指定時に新規作成とみなします)。この _db を "mydb" に、_id を先程指定した id 文字列値にして、body 部を適当に(下例では { name: "キムラ ケイ", hobby: "プログラミング" } と)して "Execute" します:
2020080108


再度アイテムの内容を確認する GET /api/{_db}/{_id} を、 _db に "mydb" 、_id に id 文字列値を指定して実行してみます。実行結果は { status: true, item: { name: "キムラ ケイ", hobby: "プログラミング", id: "xxxxxx" } } となり、正しくアイテムを更新することができました:
2020080109


今度はこのアイテムを削除してみます。アイテム削除の API は DELETE /api/{_db}/{_id} です。同様にして _db に "mydb" を、_id に id 文字列値を指定して "Execute" します:
2020080101


実行後に再度 GET /api/{_db}/{_id} を同じパラメータで実行しても、結果は { status: false } となり、実行に失敗することが確認できます。アイテムが消えてしまったので見つからない、という一覧の結果が確認できました:
2020080102


HATOYA にはこれらの基本的なアイテム CRUD 用 API 以外にも添付ファイルをアイテムとして登録する API があったり、複数アイテムをまとめて作成/更新/削除する、いわゆる「バルク処理」を行う API が存在してます。ここでは紹介しませんが、興味ある方は Swagger API ドキュメントを参照して試してみてください。


さて、ここまでが RESTful DB としての HATOYA の紹介でした。ここから先は HATOYA の特徴的な部分でもあるブロックチェーンプラットフォームとしての機能を紹介します。

ここまでの一連の処理の中で何度かシステムに変更を及ぼす API を実行しました。具体的には (1) mydb データベースの作成 (2) mydb データベースにアイテムを1件新規登録 (3) mydb データベースに登録したアイテムの内容を更新 (4) mydb データベースに登録したアイテムを削除 の計4回変更しています。これらの変更記録は全て HATOYA 内のブロックチェーンに自動登録されています。今度はブロックチェーンの中を参照する API を紹介します。

それが GET /api/ledgers です。早速実行してみよう・・と思うのですが、この API は実行時に serverid という HATOYA サーバーノードの id をパラメータ指定する必要があります。まずはこの serverid を取得しましょう:
2020080103


serverid 情報は GET /api/serverid で取得することができます。まずこの API を実行して、その実行結果に含まれる serverid 値を取り出します:
2020080104


GET /api/serverid 実行結果( { status: true, serverid: "zzzzzz" } )の "zzzzzz" 部分が、このサーバーノードの serverid 値です。今回の GET /api/ledgers 以外にも実行時にこの serverid 値をパラメータ指定する必要のある API がいくつかありますが、全てこの方法で確認可能です:
2020080105


では改めて、取得した serverid を指定して GET /api/ledgers を実行します:
2020080106


実行結果は以下のようになりました:
2020080107

{
  "status": true,
  "ledgers": [
    {
      "prev_id": null,
      "body": [
        {
          "serverid": 1594300581524,
          "method": "create_db",
          "db": "mydb"
        }
      ],
      "timestamps": [
        1596292186611
      ],
      "nonce": 34,
      "id": "0041cf982623372e59bafac8ee055f63b061fa702ea0364e6894fc5c453cd8ae0c0bf5e094892e8d34ac8d78229bcfb014f7641595bed4987545cf425b7e2d38"
    },
    {
      "prev_id": "0041cf982623372e59bafac8ee055f63b061fa702ea0364e6894fc5c453cd8ae0c0bf5e094892e8d34ac8d78229bcfb014f7641595bed4987545cf425b7e2d38",
      "body": [
        {
          "serverid": 1594300581524,
          "method": "create_item",
          "db": "mydb",
          "item": {
            "name": "K.Kimura",
            "hobby": "Programming",
            "id": "52ca8330-d405-11ea-a583-074fb3956e72"
          }
        }
      ],
      "timestamps": [
        1596292991723
      ],
      "nonce": 232,
      "id": "00ab2eddbec25b10560d8769c3d21a21efee0edb2f69e634da34fe1f326aae96a2d5346cff4ff794c88bc68fa3c45fcf73ba483b3c1ae1977f3b326efda3aeed"
    },
    {
      "prev_id": "00ab2eddbec25b10560d8769c3d21a21efee0edb2f69e634da34fe1f326aae96a2d5346cff4ff794c88bc68fa3c45fcf73ba483b3c1ae1977f3b326efda3aeed",
      "body": [
        {
          "serverid": 1594300581524,
          "method": "update_item",
          "db": "mydb",
          "item": {
            "name": "キムラ ケイ",
            "hobby": "プログラミング",
            "id": "52ca8330-d405-11ea-a583-074fb3956e72"
          }
        }
      ],
      "timestamps": [
        1596294186025
      ],
      "nonce": 427,
      "id": "0066ee6659b2ea71365ddc8b93a780e2d3684fc7f40d6c5f3ccec6835385f7863c1737f8eef239a0867440f2493d246166387082053f7cbb20aea468a8e74c7a"
    },
    {
      "prev_id": "0066ee6659b2ea71365ddc8b93a780e2d3684fc7f40d6c5f3ccec6835385f7863c1737f8eef239a0867440f2493d246166387082053f7cbb20aea468a8e74c7a",
      "body": [
        {
          "serverid": 1594300581524,
          "method": "delete_item",
          "db": "mydb",
          "id": "52ca8330-d405-11ea-a583-074fb3956e72"
        }
      ],
      "timestamps": [
        1596294559724
      ],
      "nonce": 88,
      "id": "006c91e3c08ded1791775aab6a0fa02b82cb842f5d2e6fba989d58b64444b5f0005ac115eb969b8491cad824ac6e5e924c4b8baa6567c04c7997b505a7891016"
    }
  ],
  "limit": 0,
  "offset": 0
}

実行結果の JSON オブジェクト内の ledgers が配列となっていて、その中にブロックチェーンの内容が含まれています。視認しやすいように上記では色をつけていますが、(1) mydb データベースの作成 (2) mydb データベースにアイテムを1件新規登録 (3) mydb データベースに登録したアイテムの内容を更新 (4) mydb データベースに登録したアイテムを削除 の4つが全て serverid 付きで登録されていることがわかります。しかも各オブジェクトには id と prev_id (と nonce)というキーがあり、これらがハッシュチェーンとなって繋がっていることで改ざんが困難なブロックチェーンとして機能しています。

つまり、この段階では HATOYA には mydb というデータベースが1つだけ存在していて、中身は何のアイテムデータが含まれていない状態になっていますが、これがデータベースが作られた直後ではなく、アイテムデータが作成され、変更され、削除された上での結果として何も含まれていない状態になっている、ということをブロックチェーンという技術が保証してくれていることになります。

これらのデータベースシステムへの変更作業が自動でブロックチェーンに登録される(そしてこのブロックチェーンは改ざんが困難なので変更履歴が保証される)ことが HATOYA の特徴の1つになっています。


【ダッシュボードを使う】
一つ上の節では Swagger API ドキュメントや REST API を使って HATOYA のデータベースを読み書きしたり、その結果生成されたブロックチェーンの様子を確認しました。これが理解しにくい、という人向けに簡易ダッシュボード機能も用意しています(ただしダッシュボードでは全ての REST API を実行できるわけではありません。例えば添付ファイルの読み書きやバルク API 実行は現在のダッシュボードからは行なえません)。

ダッシュボードへアクセスするにはブラウザでドキュメントルート(/)にアクセスします。localhost 上で実行している場合であれば http://localhost:4126/ へアクセスします。初回のみ Basic 認証を聞かれます。デフォルトではユーザー名 = username, パスワード = password です:
2020080202


※なお、この認証値は Docker コンテナ起動時の環境変数パラメータで変更可能です。例えばユーザー名 = user, パスワード = pass にするには以下のように起動します:
$ docker run -e BASIC_USERNAME=user -e BASIC_PASSWORD=pass -d -p 4126:4126 dotnsf/hatoya

正しい認証値を入力するとダッシュボードの画面が表示されます:
2020080201


画面左部分がメニューになっており、ブロックチェーン一覧や新規データベース作成はこちらから行えます。なおこの画面からブロックチェーン一覧を実行する場合、上述時に指定した serverid 値は自動的に指定されるので意識する必要はありません。なお serverid 値を確認したい場合は左上のハトマークにマウスカーソルを移動させると表示できます(シングルノード稼働の場合、(Config) と書かれた部分の環境設定は不要です、また config や ledgers という名前のデータベースを作成することはできません):
2020080203


データベースを作成すると (Config) の下に存在するデータベースが一覧で表示され、どれか1つを選択すると、そのデータベース内のアイテム一覧が表示したり、新規にアイテムを追加したり、編集/削除したりが行なえます。データベースの削除もこの画面から可能です:
2020080204


一通りの作業後に画面左の (Ledgers) を選択すると、その時点でのブロックチェーンの状態を確認することが可能です:
2020080205


↑UI 的にも全然イケてないダッシュボードですが、最小限の CRUD 操作を行ってブロックチェーンの確認までは行えるようになっています。Swagger API ドキュメントや curl の操作がよくわからない場合はこちらも併用してください。



【ブロックチェーンアプリケーション開発に】
HATOYA の全ての機能を紹介しているわけではないのですが、とりあえずこれらの情報を使うことでシングルノードの HATOYA を使ったブロックチェーン対応データストアが実現できると思っています。試験的にアプリケーションと組み合わせて使ってみていただいても構いませんし、HATOYA 対応アプリケーションを開発する用途であれば、その環境はシングルノードでも十分だと考えています。基本的には DB を REST で読み書き更新削除するだけでブロックチェーンに記録されるという特徴があるので、ブロックチェーンをほぼ意識することなくブロックチェーン対応アプリケーションが実装できると思っています(ちなみに拙作のマンホールマップ内でも使っています)。

今回紹介していませんが、本来は config 機能を使ってブロックチェーンネットワークを構築し、マルチノードでブロックチェーン部分を同期しながら運用することも想定しています。そこにもいくつかの特徴的な機能もあって我ながら面白い作品だと思っていますが、そのあたりについてはまた別の機会に。。


facebook に URL を含めて投稿すると、そこは自動的にリンクになり、クリックすると指定された URL ページを開くことができます。ここまでは当たり前の話:
2020080206


2020080207


このリンク先の URL は正確には元の URL とは少し異なります。というのは(おそらく追跡目的で)元の URL に fbclid=XXXXXXXX というパラメータが付与されたURL がリンク先になります(XXXXXXXX 部分はその時によって異なるランダムな文字列です)。このパラメータはリンク先ではほとんどのケースで無視されるので実質的には何の違いも生じずに期待通りのページが開きます:
2020080208


さて、問題はこの facebook の仕様が期待通りの結果にならないケースがあるということです。その典型がウェブ上に公開されたノーツの各種ヘルプデータベースのページです。例えば bcom.com 様が公開している Lotus Domino Designer 8.5 のデザイナーヘルプは以下の URL で開きます:
https://www.bcom.co.jp/help/help85_designer.nsf/Main?OpenFrameSet

2020080209



※勘のいい人はこの時点で気づいているかもしれませんが、↑実はこの URL は少し特殊なフォーマットになっています。"?" のあとに URL パラメータとして "OpenFrameSet" が付与されています。が、一般的には URL パラメータは "key=value" という形になっているもので、この URL は key だけが指定された形になっています。とはいえ、これで正しく動くんですけど。。


さて、問題は上記のようなおかしな URL を facebook に貼ったときのリンクの挙動です。仕様的には fbclid=XXXXXXXX というパラメータが追加され・・・るはずなんですが、元の URL が少しおかしなフォーマットになっているせいか期待通りの形(https://www.bcom.co.jp/help/help85_designer.nsf/Main?OpenFrameSet&fbclid=XXXXXXXX)になってくれません。OpenFrameSet の直前の "?" がなぜか "!" に変換されて、https://www.bcom.co.jp/help/help85_designer.nsf/Main!OpenFrameSet?fbclid=XXXXXXXX という URL が facebook からリンクされます。そしてこのリンク先を開くとエラーとなってしまうのでした:
2020080201


さて普通にヘルプのページを facebook に貼っただけではリンク先がエラーになってしまう事実がわかりました。ではそこまで理解した上で該当の URL を facebook に正しく貼るにはどのようにすればいいでしょうか?

実は単純な解決方法があります。もともとのおかしな URL は key=value の key 部分だけが指定されているものだったので、無理やり value 部分を足してフォーマットしては矛盾のない形する方法で解決できそうでした。具体的には https://www.bcom.co.jp/help/help85_designer.nsf/Main?OpenFrameset=1 という URL を指定して facebook に貼る、という方法です。

こうすると facebook からのリンク先は https://www.bcom.co.jp/help/help85_designer.nsf/Main?OpenFrameset=1&fbclid=XXXXXXXX という矛盾のないフォーマットになり、この URL であれば問題なく開くことができるようでした:
2020080202



ノーツの各種ヘルプファイル以外にこのようなフォーマットの URL を使うケースがあるのか、また facebook 以外でこのような(パラメータ自動付与による)不都合が生じるサービスがあるのかどうかもよくわかっていないのですが、おそらくここで紹介したのと同様の方法で回避できると思っています。

偉そうなブログタイトルになってしまいました、申し訳ない。


業務でも個人サービスでもブロックチェーンを使う機会があります。業務で携わることで世の中のお客様がどういった用途でどのようにブロックチェーンを使おうとしているのか、という貴重な情報を得ることができると同時に、企業内利用ゆえの様々な制約に直面することもあります。また個人サービスでもブロックチェーンを使うことで業務での必要十分な範囲にとらわれない(自分が挑戦してみたい)実装にチャレンジすることもできています。いろいろ恵まれた立場であることを実感しています。

一方で、この2つの立場でブロックチェーンを活用していると、「自分が理解してるブロックチェーン」と「実際のブロックチェーンプラットフォーム」との間に存在しているギャップが気になることもあります。このギャップは自分のブロックチェーンに対する理解がまだまだ足りないことに起因している可能性が大きいこともわかっていますが、それはつまり「ブロックチェーンは難しいもの」という先入観にも原因があるのかもしれません。

何を言いたいのかと言うと、自分のようなアプリケーション開発者の視点から考えるブロックチェーンはこういうものであってほしい(こういうものであってくれると使いやすいし、管理しやすい)んだけど、現実はそうではない、ということに何度か直面するのでした。具体的にいくつか挙げるとこのようなことです:


0 「ブロックチェーン」としての定義を満たしている

これは要件というよりも、後述する「ブロックチェーン」という用語への共通理解のための項目です。例えば日本では一般社団法人日本ブロックチェーン協会このような定義をしています。この中の「広義のブロックチェーン」で考えられるものが(広い意味での)ブロックチェーンであり、ここに定義された条件を満たしていれば、仮にサーバーノードを管理する権限を持っているような立場の人であっても、その中身を改ざんすることは困難になる、というものです。この「改ざんが困難」な特徴によって(法律などでルールを作らなくても、技術的に)記録内容の正当性を保証できるようになるもの、それがブロックチェーンだと理解しています。

で、特に開発者の視点ではブロックチェーンがここから下の要件を満たすものであってもらえるといろいろ嬉しいなあ、、と思っていまして、それを3つほど列挙させていただきます。


1 可能な限りブロックチェーンを意識せずにアプリケーション開発ができる

上述したようにブロックチェーンに関する最小限の知識はアプリケーション開発者が理解しているべきであると思いますが、一方でアプリケーション開発者がブロックチェーンを意識して開発すべきであるとは思いません。極端な言い方ですが、ブロックチェーンの存在すら知ることなく「開発者がデータベースを使ってアプリケーションを開発したら、データベースへのトランザクションは全て自動的にブロックチェーンに記録されて、改ざんが困難になったり、改ざんされてもすぐバレる」ようにできると理想的だと考えています。 要はブロックチェーンというインフラ部分をアプリケーション開発者の責任範囲から可能な限り分離したい、という意見です。


2 プライベートネットワークからもブロックチェーンに参加できる

ブロックチェーンネットワーク内に存在するノード間では台帳情報を分散管理します。したがって全てのノードがパブリックなネットワークに存在していて自由に同期をとることができることが理想ではあります。

一方、実際に企業のサービスがブロックチェーンネットワークに参加する場合、パブリックネットワークでの運用を前提とする時点で懸念が生じることがあります。比較対象として相応しいかどうかわかりませんが、例えば企業内で使っているデータベースをパブリッククラウド上に移行することですら問題になるのが現実で、そんな中で台帳情報を共有するブロックチェーンはパブリックでもオッケー、となるわけがありません。わがままにも聞こえますが「ネットワークはパブリックで構築してもいいが、うちが用意するノードはプライベートな状態で運用したい」のが本音となっているケースも散見します。

このわがままにも聞こえる懸念に対して「ブロックチェーンだからパブリックネットワークでないといけないのか?」という観点で考えるとどうでしょう? ある程度中身まで理解しているブロックチェーン技術者にとっては当然のようにパブリックネットワーク運用前提で考えてしまうかもしれませんが、ブロックチェーンを活用したいと考えている経営者からは厄介な制約に感じられてしまうものかもしれませんし、上述の「1 可能な限りブロックチェーンを意識せずにアプリケーション開発ができる」ようになると、アプリケーション開発者としてもネットワーク・トポロジーの制約を意識せずに開発できるようになるのが理想と考えています。 開発者と経営者、どちらもブロックチェーンを活用したいという想いは同じなのに、協力しあえないのはあまりに不幸な話と思えるため、それならなんらかの制約(※)が加わるにせよ、開発者側から歩み寄る形でプライベートネットワーク内からもブロックチェーンネットワークに参加して同期を取る方法を(技術的に不可能でないのだとしたら)検討する価値はあるのではないか、と考えています。そしてブロックチェーンそのものにそういった機能がはじめから付与されていれば歩み寄りも最小限で済むため理想的ではないかと思っています。

※具体的にはブロックチェーンをプライベート型やコンソーシアム型にせざるを得なくなる、といった制約です。


3 ブロックチェーンに全てのトランザクションが記録されるのであれば、例えばノードの引っ越し時やデータ破損時などにブロックチェーンからリストアできるはず

実は僕がブロックチェーンの存在や概要を知って、真っ先に思いついたブロックチェーンのメリットがこれでした。そもそも開発するサービス全体のうち、ブロックチェーンには何を(どの部分の情報を)記録するのかという問題があることは理解しています。例えばユーザー情報はブロックチェーンには記録せずに運用するけど、お金の動きに関わる部分だけはブロックチェーンに記録する、という考え方です。その意味ではサービス全体の情報がブロックチェーンに格納されるわけではないことは理解しておく必要があります。

でもブロックチェーンに記録されている情報に関してはそこに全トランザクションが記録されているわけだから、仮にデータ部分が破損したケースであっても、ブロックチェーンを最初からたどることで理論上は元通りに戻せるはず(つまりブロックチェーンからリストアできるはず)、だと思ったのでした。これができると運用者は楽だし、運用者が困っている面倒な部分の開発も楽になります。

ところが実際にそのようなリストア機能をもったブロックチェーンは自分の知る限りでは存在していません。もちろん実際のデータベースとの紐付け情報が必要だったり、どのサービスで使うデータに関するトランザクションなのか、といった情報も含めてブロックチェーンに記録されていないと実現できないことは理解できます。ブロックチェーン側のデータフォーマット仕様にも関わる話になってしまうと後からの変更や対応は難しいかもしれないなあ、といった事情もあるのでしょう。

この「ブロックチェーンからリストア」の実現について、色々面倒な制約があってできないのか、それともあまり重要視されていないのかわかりません。ただ自分のような開発者・運用者の視点からはこれがブロックチェーン側の機能の一部として実現できたらバックアップへの不安という心理的な負担を軽くことのできる開発プラットフォームが実現できて、それは開発にブロックチェーンを採用するメリットにもなり得るのではないか、、、と感じていたのでした。



そして、実はいま上述した3点を含む「開発者視点で考えた、使いやすいブロックチェーン」を実装中です。「開発者視点」と言いつつ、あくまで「自分の視点」ではありますけど(笑)。簡単に特徴を列挙するとこのような感じ:
  • 名前は HATOYA 、デフォルトの実行ポート番号は 4126
  • 表向きは REST API でデータベースやデータベース内のドキュメントを CRUD(Create/Read/Update/Delete 加えて Search も) 可能な JSON データベースシステム
  • データベースやドキュメントへの変更トランザクションは全て内蔵ブロックチェーンに自動記録
  • 複数ノードでブロックチェーンネットワークを作ると、参加するノードのブロックチェーン情報は1つにマージされる。つまりブロックチェーンネットワークで1つのブロックチェーンを共有管理する(データベース情報は共有しない)
  • ブロックチェーンネットワークにはプライベートネットワークからも参加可能(ただしその場合は push 型の同期処理となる)
  • サーバー引っ越し時や、データ破損時などにブロックチェーンからデータベースをリストアすることができる

なおスケーラビリティやアベイラビリティ、セキュリティといった非機能要件はまだ不十分な上、機能実装も現時点ではあくまで予定としているものではあるのですが、上述3点については実現にも目処が立っています:
20200724



現在は複数ノード環境での動作テストやデバッグ、このブロックチェーンを使ったツールやサンプルアプリなどを開発するのが中心の段階に至っています(つまり上述の3点の特徴含めてある程度は動く状態になっています):
2020072400


近い将来になんらかの形で公開予定です。本来アプリケーション開発とは利用者の観点を重要視するべきで、そこを開発者観点で作ることに異論を唱える人が存在するであろうことも理解しています。ただブロックチェーンってそもそもエンドユーザーが意識するべきものではないし、「ブロックチェーンの利用者」が誰なのかを考えると、それは「開発者」であるという視点があってもいいのかな、と。そう考えた時の答の1つになれればいいと思っています。あと深く勉強しなくてもすぐに実装が開始できるので、PoC 的な用途には向いているんじゃないかなあ、とも。

まだ動くものを公開していないので感想を持ちにくいということも理解していますが、こういった考え方で作られるブロックチェーンへの賛同や反論などありましたら、傷が浅いうちに(笑)ぜひ聞いておきたいです。コメント等でご意見いただければと。

このページのトップヘ